ありがとう工場

天仕事屋(てしごとや)

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11 グズグズネズミ

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 新米ネズミはヒマワリ畑の見下ろせる夕日ヶ丘に座っていた。
 チュー太郎宅を後に無心にバイクを走らせたが、夕方まで特にする事も無い。

 時間を潰せるあてもなく、取りあえずバイクを停めて野原に座り、ヒマワリ畑の向こうに見える川辺りを眺めていた。
 畑一杯に咲くヒマワリは風にそよそよと大きな花を揺らしていた。
 
 その風景はとても穏やかに押しては返すさざ波のように、何度も繰り返している。
 それをぼんやり眺めながら新米ネズミは思った。

 (何でもいいからさっさと受け取ってくれれば、、)
 考えるのも疲れてしまって自分勝手な考えがよぎってくる。


 そしてふと思う。
(どうしてチュー太郎は荷物を受け取ってくれないんだろう、、?)

 そもそも配達した荷物は受け取ってもらうのが当たり前だと思っていた。

 だからそれを拒否されたことがショックだったのと、荷物を自分が忘れた事への罪悪感で一杯だった。頭の中がそればかりで、チュー太郎の受け取らない理由について今までは考えてみたことがなかったのだった。
 
 (よく考えるとチュー太郎は荷物を見ただけで受け取りを断わった。箱が温かろうと冷たかろうとどっちでも良かったんじゃないのか?)
 (もし自分が荷物を配達するのが遅れていなくても実は受け取ってもらえてなかったんじゃないのか?)



 、、、、、じゃあ、こっちのせいじゃないじゃないか、、。

 そんな事を考えていると段々腹が立ってきた。
 チュー太郎に対してムカムカするのと同時に、こっちのミスを正当化しようとしている自分にも腹が立ってきた。

 新米ネズミは野原で体育座りのまま、顔を隠してまたグズグズと一人で泣いた。


 今になってようやくこのネズミは工場の3番目のルールの本当の意味を、身に沁みて感じるのだった。
 
 
 
 
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