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初めてチュー太郎の家に配達に行ってから今日で何日が経つのだろうか?
工場内の休憩場所で新米ネズミはぼんやりと一人で座っていた。
以前は仕事が楽しくてやり甲斐のあるものだったのに、今は何もしないでいるこの時間が苦痛で仕方がなかった。
ガチャッ、、、、
「パパイヤ?」
みみずく先輩が部屋に入ってきた。
新米ネズミの机の上に、先輩は袋からパンを一つ出して置いた。
「ちゃんと食べてるか?」
「は、はい。」
新米ネズミは静かに答えた。
みみずく先輩は隣の椅子に座って持っていたペットボトルを開ける。
「荷物、まだ受け取ってもらえないのか?」
「はい。」
新米ネズミは俯向いて頷いた。
先輩は袋を開いて自分のパンを取り出すとバクバクとかぶりついた。
パンを食べる音と少しの沈黙の後、
「あのな、、、パパイヤ、」
「俺がいつも思っていることなんだが、、」
先輩は言いにくそうに話を始める。
「ありがとうもごめんなさいも、書いては無いが賞味期限みたいなものがあるんじゃないかって、思うんだよ。」
そう言うとペットボトルのお茶をがぶ飲みして、先輩はまた一口パンをかじる。
「こういうパンみたいに温かいうちが旨かったり、カビが生えたら駄目になったり、、」
「俺らが配達してるもんは、食べ物じゃないけど鮮度がある気がしてるんだよな。」
「だから温かいうちに届けないと意味がないって今でも思ってる。」
「んで、送り主もそれを知ってるから、直接届けられない人は俺らに配達を頼むんじゃないかな。」
新米ネズミはそれを聞いてまた、隣でボロボロと涙をこぼしている。
「あぁ?まーた泣いてんのか!」
「この泣き虫ネズミが。食え!」
そう言って先輩がパンを差し出した。
新米ネズミは泣きながらパンを咥えてもぐもぐやった。水分が無くて喉につまりそうになり、慌ててボトルの水を流し込む。
喉に水が流れ込んでくるとやっと涙のしょっぱさやら、パンの味がしてきた。
「ご、ごめんなさい、、!!!」
苦しいやら申し訳ないやらで、新米ネズミはパンを飲み込みながらまた泣いていた。
工場内の休憩場所で新米ネズミはぼんやりと一人で座っていた。
以前は仕事が楽しくてやり甲斐のあるものだったのに、今は何もしないでいるこの時間が苦痛で仕方がなかった。
ガチャッ、、、、
「パパイヤ?」
みみずく先輩が部屋に入ってきた。
新米ネズミの机の上に、先輩は袋からパンを一つ出して置いた。
「ちゃんと食べてるか?」
「は、はい。」
新米ネズミは静かに答えた。
みみずく先輩は隣の椅子に座って持っていたペットボトルを開ける。
「荷物、まだ受け取ってもらえないのか?」
「はい。」
新米ネズミは俯向いて頷いた。
先輩は袋を開いて自分のパンを取り出すとバクバクとかぶりついた。
パンを食べる音と少しの沈黙の後、
「あのな、、、パパイヤ、」
「俺がいつも思っていることなんだが、、」
先輩は言いにくそうに話を始める。
「ありがとうもごめんなさいも、書いては無いが賞味期限みたいなものがあるんじゃないかって、思うんだよ。」
そう言うとペットボトルのお茶をがぶ飲みして、先輩はまた一口パンをかじる。
「こういうパンみたいに温かいうちが旨かったり、カビが生えたら駄目になったり、、」
「俺らが配達してるもんは、食べ物じゃないけど鮮度がある気がしてるんだよな。」
「だから温かいうちに届けないと意味がないって今でも思ってる。」
「んで、送り主もそれを知ってるから、直接届けられない人は俺らに配達を頼むんじゃないかな。」
新米ネズミはそれを聞いてまた、隣でボロボロと涙をこぼしている。
「あぁ?まーた泣いてんのか!」
「この泣き虫ネズミが。食え!」
そう言って先輩がパンを差し出した。
新米ネズミは泣きながらパンを咥えてもぐもぐやった。水分が無くて喉につまりそうになり、慌ててボトルの水を流し込む。
喉に水が流れ込んでくるとやっと涙のしょっぱさやら、パンの味がしてきた。
「ご、ごめんなさい、、!!!」
苦しいやら申し訳ないやらで、新米ネズミはパンを飲み込みながらまた泣いていた。
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