夜明けの月★

天仕事屋(てしごとや)

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v 06 嫉妬

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 男女二人が薄暗い、物置で話をしている。

 そこへ男が一人、ドアを開けて入ってくる。

 二人が仲良く話をしているのを、入って来た男は目の当たりにすると、何かザワリと胸の辺りが痛むのを感じる。

 「そんな所で固まって、どうした。」

 女と話すのを止めてその男は聞いた。

 入って来た男は黙っている。
 何故かまだ胸のざわつきが治まらないのだ。
 けれどそれが何なのか、
 その時、男には分からなかった。




 『暮れては色づく月の光に
  照らされる背中を何度も思う
  一夜を共にあかすことが出来たら
  どんなにか満たされるのだろう

  かき消される過去と
  情熱で今を生きているという
  実感がはじめて湧いてくる

  彼は今まで灰色だった私の世界に
  次々と色をつけてくれる』



1999年06月20日 10:02

 トラックが、彼女の家に着くと相方がまず降りるなり、「へぇ~」と何か意味ありげな表情で家を眺めている。
 
 「どうした、、、?」

 と剣士が問いかけると、「別に」と言うが顔は明らかに何か企んでいるような様子が伺える。
 「何だよ、、」と剣士はそれを見てこいつの前でヘタ打たないでおこうと心で呟くのだった。 

 ピンポーン、、

 呼び鈴を鳴らしてしばらくすると、ドアは開けられ、中から彼女が現れた。

 その姿を見るなり、相方の陽介は声もないまま俺の肘を小突く。
 「おはようございます。、、今日は二人でお願いします。」と剣士が顔を作って返す。

 「おはようございます。何度も来て頂いてすみません、、どうぞ。」
 と彼女は家の中に俺達を招き入れた。

 二人は彼女が背中を向けると、お互い顔を見合わせて口パクであーだこーだやりあった。

 そんな事は他所に、彼女が一階の奥の広間へと二人を先導した。

 陽介はその間もキョロキョロと部屋の様子を隅々まで品定めするかのように、眼光を鋭く見やりながら進んでいる。

 ふと、部屋の奥の壁にカーテンのかかっている場所を陽介は見つけたようで、彼は好奇心で駆け寄る。
  
 「あのぉ、、この奥にももしかして、、絵画があったりします?」

 突然陽介は、まるで江戸時代の太鼓持ちの様な口調でそう尋ねる。
 けれど、いかにもその奥が見たいという下心が見え見えだったので、

 う、ごほん、、「陽介っ、、!」

 と剣士はカーテンを今にもめくりそうになっている相方を静止した。

 それを見た彼女は静かに微笑みながら返す。
 「そこには両親の絵があるんですけど、身内しか見れないようにしているので、すみません。」

 「い、いえ、こちらこそ!すみません。」

 剣士は、強引に悪さをした子供のような相方の腕を掴んで、その場から引きはがすのだった。


 





 
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