どうせ明日も雨模様。

とりむねにく

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『刀』それは全ての男が憧れる最強の武器 ②

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 「いやだ」
俺は少し動揺したが、素っ気なく断り、もう一度床に座り直した。
「なんで!?君には勿体ないくらいの大事な使命!君指名の使命なんだよ!?」
西条は俺に断られたことが余程予想外の出来事だったのか、動揺している。
「断固として拒否する。俺はそんな危ない目には逢いたくない」
「拒否するな!これは君の父親から君に託すように言われている!親孝行のつもりでさぁ」
西条は慌てた顔で俺にそう言い聞かせようとするが、親と約束した大学卒業すら成し遂げなかった自分が死んだ人間の頼みなど聞くわけが無い。それに、否定するなとは、お前は誰だ。そんなにも偉いのか。
「阿呆め、俺がそんな良心に満ち溢れた人間だと思ったか……とにかく、今日はもう帰ってくれ」
俺は、まるでショートしたアンドロイドのように座り込んでしまった西条にそう言い放ち、彼の荷物を玄関にまとめた。
 しかし、この西条鷹影という男はここからがなかなかしぶとかった。
「やだね!断固として拒否する!俺は今家がない。外で野宿などそんな危ない目には逢いたくないね!」
「だったらどうする」
「この家に泊まり込む。君がイエスと言うまでね」
西条はそう言うとニヤリと口角を吊り上げゴキブリのようにカサカサと部屋の隅に移動し、座り込んだ。
「帰らないと不審者として通報するぞ」そう言って俺が買ったばかりの携帯電話を取り出すと、西条は「んぬぐ……」と言って口をつぐんだ。
「分かった。ちゃんとお願いする。今ちょっと俺は家が無くて本当に困っている。泊まらせてはくれないか?」
西条は神妙な面持ちで俺にそう言ってきたが、本当に家がないのか、困っているのか、今のはちゃんとしたお願いなのか、それはちょっと分からない。
 「めんどくさいなぁ……わかったよ。泊めてやるけど、条件がある」
「なんだい!?難題じゃ無ければ何でも聞くよ!」
西条は少年のように目を輝かせて俺に這い寄った。別に難題を言い渡すつもりはない。
「アンタにやって欲しいのは、俺の親父がどんな人間だったのか、あの刀はなんなのか、何故俺が戦わないといけないのか、などなどの説明だ」
「それはちょっと難題というかなんといいますか~」
西条が渋い顔をして俺の顔から目を逸らす。その逸らした目線に入るように、俺は西条に顔をよせ、「でなければ泊めない。野宿か、俺ん家か、どっちがいいんだ西条さん?」と詰めた。
 
「わかっよ、わかった。話すから暫くここに泊めてくれ」

 西条は少々嫌そうな顔をしてそう言った。







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