貧乏男爵家から公爵家に嫁ぐことになりました。

SUZU

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料理長とご対面

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「簡単に言うと人が出入りする一階には玄関ホール、大広間、晩餐室、応接間、遊戯室、書庫がある。二階に私や君の私室やメイクルーム、衣装部屋あとは宿泊者用のゲストルーム。厨房は地下にあって、使用人達の部屋は隣の棟に位置している。大体君が使いそうなのはこのくらいかな?」

歩きながら簡単に教えてくれるウィリアム。

「書庫があるんですのね。興味がありますわ。」

「それならまた行ってみるといい。歴代の公爵家当主が少しずつ集めてたものがあるから。」

「ええ、是非!それと今は何処へ向かっているのですか?」

ウィリアムに誘導されるがまま歩いているが、自分が何処に向かっているのかわからないままだったことに気付き言った。

「今は地下の厨房に向かっている。使用人といっても沢山いるから、今日は主に会うことが多くなりそうな者だけにしよう。」

そう告げ歩みを止めたのは大広間の前だった。

「ここは大広間ですわよね?厨房へ行くのでは無いのですか?」

不思議に思いながら聞くジュリエット。

「大広間で立食パーティーなどをする時に、温かい料理を提供したいだろう?大広間の奥に地下への階段を作ったのさ。晩餐室にも階段はついてるが、大広間の方が近かったからな。」

そう言い大広間の扉を開けたウィリアムに続いて足を進めるジュリエット。

「厨房ということはシェフの方とお会いするのね。楽しみですわ。」

「今日はシェフ達を指揮する料理長と会ってもらう。気のいいやつだから仲良くなれると思う。」

会話をしながら大広間の奥にある扉をあけ階段を降りると、とても広い厨房がある。

「とても広いわ!男爵家とは大違い!倍くらいあるんじゃないかしら?」

あまりの広さに目を丸くして驚くジュリエットにウィリアムは

「それは言い過ぎだよ。地下に他に作るものもなかったから自然とこの広さになっただけだ。」

と答えながらキョロキョロと辺りを見回す。

少しすると奥の方から40代くらいの男性が姿を現した。

「ようこそ、お嬢さん。我が厨房へ!」

ニヤリと笑う男性は金髪の短髪でがっしりとした体格をしていた。

「貴方が料理長かしら?私この度公爵家の一員になりますジュリエットと申しますわ。」

そう言いお辞儀するジュリエットに男性も

「俺は料理長のクガイだ。そこの坊ちゃんが小さい時からこの家で働いてる。」

と答えウィリアムを見る。

「坊ちゃんはいい加減やめてくれ、もうそう言う歳じゃない。」

「ウィリアム様が小さい時からということは20年以上経っているのですね!」

「そうだな、21から働いてるからもう25年になるか。」

スルーされたウィリアムは無視か。と呟き黙る。

「坊ちゃんはこう見えていいやつですから、仲良くしてやって下さい。」

「お前はいつから私の親になったんだ。」

「もう知り合って25年だからな。もう坊ちゃんは俺の子供のようなものだ。」

そんな2人の掛け合いを見ていたジュリエットはニコニコと笑いながら

「とてもお二人の仲が良いのはわかりましたわ。私達の結婚式のお料理もクガイさんが作ってくださるのでしょう?大変楽しみにしてますわ。」

と言い、それを聞いたクガイも胸をはって

「勿論だ、期待しててくれ。公爵家料理人達が腕を振るって作らせてもらうぜ。」

と誇らしげに言う。

「そろそろ次へ行こうか」と言うウィリアムにジュリエットも頷きクガイに向かって

「これから長い間お世話になりますわ。ほかのシェフの方にもまたお時間がある時に挨拶させて貰いますわ。」

と告げクガイも「了解したよ、みんなにも言っとくさ。これからよろしく頼むよ。」と答える。

一段落した様子を見たウィリアムが次へ行こうと階段の方へ足を進める。

それに続いてジュリエットも一礼して階段へ進みながら聞いた。

「料理長の方が良い方でよかったですわ。次はどなたの所へ行きますの?」

「次は長年公爵家の庭を任せてきた庭師に会いに行くよ。」

「まあ、来る時に少し見えましたがとても立派なお庭でしたわ。」

「それなら良かった。彼はこの公爵家に仕えてとても長くて、みんなの相談役としても頼られている。」

「相談役だなんて、皆さんに信用されてるのですね。私も頼ってしまうかもしれませんし認めて頂けるかしら?」

料理長の時とは違い少し不安げにウィリアムを見上げるジュリエット。

ウィリアムは彼女を安心させるように笑う。

「彼は私の祖父のようなものだ。君もきっと好きになるさ。」

そう告げ階段を登った先にある大広間と厨房を結ぶ扉を開き、庭の方へ向かった。

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