貧乏男爵家から公爵家に嫁ぐことになりました。

SUZU

文字の大きさ
11 / 37

濃い1日

しおりを挟む
ジュリエット達の前に紅茶を出しながらアンナが切り出した。

「それで、結婚式はいつやられるんですか?」

「ドレスの仕立ての関係もあるから1ヶ月後にした。」

「それでは、少し先ですね。」

「ああ、それにこちらに来てすぐだとジュリエットも疲れてしまうだろう。少しこちらに慣れてからの方がいい。」

「それもそうですね、お嬢様が病気になって仕舞われたら元も子もないですから。どうせなら良いドレスを作って頂きたいですしね。」

「そうだろう、それに恐らく王太子殿下や他の貴族も招待しなければならないから準備に時間は取った方がいい。」

ジュリエットを置いて進む話に口を挟むタイミングをはかっていると、応接間をノックする音が聞こえた。

「旦那様、失礼してもよろしいでしょうか?」

ウィリアムが入れと言うと扉が開き、アーノルドとエルメールが入ってきた。

「お待たせして申し訳ございません。」
 
そう謝る2人に気にするなと声をかけるウィリアム。

「結婚式をやるに当たってはこの2人の力が必要不可欠だからな、私が呼んだんだ。」

そう言うウィリアムにの言葉に納得するジュリエットとアンナ。

「それで結婚式なんだが、この街で1番大きい教会は知っているか?」

その言葉に勿論と頷くジュリエット。

「そこでやることにした、その後この屋敷の大広間にてパーティーを開く。教会には親しい者だけにして、大広間のパーティーに先ほど言った王太子殿下や他の貴族を呼ぶ。」

「かしこまりました、殆ど決めて頂いてすみません。」

申し訳なさげに謝るジュリエットにそんなことないと首を振るウィリアム。

「これからジュリエットには改めて公爵家に相応しい佇まいを、学んでもらう。パーティーではダンスも踊らなければならないだろうから、そこらへんもやって置いた方がいいだろう?」

社交界から足が遠のいていたならば、ダンスも踊る機会があまりなかっただろうと思ったウィリアムはそう言った。

「わかりました、失敗はしたくないですもの是非お願いしたいですわ。」

「既に家庭教師と話はついております。いつでも来て頂けるそうですが、いつからになさいますか?」

エルメールがウィリアムに聞く。

「そうだな、明日は仕立て屋と宝石職人が来るから明後日からがいいだろう。」

「かしこまりました、その様に連絡しておきます。」

エルメールがそう返すとアーノルドも

「男爵家で招待するのは、男爵家当主のスミス様と夫人ユリア様だけでよろしいですか?他に誰か招待したい方がいらっしゃいましたら、こちらで招待状を送りますが…。」

とジュリエットに聞く。

「それでしたらトリスタン子爵家のローラ・トリスタン様をお願いします。仲良くしてくださった方なので是非来て頂きたいの。」

そう答えたジュリエットにアーノルドはかしこまりましたと返す。

「明日は私は別件で書斎にいるから、仕立て屋が来たらエルメールと一緒に結婚式用とパーティー用の2枚仕立てるようにしてくれ。指輪は私も一緒に見るから来たら、エルメールが呼びに来てくれ。」

「わかりましたわ。エルメールさんも一緒に仕立て屋さんと会って下さるなら心強いですわね。」

ジュリエットの言葉にアンナもそうですねと同意すると、ウィリアムが腕時計を見て

「さて、こんな遅くになってしまった。今日はここまでにしよう。」

と言った。

「本当ですわ、あっという間にこんな時間!今日は濃い1日であっという間でしたわね。」

そう言って立ち上がり部屋を出ようと扉へ向かう。

するとアーノルドが扉を開けてくれたため

「それでは皆さん、先に部屋に戻らせて頂きます。良い夢を。」

と言い軽く膝を曲げ一礼してみせると部屋を出た。

「そういえばお風呂が何処にあるか聞き忘れてしまったわ。アンナは何か聞いてる?」

ふと思い出しアンナに聞く。

「はい、お嬢様達が屋敷内の使用人へ挨拶へ行ってる間にアーノルドさんに聞いておきました。」

「それなら良かったわ。」

そうしてジュリエットへあてがわれた私室へ戻り、ネグリジェへ着替え、あっという間に眠りについた。

それを確認したアンナは電気を消し、部屋を出るのであった。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

処理中です...