貧乏男爵家から公爵家に嫁ぐことになりました。

SUZU

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デザインを描き終わるまで。

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「ここはもっとボリュームを出した方が豪華になって良いよな。」

「レースをもっと多めにした方が可愛い雰囲気になるな。」

「装飾品が引き立つようにあんまりごちゃごちゃしないようにしないと。」

ブツブツと呟きながら凄いスピードでイラストを描いているルル。

それを尻目にララが

「そういえば靴は如何なさいますか?私達の所でもドレスに合わせて作ることが出来ますが、もしほかに靴職人を見つけているようならそちらにお願いした方がいいと思いますが…。」

と言いジュリエットの方を見る。

「あら、靴のことまで考えていなかったわ。アンナは何か聞いている?」

「いいえ、特に伺っておりません。ですがララさんの所で作っていただける様ならお願いした方がいいのでは?ドレスとのバランスを考えて作っていただけると思いますし。」

聞いてきたジュリエットにそう答えるアンナ。

すると扉が開きエルメールが現れ紅茶を人数分、テーブルの上に注いだ。

「ありがとう、エルメールは靴のことは聞いているかしら?」

礼を言いつつ、聞くジュリエットにはいと答えた。

「旦那様からは奥様がよく利用している職人がいればそこに、いないようならばこちらの仕立て屋の方々にお願いするようにと仰せつかっております。」

そう続けて言ったエルメールにそうなの。と答えて

「それならばララさん達にお願いしましょう。ドレスに合わせて作って貰いたいからデザインはお任せしますわ。」

そう言ったジュリエット。

「ありがとうございます、では靴も私達で作らせて頂きます。一流の靴職人も雇っているのでお任せください!」

ニッコリと笑いそう言いながらメジャーやペンを取り出して

「それでは足のサイズなどを測らせて貰いますので、少し足をお借りします。」

と言ってジュリエットの足元にしゃがみ込みメジャーを使い足のサイズを測ったり紙に書き込み、一通り測り終わると

「ありがとうございます!では今測ったものを参考に靴は作りますね!」

と言って紙やメジャーを鞄に仕舞い、ルルの方をチラッと見てもう少しかかりそうですね。と言った。

「そういえばウィリアム様のお洋服もララさん達が作るんですか?」

エルメールに注いでもらった紅茶を飲みジュリエットは聞いた。

「はい、既にデザインの確認は終わって作成に取り掛かっております。夫人のドレスの作成が終わり次第一緒に試着をお願いする予定です。」

それにララが答えるとエルメールも

「相変わらず素晴らしいデザインでした。ルルさんのドレスのデザインをみるのも旦那様のお母様が居た頃以来ですね。」と答え

「それを聞くと更に楽しみになってきましたわ。ウィリアム様のお母様もララさん達にお願いしていたのですね!」

そう言うジュリエットに

「はい。毎回素晴らしい出来ですので、代々公爵家ではこちらの仕立て屋さんにお願いしております。」

と続けて言った。

「そうなんですね!そういえば、ウィリアム様に弟がいると聞いたのですがどんな方ですか?」

「ディアル様のことですね。兄である旦那様をとても慕っておりまして、今回妻を娶ると決まった時も大層喜んでおられました。」

「ディアル様でしたら、私も存じております。ウィリアム様よりもふんわりとした雰囲気でとても良い方ですよ。」

唐突に聞いたジュリエットにエルメールとララがそう答える。

「昔は兄上、兄上と後ろをついて回っており、大変仲の良いご兄弟です。仕事の面でも旦那様の支えとなり、公爵家を盛り立ててくださっております。」

エルメールはそう続けて言った。

「とても素晴らしい方なのですね!私も会うのが楽しみになってきましたわ!」

エルメールやララの言葉を聞いて、ジュリエットは言う。

会話がひと段落したのを確認するとアンナがジュリエットに

「お嬢様、ルルさんがデザインを描き終わったようです。」

と声をかけた。

「待たせたね!とりあえず結婚式用と舞踏会用で2着描いたけど、直したい点があったら言ってくれ。」

ルルはそう言ってスケッチブックを開いてジュリエット達に見せた。

「いえいえ、ララさんとエルメールさんとアンナとお話ししていたから大して待っていませんわ!お気になさらず。」

言いながらスケッチブックを見ると、キラキラと目を輝かせたジュリエット。

「とっても可愛らしいドレスですわ!着るのが勿体ないくらい!」

そう言うジュリエットにエルメールとアンナもスケッチブックを見ると「とっても綺麗ですね!」とルルに言う。

「ありがとう、夫人達の言葉を参考に作ったまでだよ。」

ジュリエット達の言葉に照れたように言うルル。
それに続けてララも

「ありがとうございます!それではこのままドレスをお作りして宜しいですか?」

と言ったのでジュリエット達は「勿論!これでお願いします!」と答えた。

「かしこまりました!では私達は帰って早速作成に取り掛かりますので、帰らせていただきます。」

ララがそう言って慌ただしげに荷物を纏める。

「忙しなくてすみませんね。このイメージのままドレスの作成に取り掛かりたいので。」

苦笑して言ったルルにいいえと首を振って答えたジュリエット、そのまま

「それでは玄関ホールまで見送らせて頂きますわ!」

と言ったがララとルルにお気になさらずと断ると、部屋から出て行こうとする。

それを見てジュリエットはエルメールに

「ララさんとルルさんを玄関ホールまで見送って来てください。私はこの部屋でお待ちしているので。」

と頼み、ララとルルに「ドレス楽しみにしておりますわ!」と笑顔で言った。

それを聞いたララとルルも笑顔で

「かしこまりました、また仮縫いが終わり次第試着をして頂きに訪問します。本日はお時間頂きありがとうございました。」

と言って頭を下げるとエルメールに先頭され、部屋から出て行った。



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