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BL営業をしていたら、相手役の俺様イケメンにガチで惚れられました
5終 *
▪️
黎人さんは俺を見つけるなり、ぎゅっと抱きしめてきた。周りにいる人々は見て見ぬふりをしてくれた。
ああ、久しぶりの黎人さんの体温だ。
「ちゃんと食べてました?」
「まあな」
「よかった」
「……好きな人にオカンっぽさを感じると恋心が萎えるって言うのは嘘だな。俺、悠也に食生活のことを叱られると嬉しい」
俺たちは手を繋いで道を歩き出した。
黎人さんのアパートは年季が入った外観をしていた。
「俺の部屋、一階だから。激しい動きをしても大丈夫だ。安心しろ」
「はっ、激しい動きって……! 優しくしてくださいよ」
「んー。それは約束できねぇ」
部屋に入るなり、黎人さんがキスをしてきた。
俺たちの行為を覗いている人はもう誰もいない。俺は口を開いて、黎人さんの舌を招き入れた。初めは遠慮がちだった黎人さんの舌遣いが大胆になっていく。俺は唇のはしから唾液を垂らした。
「シャワー浴びたいです」
「いいぜ」
「……黎人さん、お先にどうぞ。俺はやらなきゃいけないことがあるんで」
ドラッグストアの袋から浣腸のパッケージがのぞいている。黎人さんが気まずそうに目をそらした。男同士のセックスは事前準備がいろいろと必要である。
俺はスマホで仕入れた知識に従って、後ろの始末をつけた。
浴室から出た黎人さんは腰にタオルを巻いただけの格好だった。相変わらずの肉体美である。
俺はシャワーを浴びながら、己の貧相な体を恥じた。平たい胸に薄い腹。われながら見どころのない体である。黎人さんは俺相手に勃つのだろうか?
黎人さんと同じように腰をタオルで覆った姿で居間に行くと、布団の上に押し倒された。俺の太ももに当たっている黎人さんのその部分は早くも角度をもっていた。
「悠也。本当にいいんだな?」
「はい……!」
「じゃあ遠慮なくいくぞ」
勇ましく宣言した黎人さんであるが、俺の鎖骨に優しいキスを落とした。首筋にも同じようなフェザータッチのキスを与えられる。乱暴に扱われるよりもエッチな気がして、俺のペニスは半勃ちになった。黎人さんが俺の反応に気づいて、膨らみかけたモノにそっと触れた。そのまま竿を扱かれる。
俺は上擦った声を漏らした。
「このアパートって壁薄いけど、隣の人、深夜にならないと帰って来ないから」
「あんまり……変な声出さないように気をつけます」
「だーめ。聞かせろよ、悠也の乱れた声」
黎人さんが俺の耳たぶを喰んだ。
びくんと腰が跳ねた。俺はどうやら耳が弱いらしい。ふだん露出している部分なのに、刺激されるとものすごい性感が生まれる。「だめっ、やだっ」と恥じらう俺のもう片方の耳たぶも甘噛みされた。喉が震え、濡れた声が伸び上がっていった。今の声、絶対に外まで聞こえてる。
俺が口元を手で押さえると、黎人さんに手首を掴まれた。そして、顔のすぐ隣に手首を固定された。この状態って感じてる顔が丸わかりじゃないか。俺はせめてもの抵抗として、顔を横に倒した。黎人さんがそんな俺の頬にちゅっとキスをする。
黎人さんは俺の下腹部にみずからの膨らんだモノを擦りつけながら、「愛してる……」と囁いた。
「あんた、可愛すぎ。反則だよ」
「黎人さんだってカッコよすぎます……」
俺の髪をくしゃくしゃとかき混ぜたあと、黎人さんは俺の胸元に手を這わせた。何度もさすられているうちに俺の小さな器官がぷくんと尖っていった。黎人さんは芯をもった乳首をつまんだり、ひねったりした。胸ばかり触られているのに俺のペニスは勃起した。カウパーがじゅわりと滲み出てくる。黎人さんが俺の変化に気づき、竿に触れてきた。
「あっ」
「乳首で感じちゃったんだ?」
「……言わないで」
「恥ずかしがってるあんたの顔、最高にくる」
「黎人さんってSなんですか? んっ! ひあぁっ」
裏筋を指の腹でなぞられたので、俺の腰は淫らに泳いだ。黎人さんは俺の乳首を舐めながら、俺のはしたないペニスを撫でさすった。カリを刺激されれば、俺は背骨が溶け去るような快感を覚えた。あんあんと啼いたあと、俺はこのままじゃダメだと思った。俺だって黎人さんを気持ちよくさせたい。
「黎人さんの……触りたいです」
「えっ、いや。いいよ。もう勃ってるし」
「エッチな黎人さんが知りたいです」
「あっ、おい……!」
俺が亀頭を撫でると、黎人さんが「は……っ」と息を吐いた。見目麗しい顔が恍惚に染まっている。俺はお返しとばかりに黎人さんの裏筋を指先でたどった。カウパーが絡みついてくるが嫌な感じはしない。黎人さんと一緒にぐちゃぐちゃになりたい。
「フェラ……してもいいですか」
黎人さんがごくんと喉を鳴らす。
俺は黎人さんの下腹部に顔をうずめた。雄の匂いを感じながら、太いペニスに唇をつける。舌を尖らせてつうっと輪郭をなぞれば、黎人さんの呼吸が乱れた。素直なリアクションが嬉しくて、俺は亀頭を飲み込んだ。頬肉をすぼめて、愛しい人を包み込む。
はっはっと荒い吐息が降ってくる。
俺は黎人さんが視覚的にも楽しめるように尻を振った。
「どこで覚えたんだ、そういうの」
「……俺、AVとか見ないです」
「じゃあ天然ってこと? 恐ろしい奴だな」
黎人さんは俺に四つん這いになるように言った。
「初めてだとバックの方が入りやすいらしいから」
「このポーズ……恥ずかしいです。だって、全部見られちゃう」
俺は尻肉を震わせた。
黎人さんが俺のアヌスを覗き込んでいる。
「蕾みたいだな。色も赤くて可愛い」
「か、観察しないでください……!」
「これからもっとエロいことするんだけど?」
指先で肉の環をなぞったあと、黎人さんは俺の秘密の部分に口をつけた。ぬるぬるした舌がアヌスの皺を丁寧に舐めている。くすぐったさと恥ずかしさが極まって「ひゃあんっ」という情けない声が出る。黎人さんはなかなか俺を解放してくれなかった。
「ローション取って」
「はい……」
黎人さんがローションの瓶を開けて、とろみのある液体を手のひらの上に出す。甘い香料の匂いが俺の鼻先をくすぐった。俺は四つん這いになったまま黎人さんを待った。「入れるぞ」という優しい声とともに、黎人さんの濡れた指先が俺の後孔をひらいていった。
「ん、ぅっ!」
まだ一本目の指なのに苦しげな声が漏れてしまう。黎人さんの指の動きが止まった。俺はやめないでほしいと伝えた。
「ちょっとぐらい痛くても平気です。俺、黎人さんと……繋がりたいです」
「健気なことを言うなぁ」
黎人さんは長い指で俺のナカをかき混ぜた。好きな人に体の内側を暴かれていると思うと俺の肉襞はにゅくにゅくと収縮した。黎人さんの指に吸いついて、きゅっと食い締めてしまう。
「まだ……いけます」
「じゃあ指、増やすぞ」
二本目の指が突き入れられた。圧迫感が増す。俺は痛みよりも悦びを感じた。俺は今、黎人さんを受け入れるための体に作り変えられてるんだ。そう思うと嬉しくて目が潤んだ。尻を高く上げて、黎人さんがやりやすいようにアヌスを明け渡す。黎人さんは俺の尻肉にちゅうっと濃厚なキスをした。きっとキスマークがついたことだろう。心と連動して、俺のナカはとろけていった。
「三本目も大丈夫そうか?」
「はいっ」
黎人さんがぐちゅりと指を挿入した。さすがに三本となるときつい。俺は浅い呼吸を繰り返した。黎人さんの指が俺のナカを擦る。いいところに当たった時、俺は薄い尻を振った。今の俺は、ポーズも声も雌猫のようだ。黎人さんは「いい子だ」と囁きながら俺のナカを拡げていった。
ちゅぷっと指が引き抜かれる。
俺のナカはすぐに切なさを訴えた。腹の中に満ちる黎人さんの存在感がないと俺はもう満足できない。
「黎人さん……っ」
必死に呼びかければ、黎人さんが切っ先を俺の入り口にあてがった。
これから起きることを想像して、俺の内壁がうねうねと蠢く。
「悠也……。俺を受け入れてくれ」
黎人さんがゆっくりと俺のナカに入ってきた。
大きく張り出した亀頭を飲み込むまで時間がかかってしまう。俺は深呼吸をして力を抜いた。はーっと息を吐いた瞬間、黎人さんのペニスが深い位置まで届いた。俺たち、ひとつになれたんだ。俺は随喜の涙をこぼした。バックだから泣き顔を見られなくて済む。俺は黎人さんのピストン運動に合わせて腰を振った。
「苦しくないか?」
「すごく……しあわせです」
「俺もだよ」
大きなペニスで拡張された肉筒に熱がこもっていく。俺は黎人さんの顔が見たくなった。肩越しに振り返れば、黎人さんも同じ気持ちだったらしく体位を変えたいと言われた。
「仰向けになって」
「はい」
「足……開いてもらうぞ」
「んっ」
膝と膝を大きく離す。
幼児がお尻を見せるようなポーズである。俺は顔を赤らめた。黎人さんも頬が上気している。
黎人さんは俺を貫くと、キスをしてきた。
「俺はバックよりこっちが好きだな。悠也は?」
「……あっ、あぁっ! 俺は……黎人さんが好きです……」
「俺となら何でもいいってことか? 可愛いことを言うとこうだぞ」
「ひぃ、あぁっ!」
奥を突かれて俺は背中を反らした。
ここ、ダメだ。すごく変になる。黎人さんを見上げて、ふるふると首を振ればまた同じところを穿たれた。俺はまたしても身をよじらせた。
「黎人さんの意地悪……」
「悠也のナカ、イイところがいっぱいあるんだな。ここも好きだろ?」
「あんっ。はぁん……っ」
悦点を亀頭で擦られて、俺は甘えた声を漏らした。黎人さんのたくましい背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめてしまう。黎人さんは涙まみれになった俺の頬に優しいキスをしてくれた。唇が当たった瞬間、悦びが弾けてナカが思いっきり締まった。黎人さんが苦笑した。
「これじゃピストンできねぇわ」
「ご、ごめんなさい」
「謝るなよ。俺の形、ちゃんと覚えるんだぞ?」
「はいっ……! あっ、あぁっ」
「悠也。そろそろイッてもいい?」
「……どうぞっ」
黎人さんの律動が激しくなった。
腰を深く打ち込んだあと、黎人さんは肩を震わせた。ぶるんと黎人さんのペニスが俺のナカで躍った。ぬるりとした感触がナカを満たしていく。ペニスが引き抜かれたあと、俺の後孔から黎人さんのザーメンが漏れ出た。俺は黎人さんにくっついたまま離れようとしなかった。黎人さんが俺の汗ばんだ髪を指先で額に撫でつける。
「……ダメだ。あんたを家に帰したくない」
「俺もこのままでいたいです」
「泊まりなんてことになったら、もう一回するぞ?」
「いいですよ」
「悠也ってエッチなんか全然興味ないって顔してるのに、エロいな」
「あぁんっ」
精液でぐちゅりと濡れた後孔を指でかき混ぜられる。俺のナカは黎人さんによって性器へと変えられてしまった。心地よさに喘いでいると、黎人さんにぎゅっと抱きしめられた。
「大切にするから。ずっと俺と一緒にいてくれ」
「……はい」
俺たちはシャワーを浴びたあと、黎人さんお手製のチャーハンを食べた。
食とセックスの好みが合うってことは、俺たちは相性がいいんだろうな。俺は黎人さんのアパートに泊まって、二度目の抱擁を受け入れた。
▪️
時が過ぎて秋になった。
俺は大学の仲間とともに、小さなギャラリーで合同展を開催した。
ギャラリーに集まった人々が、俺の作品の前で足を止めている。絵描きにとってこれほど嬉しいことはない。
注目を集めているのは、60号のキャンバスに描いた黎人さんの肖像画である。黎人さんがラテン語の本を読んでいる姿を繊細なタッチで仕上げた。
モデルになった本人は、絵の前で首を傾げている。
「俺ってこんなに寂しそうな顔してる?」
「黎人さん。俺はね、人間や物事の影の部分に興味があるんですよ」
「それが悠也の画風か」
「はい。どこまでいけるか試してみます!」
俺の心は燃えていた。もう自虐なんてしている暇はない。
自己否定ばかりしていた俺に自信を与えてくれたのは黎人さんだ。黎人さんが会うたびに俺を可愛がって、大好きだよって言ってくれるから、俺も自分を愛せるようになった。
俺のアヌスは黎人さんのアレがないとダメになってしまったけど、幸せだからいいか。
視線を合わせれば、黎人さんの理知的な目が甘くとろけた。
俺は愛する人の笑顔を心に焼きつけた。
黎人さんは俺を見つけるなり、ぎゅっと抱きしめてきた。周りにいる人々は見て見ぬふりをしてくれた。
ああ、久しぶりの黎人さんの体温だ。
「ちゃんと食べてました?」
「まあな」
「よかった」
「……好きな人にオカンっぽさを感じると恋心が萎えるって言うのは嘘だな。俺、悠也に食生活のことを叱られると嬉しい」
俺たちは手を繋いで道を歩き出した。
黎人さんのアパートは年季が入った外観をしていた。
「俺の部屋、一階だから。激しい動きをしても大丈夫だ。安心しろ」
「はっ、激しい動きって……! 優しくしてくださいよ」
「んー。それは約束できねぇ」
部屋に入るなり、黎人さんがキスをしてきた。
俺たちの行為を覗いている人はもう誰もいない。俺は口を開いて、黎人さんの舌を招き入れた。初めは遠慮がちだった黎人さんの舌遣いが大胆になっていく。俺は唇のはしから唾液を垂らした。
「シャワー浴びたいです」
「いいぜ」
「……黎人さん、お先にどうぞ。俺はやらなきゃいけないことがあるんで」
ドラッグストアの袋から浣腸のパッケージがのぞいている。黎人さんが気まずそうに目をそらした。男同士のセックスは事前準備がいろいろと必要である。
俺はスマホで仕入れた知識に従って、後ろの始末をつけた。
浴室から出た黎人さんは腰にタオルを巻いただけの格好だった。相変わらずの肉体美である。
俺はシャワーを浴びながら、己の貧相な体を恥じた。平たい胸に薄い腹。われながら見どころのない体である。黎人さんは俺相手に勃つのだろうか?
黎人さんと同じように腰をタオルで覆った姿で居間に行くと、布団の上に押し倒された。俺の太ももに当たっている黎人さんのその部分は早くも角度をもっていた。
「悠也。本当にいいんだな?」
「はい……!」
「じゃあ遠慮なくいくぞ」
勇ましく宣言した黎人さんであるが、俺の鎖骨に優しいキスを落とした。首筋にも同じようなフェザータッチのキスを与えられる。乱暴に扱われるよりもエッチな気がして、俺のペニスは半勃ちになった。黎人さんが俺の反応に気づいて、膨らみかけたモノにそっと触れた。そのまま竿を扱かれる。
俺は上擦った声を漏らした。
「このアパートって壁薄いけど、隣の人、深夜にならないと帰って来ないから」
「あんまり……変な声出さないように気をつけます」
「だーめ。聞かせろよ、悠也の乱れた声」
黎人さんが俺の耳たぶを喰んだ。
びくんと腰が跳ねた。俺はどうやら耳が弱いらしい。ふだん露出している部分なのに、刺激されるとものすごい性感が生まれる。「だめっ、やだっ」と恥じらう俺のもう片方の耳たぶも甘噛みされた。喉が震え、濡れた声が伸び上がっていった。今の声、絶対に外まで聞こえてる。
俺が口元を手で押さえると、黎人さんに手首を掴まれた。そして、顔のすぐ隣に手首を固定された。この状態って感じてる顔が丸わかりじゃないか。俺はせめてもの抵抗として、顔を横に倒した。黎人さんがそんな俺の頬にちゅっとキスをする。
黎人さんは俺の下腹部にみずからの膨らんだモノを擦りつけながら、「愛してる……」と囁いた。
「あんた、可愛すぎ。反則だよ」
「黎人さんだってカッコよすぎます……」
俺の髪をくしゃくしゃとかき混ぜたあと、黎人さんは俺の胸元に手を這わせた。何度もさすられているうちに俺の小さな器官がぷくんと尖っていった。黎人さんは芯をもった乳首をつまんだり、ひねったりした。胸ばかり触られているのに俺のペニスは勃起した。カウパーがじゅわりと滲み出てくる。黎人さんが俺の変化に気づき、竿に触れてきた。
「あっ」
「乳首で感じちゃったんだ?」
「……言わないで」
「恥ずかしがってるあんたの顔、最高にくる」
「黎人さんってSなんですか? んっ! ひあぁっ」
裏筋を指の腹でなぞられたので、俺の腰は淫らに泳いだ。黎人さんは俺の乳首を舐めながら、俺のはしたないペニスを撫でさすった。カリを刺激されれば、俺は背骨が溶け去るような快感を覚えた。あんあんと啼いたあと、俺はこのままじゃダメだと思った。俺だって黎人さんを気持ちよくさせたい。
「黎人さんの……触りたいです」
「えっ、いや。いいよ。もう勃ってるし」
「エッチな黎人さんが知りたいです」
「あっ、おい……!」
俺が亀頭を撫でると、黎人さんが「は……っ」と息を吐いた。見目麗しい顔が恍惚に染まっている。俺はお返しとばかりに黎人さんの裏筋を指先でたどった。カウパーが絡みついてくるが嫌な感じはしない。黎人さんと一緒にぐちゃぐちゃになりたい。
「フェラ……してもいいですか」
黎人さんがごくんと喉を鳴らす。
俺は黎人さんの下腹部に顔をうずめた。雄の匂いを感じながら、太いペニスに唇をつける。舌を尖らせてつうっと輪郭をなぞれば、黎人さんの呼吸が乱れた。素直なリアクションが嬉しくて、俺は亀頭を飲み込んだ。頬肉をすぼめて、愛しい人を包み込む。
はっはっと荒い吐息が降ってくる。
俺は黎人さんが視覚的にも楽しめるように尻を振った。
「どこで覚えたんだ、そういうの」
「……俺、AVとか見ないです」
「じゃあ天然ってこと? 恐ろしい奴だな」
黎人さんは俺に四つん這いになるように言った。
「初めてだとバックの方が入りやすいらしいから」
「このポーズ……恥ずかしいです。だって、全部見られちゃう」
俺は尻肉を震わせた。
黎人さんが俺のアヌスを覗き込んでいる。
「蕾みたいだな。色も赤くて可愛い」
「か、観察しないでください……!」
「これからもっとエロいことするんだけど?」
指先で肉の環をなぞったあと、黎人さんは俺の秘密の部分に口をつけた。ぬるぬるした舌がアヌスの皺を丁寧に舐めている。くすぐったさと恥ずかしさが極まって「ひゃあんっ」という情けない声が出る。黎人さんはなかなか俺を解放してくれなかった。
「ローション取って」
「はい……」
黎人さんがローションの瓶を開けて、とろみのある液体を手のひらの上に出す。甘い香料の匂いが俺の鼻先をくすぐった。俺は四つん這いになったまま黎人さんを待った。「入れるぞ」という優しい声とともに、黎人さんの濡れた指先が俺の後孔をひらいていった。
「ん、ぅっ!」
まだ一本目の指なのに苦しげな声が漏れてしまう。黎人さんの指の動きが止まった。俺はやめないでほしいと伝えた。
「ちょっとぐらい痛くても平気です。俺、黎人さんと……繋がりたいです」
「健気なことを言うなぁ」
黎人さんは長い指で俺のナカをかき混ぜた。好きな人に体の内側を暴かれていると思うと俺の肉襞はにゅくにゅくと収縮した。黎人さんの指に吸いついて、きゅっと食い締めてしまう。
「まだ……いけます」
「じゃあ指、増やすぞ」
二本目の指が突き入れられた。圧迫感が増す。俺は痛みよりも悦びを感じた。俺は今、黎人さんを受け入れるための体に作り変えられてるんだ。そう思うと嬉しくて目が潤んだ。尻を高く上げて、黎人さんがやりやすいようにアヌスを明け渡す。黎人さんは俺の尻肉にちゅうっと濃厚なキスをした。きっとキスマークがついたことだろう。心と連動して、俺のナカはとろけていった。
「三本目も大丈夫そうか?」
「はいっ」
黎人さんがぐちゅりと指を挿入した。さすがに三本となるときつい。俺は浅い呼吸を繰り返した。黎人さんの指が俺のナカを擦る。いいところに当たった時、俺は薄い尻を振った。今の俺は、ポーズも声も雌猫のようだ。黎人さんは「いい子だ」と囁きながら俺のナカを拡げていった。
ちゅぷっと指が引き抜かれる。
俺のナカはすぐに切なさを訴えた。腹の中に満ちる黎人さんの存在感がないと俺はもう満足できない。
「黎人さん……っ」
必死に呼びかければ、黎人さんが切っ先を俺の入り口にあてがった。
これから起きることを想像して、俺の内壁がうねうねと蠢く。
「悠也……。俺を受け入れてくれ」
黎人さんがゆっくりと俺のナカに入ってきた。
大きく張り出した亀頭を飲み込むまで時間がかかってしまう。俺は深呼吸をして力を抜いた。はーっと息を吐いた瞬間、黎人さんのペニスが深い位置まで届いた。俺たち、ひとつになれたんだ。俺は随喜の涙をこぼした。バックだから泣き顔を見られなくて済む。俺は黎人さんのピストン運動に合わせて腰を振った。
「苦しくないか?」
「すごく……しあわせです」
「俺もだよ」
大きなペニスで拡張された肉筒に熱がこもっていく。俺は黎人さんの顔が見たくなった。肩越しに振り返れば、黎人さんも同じ気持ちだったらしく体位を変えたいと言われた。
「仰向けになって」
「はい」
「足……開いてもらうぞ」
「んっ」
膝と膝を大きく離す。
幼児がお尻を見せるようなポーズである。俺は顔を赤らめた。黎人さんも頬が上気している。
黎人さんは俺を貫くと、キスをしてきた。
「俺はバックよりこっちが好きだな。悠也は?」
「……あっ、あぁっ! 俺は……黎人さんが好きです……」
「俺となら何でもいいってことか? 可愛いことを言うとこうだぞ」
「ひぃ、あぁっ!」
奥を突かれて俺は背中を反らした。
ここ、ダメだ。すごく変になる。黎人さんを見上げて、ふるふると首を振ればまた同じところを穿たれた。俺はまたしても身をよじらせた。
「黎人さんの意地悪……」
「悠也のナカ、イイところがいっぱいあるんだな。ここも好きだろ?」
「あんっ。はぁん……っ」
悦点を亀頭で擦られて、俺は甘えた声を漏らした。黎人さんのたくましい背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめてしまう。黎人さんは涙まみれになった俺の頬に優しいキスをしてくれた。唇が当たった瞬間、悦びが弾けてナカが思いっきり締まった。黎人さんが苦笑した。
「これじゃピストンできねぇわ」
「ご、ごめんなさい」
「謝るなよ。俺の形、ちゃんと覚えるんだぞ?」
「はいっ……! あっ、あぁっ」
「悠也。そろそろイッてもいい?」
「……どうぞっ」
黎人さんの律動が激しくなった。
腰を深く打ち込んだあと、黎人さんは肩を震わせた。ぶるんと黎人さんのペニスが俺のナカで躍った。ぬるりとした感触がナカを満たしていく。ペニスが引き抜かれたあと、俺の後孔から黎人さんのザーメンが漏れ出た。俺は黎人さんにくっついたまま離れようとしなかった。黎人さんが俺の汗ばんだ髪を指先で額に撫でつける。
「……ダメだ。あんたを家に帰したくない」
「俺もこのままでいたいです」
「泊まりなんてことになったら、もう一回するぞ?」
「いいですよ」
「悠也ってエッチなんか全然興味ないって顔してるのに、エロいな」
「あぁんっ」
精液でぐちゅりと濡れた後孔を指でかき混ぜられる。俺のナカは黎人さんによって性器へと変えられてしまった。心地よさに喘いでいると、黎人さんにぎゅっと抱きしめられた。
「大切にするから。ずっと俺と一緒にいてくれ」
「……はい」
俺たちはシャワーを浴びたあと、黎人さんお手製のチャーハンを食べた。
食とセックスの好みが合うってことは、俺たちは相性がいいんだろうな。俺は黎人さんのアパートに泊まって、二度目の抱擁を受け入れた。
▪️
時が過ぎて秋になった。
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注目を集めているのは、60号のキャンバスに描いた黎人さんの肖像画である。黎人さんがラテン語の本を読んでいる姿を繊細なタッチで仕上げた。
モデルになった本人は、絵の前で首を傾げている。
「俺ってこんなに寂しそうな顔してる?」
「黎人さん。俺はね、人間や物事の影の部分に興味があるんですよ」
「それが悠也の画風か」
「はい。どこまでいけるか試してみます!」
俺の心は燃えていた。もう自虐なんてしている暇はない。
自己否定ばかりしていた俺に自信を与えてくれたのは黎人さんだ。黎人さんが会うたびに俺を可愛がって、大好きだよって言ってくれるから、俺も自分を愛せるようになった。
俺のアヌスは黎人さんのアレがないとダメになってしまったけど、幸せだからいいか。
視線を合わせれば、黎人さんの理知的な目が甘くとろけた。
俺は愛する人の笑顔を心に焼きつけた。
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