【完結】亡国の王子、砂漠の王に求愛される 〜僕はお嫁さんじゃなくて、きみの戦友になりたいんだが〜

古井重箱

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第3話 亡国の王子、汚される *

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 隣室から、ユーディットの嬌声が聞こえる。

「はぁんっ……! いいっ! イくぅっ!」

 ベッドが軋む音が鳴り止まない。
 老人に犯されているユーディットを想像してしまい、またひと回りペニスが膨らんでしまう。
 僕がこんな風に浅ましい欲を覚えるだなんて。
 恥辱に打ち震えていると、廊下が騒がしくなった。
 ドアが開いて、仮面をつけた男女が僕がいる部屋へと雪崩れ込む。
 彼らの仮面で覆われていない口元には、憫笑が浮かんでいた。

「可哀想に。誰かに触って欲しくてたまらないのね」
「王子様。おねだりをすれば、私がきみを買ってあげるよ」
「誰が貴様など……!」
「勇ましいねぇ。でも、王子様のおちんちんは別の意見みたいだよ?」

 禿頭とくとうの男が、細長いステッキの先で僕の陰部をつついた。

「あぁんっ」

 思わず鼻にかかった声が出てしまう。
 僕は羞恥のあまり、体が爆発しそうになった。男のステッキがまたしても僕の膨らみをぐりぐりといじくる。
 淫液のシミが腰布に広がり、むわりとした匂いが室内に広がる。
 仮面の男女が笑い声を上げた。

「綺麗な顔をしてるのに、匂いは意外と濃いのね」
「お味の方はどうかな?」

 男がステッキの先端をべろりと舐める。
 僕の淫液を口に含んだ男は、勝ち誇ったような表情で宣言した。

「とてもいやらしい味がするよ」
「いい子が入ったわねぇ、シュテッレ」
「喜んでいただけて光栄です」
「んっ……、ひ、うぅっ」

 ステッキでペニスを撫でられているうちに、僕は耐えきれず涙を流した。
 仮面の男女から拍手が湧き起こる。

上臈じょうろうを犯すというのは、愉悦の極みですな」
「シュテッレにお駄賃を弾まないとね」
「亡国の王子様。みんなのおもちゃになった気分はどうだい?」
「……ナシェル王国は……滅んでなどいない!」
「ああ、もう。そんなに泣いたら綺麗な目が腫れてしまうよ」

 優しい声をかけながら、男はステッキで僕のペニスをこすった。
 だめだ。
 それ以上刺激を与えられたら、放ってしまう。
 僕が身をよじらせると、シュテッレが腰布をきつく巻き直した。ペニスの膨らみが丸わかりになる。
 吐精しようにも、腰布が邪魔でどうにもならない。
 僕は泣き叫んだ。

「シュテッレ! 戒めを解け!」
「ご主人様に向かってその言葉遣いはなんだ? この男娼が」
「僕は男娼なんかじゃない! ナシェル王国の王太子、ウィルレインだ!」
「愚かな坊やだ」

 シュテッレは僕の腰布を取り払うと、腫れ上がったペニスを小さな手のひらに収めた。そして、薄皮をにちにちと扱いた。

「あんっ。やあっ」
「王子だろうが平民だろうが、コレがついてりゃ、やることは一緒なんだよ」
「いっ!? だめっ。イくっ、出るっ! 出ちゃうぅっ!」
「出しちゃいなよ」
「やだぁっ。やっ、あっ、やらぁっ」

 舌がもつれていく。
 涙と汗が一緒になって、僕の顔を濡らした。
 このまま雨が降ってきて、すべてを洗い流してくれたらいいのに。
 シュテッレの手が妖しく動き回る。

「あ、あーっ!」

 僕は大勢の者に見守られるなか、欲望を吐き出した。
 シュテッレの手のひらに放たれた白濁を、ステッキの男がちゅるりと吸った。

「ああ、まさに若い雄の味だ。ごちそうさまです、亡国の王子様」

 革命が起きて、僕は国を奪われた。
 そして僕自身の尊厳もまた、不埒な輩によって奪われてしまった。
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