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もしかして、近いひと?
17. まさか、嘘だろ!
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アパートに帰宅した俺は、クローゼットを開けた。
衣装ケースの奥から、貴重品がしまってあるポーチを取り出す。そして、貝塚さんからもらったメモをポーチに入れた。
俺には貝塚さんの気持ちを受け止める勇気がなかった。多様性の時代とはいっても、男同士の恋は世間から理解されているとは言いがたい。
イケメンの貝塚さんなら、出会いなんて星の数ほどあるだろう。
バスルームでシャワーを浴びる。
鏡に映る俺の裸には、魅惑的なくびれもなければ柔らかな乳房もない。
それなのに、貝塚さんは俺を求めているのか? そういえば、性別は気にしないみたいなことを言ってたな。貝塚さんはパンセクシャルなのかもしれない。
身を清めた俺はベッドで大の字になった。
とりあえず、今日は休むとするか。俺は目を閉じた。
◆
翌日、俺はレジカウンターで伝票の整理をしながら店番をしていた。
すると、電話がかかってきた。
「えっ? テレビ局の方ですか?」
俺は思わず聞き返した。
ハキハキとした声でしゃべる女性は、新潟にあるテレビ局のスタッフだと名乗った。
「はい、私が沢辺誠司です。柳都酒造様からのご紹介ですか」
「日本酒の販売に力を入れている沢辺酒店様を取材させていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
全国各地で愛される新潟の酒というテーマで特集を組むらしい。うちは爺ちゃんの代から柳都酒造さんの看板商品『ゆめうたげ』の特約店だったから、白羽の矢が立ったのであろう。
確かに俺は日本酒文化を守りたいと思っているが、テレビに出るのは気が引ける。
「私ひとりでは判断できかねるお話ですので、折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」
すると、母さんが俺の手から受話器をもぎ取って、電話に出た。
「広報担当の沢辺昭乃と申します。取材ですか? 大歓迎ですよ。はい、息子がお受けいたします」
おいおい、母さん!
なに勝手に話を進めてるんだよ! おまけにインタビューを受けるのは親父じゃなくて俺なのか?
「あらまあ。動画サイトでアーカイブ配信もされる予定なんですか。それはいいですね」
全然よくない!
俺は目立ちたくないんだよ!
「はい、ありがとうございます。メールお待ちしておりますね」
母さんは電話を切ると、天井に向かって拳を突き上げた。そして、レジの横に置いてある金色の招き猫の頭を撫でた。
「やったわ、テレビ取材ですって! うちの店にも運が向いて来たわね!」
「親父に相談もせずに決めてよかったのかよ」
「あーら。誠司だって『天渓』の試飲会に勝手に申し込んだじゃない」
「それはそうだけど。テレビだの動画だの、俺のキャパを超えてるよ」
「どうせちょっとしか映らないわよ」
「なにをはしゃいでいるんだ」
親父が配達から帰って来た。
テレビ取材の件について話すと、親父は「頑張れよ」と言って俺の肩を叩いた。
「親父が出てくれよ! 俺が口下手なの知ってるだろ?」
「テーマが酒なら、おまえの口はなめらかになるじゃねぇか。それに、テレビ局からの取材経験がある店となれば、『天渓』を作っているアズミノ酒造さんもうちを見る目が変わるんじゃないのか」
「うっ。確かに……」
「チャンスの神様には前髪しかないって言うだろ。おまえが本気で酒屋を続けて行きたいのならば、この話、断る理由がないと思うぞ」
そうこうしているうちに、新潟のテレビ局からメールが届いた。取材の詳細情報が記されている。取材の希望日は明後日!? テレビ局の人、生き急ぎすぎだろ。
俺が動揺しているあいだに、母さんがノートパソコンのキーボードをカタカタと叩いた。
「もしかして、即レスしたのか?」
「当たり前でしょ。急ぎの話なんだから」
「どうしよう。なに着ればいい?」
「いつもどおり、ポロシャツに店のエプロンつけてればオッケーよ」
「そうだそうだ。おまえがめかし込んでどうする」
参ったな。
テレビ局からのメールには、日本酒文化の伝承にかける想いを語ってほしいとあったが、テーマがでかすぎてどこから切り込めばいいのか分からない。
カメラの前ですらすらと言葉が出てくるだろうか。
あー、どうしよう! タケちゃんに相談しようかな。
いや……待てよ。いるじゃないか。取材対応のプロが。
◆
アパートに帰った俺は、ポーチの中から貝塚さんがくれたメモを取り出した。そして、丁寧な字で記されたアドレス宛にメールを送った。
『突然のメール、失礼します。沢辺です。
実は困ったことになりまして、貝塚さんにご相談させていただいた次第です。
明後日、新潟にあるテレビ局の取材を受けることになりました。貝塚さんはインタビューに応じる際、どういった点に気をつけていますか? あと、人前で緊張しないコツも教えていただきたいです。
勝手なお願いですみません。
お時間がありましたら、お返事いただけると嬉しいです。』
俺は文末に携帯電話の番号を添えた。
メールを送信してから5分もしないうちに電話がかかって来た。
「も、もしもし。沢辺です」
「貝塚です。沢辺さん、いま大丈夫?」
「そちらこそお仕事の最中だったんじゃ?」
「今日は自宅で作業をしてた。ノルマはもう終わっているから、問題ないよ」
「すみません。リラックスタイムを邪魔してしまって」
「いいんだ。僕はきみの力になりたいから。さて、本題だけど」
貝塚さんは俺にインタビューのカラクリを教えてくれた。
「えぇーっ!? テレビ局ってあらかじめ、こういう言葉を引き出したいっていうプランを持ってるんですか?」
「そう。彼らは自分たちが見たいものだけを狙ってくる」
「……なるほど」
「嫌な話になるけど、テレビ局は取材をしてやるんだ、ありがたく思えという態度できみに接してくると思う。だからきみも、テレビを利用してやるというスタンスで臨むといいんじゃないかな」
「したたかになれってことですか」
さすが芸能界を生き抜いてきた人の言葉は重みが違う。
「でも、インタビューって楽しいものだよ。僕ってこんなことを考えてたんだと思うようなフレーズが口から出る瞬間があるから」
「へぇ……」
「今回の取材を通して、新しい自分に会いに行くんだって思ってみたら。そうすれば緊張も和らぐんじゃないかな」
「俺にはない発想でした。貝塚さんに相談してみてよかった……」
「その番組って東京では視聴できないの?」
「後日アーカイブ配信されるそうです」
「そうなんだ。楽しみだな、カチンコチンに緊張してる可愛い沢辺さんを観るの」
電話の向こうで貝塚さんが笑う。
俺は負けじと言い返した。
「貝塚さん。俺のメンタル、チワワ級だと思ってるでしょ? こう見えてもね、結構図太いですよ。商店街の長老たちに揉まれてますからね」
「ふふっ。ドーベルマンみたいに強い沢辺さんも格好よくて素敵だよ」
「……ありがとうございます」
貝塚さんが言った。
「きみからの連絡、来ないと思ってた。新潟のテレビ局に感謝しないといけないね」
「あの……。今回の件に関して、お礼をさせてください。って言っても、うーん。貝塚さん、なんでも持ってそうだからな」
「またうちに遊びに来てよ。ごはん作って一緒に食べよう」
「それ、事務所的にはオッケーなんですか」
「このあいだの面談で社長に伝えた。僕はもう新規の依頼は受けない。そして、数年後には引退するって」
「え……っ。貝塚さんが引退……!?」
あまりにも衝撃的な発言だったので、俺は目を剥くことしかできなかった。
衣装ケースの奥から、貴重品がしまってあるポーチを取り出す。そして、貝塚さんからもらったメモをポーチに入れた。
俺には貝塚さんの気持ちを受け止める勇気がなかった。多様性の時代とはいっても、男同士の恋は世間から理解されているとは言いがたい。
イケメンの貝塚さんなら、出会いなんて星の数ほどあるだろう。
バスルームでシャワーを浴びる。
鏡に映る俺の裸には、魅惑的なくびれもなければ柔らかな乳房もない。
それなのに、貝塚さんは俺を求めているのか? そういえば、性別は気にしないみたいなことを言ってたな。貝塚さんはパンセクシャルなのかもしれない。
身を清めた俺はベッドで大の字になった。
とりあえず、今日は休むとするか。俺は目を閉じた。
◆
翌日、俺はレジカウンターで伝票の整理をしながら店番をしていた。
すると、電話がかかってきた。
「えっ? テレビ局の方ですか?」
俺は思わず聞き返した。
ハキハキとした声でしゃべる女性は、新潟にあるテレビ局のスタッフだと名乗った。
「はい、私が沢辺誠司です。柳都酒造様からのご紹介ですか」
「日本酒の販売に力を入れている沢辺酒店様を取材させていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
全国各地で愛される新潟の酒というテーマで特集を組むらしい。うちは爺ちゃんの代から柳都酒造さんの看板商品『ゆめうたげ』の特約店だったから、白羽の矢が立ったのであろう。
確かに俺は日本酒文化を守りたいと思っているが、テレビに出るのは気が引ける。
「私ひとりでは判断できかねるお話ですので、折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか」
すると、母さんが俺の手から受話器をもぎ取って、電話に出た。
「広報担当の沢辺昭乃と申します。取材ですか? 大歓迎ですよ。はい、息子がお受けいたします」
おいおい、母さん!
なに勝手に話を進めてるんだよ! おまけにインタビューを受けるのは親父じゃなくて俺なのか?
「あらまあ。動画サイトでアーカイブ配信もされる予定なんですか。それはいいですね」
全然よくない!
俺は目立ちたくないんだよ!
「はい、ありがとうございます。メールお待ちしておりますね」
母さんは電話を切ると、天井に向かって拳を突き上げた。そして、レジの横に置いてある金色の招き猫の頭を撫でた。
「やったわ、テレビ取材ですって! うちの店にも運が向いて来たわね!」
「親父に相談もせずに決めてよかったのかよ」
「あーら。誠司だって『天渓』の試飲会に勝手に申し込んだじゃない」
「それはそうだけど。テレビだの動画だの、俺のキャパを超えてるよ」
「どうせちょっとしか映らないわよ」
「なにをはしゃいでいるんだ」
親父が配達から帰って来た。
テレビ取材の件について話すと、親父は「頑張れよ」と言って俺の肩を叩いた。
「親父が出てくれよ! 俺が口下手なの知ってるだろ?」
「テーマが酒なら、おまえの口はなめらかになるじゃねぇか。それに、テレビ局からの取材経験がある店となれば、『天渓』を作っているアズミノ酒造さんもうちを見る目が変わるんじゃないのか」
「うっ。確かに……」
「チャンスの神様には前髪しかないって言うだろ。おまえが本気で酒屋を続けて行きたいのならば、この話、断る理由がないと思うぞ」
そうこうしているうちに、新潟のテレビ局からメールが届いた。取材の詳細情報が記されている。取材の希望日は明後日!? テレビ局の人、生き急ぎすぎだろ。
俺が動揺しているあいだに、母さんがノートパソコンのキーボードをカタカタと叩いた。
「もしかして、即レスしたのか?」
「当たり前でしょ。急ぎの話なんだから」
「どうしよう。なに着ればいい?」
「いつもどおり、ポロシャツに店のエプロンつけてればオッケーよ」
「そうだそうだ。おまえがめかし込んでどうする」
参ったな。
テレビ局からのメールには、日本酒文化の伝承にかける想いを語ってほしいとあったが、テーマがでかすぎてどこから切り込めばいいのか分からない。
カメラの前ですらすらと言葉が出てくるだろうか。
あー、どうしよう! タケちゃんに相談しようかな。
いや……待てよ。いるじゃないか。取材対応のプロが。
◆
アパートに帰った俺は、ポーチの中から貝塚さんがくれたメモを取り出した。そして、丁寧な字で記されたアドレス宛にメールを送った。
『突然のメール、失礼します。沢辺です。
実は困ったことになりまして、貝塚さんにご相談させていただいた次第です。
明後日、新潟にあるテレビ局の取材を受けることになりました。貝塚さんはインタビューに応じる際、どういった点に気をつけていますか? あと、人前で緊張しないコツも教えていただきたいです。
勝手なお願いですみません。
お時間がありましたら、お返事いただけると嬉しいです。』
俺は文末に携帯電話の番号を添えた。
メールを送信してから5分もしないうちに電話がかかって来た。
「も、もしもし。沢辺です」
「貝塚です。沢辺さん、いま大丈夫?」
「そちらこそお仕事の最中だったんじゃ?」
「今日は自宅で作業をしてた。ノルマはもう終わっているから、問題ないよ」
「すみません。リラックスタイムを邪魔してしまって」
「いいんだ。僕はきみの力になりたいから。さて、本題だけど」
貝塚さんは俺にインタビューのカラクリを教えてくれた。
「えぇーっ!? テレビ局ってあらかじめ、こういう言葉を引き出したいっていうプランを持ってるんですか?」
「そう。彼らは自分たちが見たいものだけを狙ってくる」
「……なるほど」
「嫌な話になるけど、テレビ局は取材をしてやるんだ、ありがたく思えという態度できみに接してくると思う。だからきみも、テレビを利用してやるというスタンスで臨むといいんじゃないかな」
「したたかになれってことですか」
さすが芸能界を生き抜いてきた人の言葉は重みが違う。
「でも、インタビューって楽しいものだよ。僕ってこんなことを考えてたんだと思うようなフレーズが口から出る瞬間があるから」
「へぇ……」
「今回の取材を通して、新しい自分に会いに行くんだって思ってみたら。そうすれば緊張も和らぐんじゃないかな」
「俺にはない発想でした。貝塚さんに相談してみてよかった……」
「その番組って東京では視聴できないの?」
「後日アーカイブ配信されるそうです」
「そうなんだ。楽しみだな、カチンコチンに緊張してる可愛い沢辺さんを観るの」
電話の向こうで貝塚さんが笑う。
俺は負けじと言い返した。
「貝塚さん。俺のメンタル、チワワ級だと思ってるでしょ? こう見えてもね、結構図太いですよ。商店街の長老たちに揉まれてますからね」
「ふふっ。ドーベルマンみたいに強い沢辺さんも格好よくて素敵だよ」
「……ありがとうございます」
貝塚さんが言った。
「きみからの連絡、来ないと思ってた。新潟のテレビ局に感謝しないといけないね」
「あの……。今回の件に関して、お礼をさせてください。って言っても、うーん。貝塚さん、なんでも持ってそうだからな」
「またうちに遊びに来てよ。ごはん作って一緒に食べよう」
「それ、事務所的にはオッケーなんですか」
「このあいだの面談で社長に伝えた。僕はもう新規の依頼は受けない。そして、数年後には引退するって」
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