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9、今後の計画を立てよう!
しおりを挟む「今後の予定を立てよう。」
リグは神妙な顔をして、ベットに座った状態で腕組みをした。
周りには、食い散らかした残骸が残っている。
しかし、完全に食べられているのは肉と果物で、ところどころに残った野菜が目に付いた。
そんなものは無かったかの様に、リグは目を向けないまま続ける。
「僕らは此処に入る前に思ったより多くの収入を得た訳だけど、その分宿の宿泊代は高かった。
…それと、思ったより食費が必要みたいだ。」
リグは食べ終わって大きくなった腹をさするドラさんを真正面に向かせる。
「つまり何が言いたいのかと言うと…まあ、お金を稼がないといけないよね。」
ドラさんも真剣な顔で頷いた。
リグがここまで危機感を覚えているのにはいくつか理由があった。
大きくは宿屋の女性に聞いたところから推測される事ではある。
冒険者が少なくなっているという事だ。
冒険者が少なくなっているということは、必然的に商人の数も減少していると考えられる。
単純に仕入れることの出来る素材の量が少なくなるからだ。
リグは実力や、ある程度のスキルを見せる実力試験がある冒険者ギルドには入るつもりはなかったが、冒険者ギルドや、その他のギルドなどに所属する事で得る事が出来る「身分証明書」が必要であった。
これがあるだけで、割と自由に街の間を行き来する事が出来るし、家を買ったりする時にも、これは必ず必要なものであった。
リグは、目立たずにこれを取得するために、あらかじめ商人ギルドに参加している商会に頼るつもりであった。
ただ、やはりこれはどんな商会で良いというわけでもなく、街に入る前の商人を探した時のような幾つかの条件に沿ったもので無ければいけない。
魔物の生態が変化したという事も戸惑う重要な要素であったが、それよりも商会についてが第一の問題であった。
(まあ、魔物の生態変化についてはあらかた予想は付いてるし、違っててもそこまで問題じゃない。
それよりも、早く商会を見つけてコネを作らないと。
…『あいつ』にだけはぜっっっっっっったい頼りたくない!)
手を強く握って苦悶の表情を浮かべるリグに、ドラさんは首を傾げる。
「取り敢えずに今日は寝る!
それで、朝早くに起きて、必要なものを買い揃える!
鞄とかね。
それからはずっとコネ作りの為の作業だ!」
ドラさんはうんざりしたような顔を見せた。
「あー、ごめん。
後何日かすれば落ち着くから、多分。
頑張ろうね?」
ドラさんは仕方がないかという風にため息をついた。
そして、積み上げられた食事の残骸を見やる。
「すみません…捨ててきます。」
リグは、この後見事に人目に付かずにゴミを捨てて見せた。
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