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第14章 舞ちゃんの絵本
僕の人生を変えた恋人14
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舞ちゃんは、絵本作家になりたかったんだよな。
彼女の絵は優しくて、絵本にするには良いと思うんだ。
でも、ストーリーを考えるのが苦手だ、って言ってたよな。
僕が考えてみるかな?
コユキの事を、絵本にしてみたらどうだろう?
凛ちゃんのブログを見ると、牧場に居た頃のコユキの事が良くわかる。
僕は、絵本のストーリーを考えて、舞ちゃんにメールした。
『仔馬とペガサス』
〈ある日牧場で一頭の仔馬が生まれました。
綺麗な芦毛の女の子です。
甘えん坊で好奇心旺盛だけど、ちょっと内弁慶な仔でした。
子離れの時期になり、お母さんから離された彼女は、泣きながら放牧地を走っていました。
体が小さくて他の馬から苛められていたので、ポツンと1頭で居る事が良く有りました。
星の綺麗な夜、1人ぼっちで居る彼女の所にペガサスが舞い降りて来ました。
ペガサスを追いかけて遊んでいるうちに、走る事の楽しさを知りました。
1歳になると、群れの一番後ろを走るようになりました。
ペガサスを追いかけて走っていて、気がつくと、他の馬をみんな追い抜いていました。
彼女は、コユキと名付けられ、立派な競走馬になりました〉
そして、舞ちゃんが絵本を書き始めたんだ。
凛ちゃんのブログに『仔馬とペガサス』が1ページずつ載るようになった。
そして2014年2月8日、コユキは京都競馬場で、3歳の牝馬限定オープン、エルフィンステークス芝1600mに出走する。
土曜日は店が忙しいので京都には行けないけど、こっそりスマホでテレビを見ているんだ。
パドックのコユキは、いつも通り少しチャカついている。
尻っ跳ねなんかして、はしたないぞ。
休み明けだけど、大丈夫かな?
返し馬は、かかり気味に飛んで行った。
頭上げて、かかっちゃってたな…
実況が聞こえる。
「おっと、一頭放馬!白い馬体。6番コユキ放馬です」って、オイオイ、コユキ?
放馬しちゃったの?
「放馬って何ですか?」
「騎手を振り落としたりして逃げる事だよ。スーパーオトメ、って言う馬なんて、3.5?も逃走したんだ。首都高速を走ったりしたけど、馬体に異常がなかったから、馬券が交通安全のお守りで人気になったらしいよ」
放馬と言えば、僕の好きな馬ではゴールドティアラだな。
芝で勝ち上がれない時からずっと応援してた仔で、南部杯などを勝っているんだけど、ジャパンカップダートで、本馬場入場後に放馬して除外になったんだ。
あの時はショックだったな…
他に応援している馬が居なかったから、ガックリだった。
コユキが、やっと捕まったみたいだぞ。
「2番人気になってるんですがね…これは、馬体検査で発走が遅れます」
ああ…消耗してるよな…
「京都10レース、競争除外馬をお知らせします…」
コユキ、まさかの放馬で除外。
でも、ケガが無くて良かった。
舞ちゃんの絵本は、凛ちゃんのブログに1ページずつ載っている。
今回は、体が小さくて、他の馬達に苛められているところだな。
絵本では、最後は立派な競走馬になるんだ。
コユキ、頑張らないとな。
「チューリップ賞に出したい、って仰ってたわよ」
「抽選になりそうだね」
そして、2014年3月8日。
コユキは、抽選で当選してチューリップ賞に出走出来る事になった。
初めての重賞だよ~
店長が「応援に行って来て下さい」って言ってくれたので、店はスタッフに任せて、僕はお姉さんと阪神競馬場に行った。
チューリップ賞は、3歳牝馬によるG3芝1600mだ。
3着までの馬に、G1桜花賞の出走権が与えられるんだ。
頑張ってくれよ~
【阪神競馬場 馬主席】
「こんにちは」
「こんにちは」
「抽選通らはったんですさかい、今度は、放馬せんと宜しですな」
「ええ、良く言っておきます」
前に会った馬主さんだな。
エルフィンの時も、色々言われたらしいけど…
「嫌味なんだか、親切なんだかわからないわ。まあ、あんまり気にしない事ね」
【パドック】
コユキは、いつも通り少しウルサイところを見せている。
これで走るんだから、大人しい方が心配だね。
「今日は、尻っ跳ねしてないね。尻尾にリボンつけてるけど」
「あの赤いリボンは何?」
「蹴るよ気をつけて、のしるし」
「へー、何だか可愛いけど、そういう意味が有るのね」
パドックを周回している間に、これ以上テンションが上がると心配だけど…
止まれ、がかかって、騎手を載せると落ち着いた。
【スタンド】
本馬場入場だ。
「コユキ来たわよ。今日はどう?」
「キャンターもスムーズで、かかってないね」
「勝ってくれるかしら?」
「重賞だからね、今迄の相手とは違うし、皆んな桜花賞出たくてここに来てるからね」
「勝ったら、桜花賞に出られるの?」
「3着までに出走権が与えられる」
無理しなくて良いから、とにかく無事に回って来てくれ。
コユキはお母さん似で成長は遅めだと思うから、無理してケガでもしたら大変だからね。
まだ若い女の子達だから、ゲート入りを嫌がって、中々スムーズにいかない。
コユキは、今日はすんなり入って中で大人しくしているけど、他の馬が入るまで、良い子にしていられるかな?
良し、皆んな入ったぞ。
ゲートが開いて、スタート!
コユキは相変わらずスタートは上手くないけど、出負けと言うほどの事も無くすんなりと馬群の後方につけた。
「今日も、あんなに後ろよ」
「コユキの定位置だね」
「この前みたいに捲るのかしら?」
「どうだろう?ペースは速めだから、どこで動くかな?最後の直線まで我慢か」
コユキは、4コーナーまで後方で脚を溜めて直線を向いた。
「コユキ!頑張って!」
ジョッキーは、内を突いた。
凄い勢いで馬群を割って行く。
「もう少しよ!」
あ!
前が壁になった。
ゴール!
「え?何着?」
「際どいね。掲示板が上がるまでわからない」
掲示板が中々上がらない。
「写真だね」
「写真判定?」
「うん」
ようやく上がった。
コユキは、16番だから…
「3着だ」
ハナ、ハナの3着。
「惜しかったわね」
「でも、桜花賞の出走権は取れたね」
「そうね、良かったわ」
ここで使い切ってしまうより、余力を残して桜花賞に行った方が良いんだ。
【厩舎】
「勝てたレースなのに、すみません」
ジョッキーが、お姉さんに謝っている。
「脚を余しての3着…あいつ、馬群に突っ込んで他馬とぶつかっても、全然怯まないんです。中々気が強いですよ」
「ありがとうございました。桜花賞も宜しくお願いします」
【料理屋】
と、言う事でふぐ料理~
お姉さんが「何食べたい?」って言うので、関西は美味しい物が沢山有るけど、今日はふぐ。
ふぐの事「福」って言うんだ、って母が言ってたな。
ここは、兵庫県の地酒が揃っていて嬉しいな。
僕が好きなのは、剣菱。
沢の鶴、白鶴、菊正宗、良く知られているお酒が沢山有る。
これ、みんな兵庫県のお酒だったんだね。
知らないで呑んでたな。
あ、姫路のお酒が有るぞ。
龍力だ。
呑んだ事無い。
姫路には大好きな伯母が居て、僕は小さい頃預けられてたんだ。
その頃は、芦屋だったかな?
夙川だったかも?
そのあたりで良く引っ越しをしていたので、どこに居た時だかは忘れてしまった。
2才の時だったからね。
今は、伯母は姫路に住んでいるんだ。
では、この姫路の地酒龍力も呑んでみよ~っと。
そんなわけで、今日の夕食は、ふぐ料理で兵庫県の地酒を全種類!
刺身も美味しいし、鍋も美味しいな~
日本酒が合う~
寒いから熱燗が美味しいけど、僕は日本酒をロックで呑むのも好きなんだよな。
「せっかく来たんだから、宝塚も見たいわね」
「宝塚のどこ見るの?」
「歌劇に決まってるじゃない」
「え、僕…」
「男の子は行きにくいわよねー、でも行くわよ、明日」
【宝塚大劇場】
連れて来られてしまった。
宝塚大劇場。
小学生の頃、良く親に東京宝塚劇場に連れて行かれたけどね。
親父が芸名をつけた人が居たからで…
良く覚えてないけど、僕は嫌がってたと、母が言っていたな。
だって、周りは女性ばっかりだし、小学生の男の子が大人しくミュージカル観てないよな。
大劇場は初めて来た。
花組公演オーシャンズ11。
主演は蘭寿とむさん、蘭乃はなさん。
お姉さんは嬉しそうだ。
僕は、お芝居の方は半分寝ちゃってたけど、レビューは綺麗だったな。
苦手なわりに、昔のタカラジェンヌに詳しかったりする僕です。
母から良く話しを聞くし、愛称とか結構知ってる。
ぺーさんと、かなめちゃんが好きだな。
【デパ地下】
帰りにお姉さんが食材を買いたいと言うので、デパート。
猫のご飯、関西には変わった物が有るかな?
ワガママ猫のニコロ。
煮干しだって、小さくしてやらないと食べないし。
ササミのオヤツとかも、手からじゃないと食べないんだよな。
もう16才だから、元気に階段を走り回っているだけで良い子だけどね。
缶詰は、開けただけで「フン」てするし、今はパウチの物は食べるけど…
あーやっぱり、東京では見た事がない物が有るぞ。
初めての物は食べるか心配だけど、ニコロが食べなければノラちゃんが食べてくれるし、ぶーニャンにも買って行こう。
あ、凛ちゃんからメールだ。
「コユキ、本当に桜花賞出られるのよね?昨日は、皆んなで大騒ぎだったわよ」だって。
本当なんだよな~
本当に出られるんだよな~
「桜花賞には応援に来てね、桜ちゃんも一緒に(^ν^)」と返した。
「え?桜ちゃん連れて行くの?」と返信が来た。
「桜花賞だもん、桜ちゃんが居ないとね(^_-)-☆」と返した。
2011年3月3日にコユキが生まれて、同じ年の4月15日に桜ちゃんが生まれたんだ。
コユキが牧場に居た頃、桜ちゃんと仲良しさんしてる写真が、何枚もブログに載っている。
コユキは、きっと覚えてるよ。
桜花賞は4月13日だ。
コユキ、頑張れよ。
桜ちゃんへのバースデープレゼントだね。
「あら、菱ちゃんのお誕生日も4月じゃない」
そうだった。
僕の事は、すっかり忘れていた。
「僕は26日だから、桜花賞より皐月賞の方が近いな」
「でもまあ同じ4月だし、私からもプレゼント用意してあるわよー」
何だか嬉しそうに、お姉さんはそう言ってくれた。
舞ちゃんの絵本は、今は、苛められっ子の仔馬がペガサスを追いかけて、走る事の楽しさを知った場面だ。
桜花賞が終わった頃には完結だね。
勝てたら、もし勝てたら「立派な競走馬になりました」って所を「桜の女王になりました」に変えてもらおう。
桜花賞の日には、春風牧場の人達を招待する事にしたんだ。
爺ちゃんと婆ちゃんは「そんな遠くまで行かれねえ」って。
華ちゃんはまだ小さいし、駿さんと薫さんも馬の世話が有るから、牧場からテレビで応援してくれるって。
残念だけど、全員来れないのは仕方がないね。
さつきさん達は、京都に泊まりたいと言うので、兄貴に頼んでホテルの予約を取ってもらった。
来週は、いよいよ桜花賞だぞ。
「うちの馬が中央のG1走るなんて、信じられないよ。夢を見てるみたい」と、メールが来た。
「コユキが夢を見せてくれた。出られるだけでも大変な事なんだ。とにかく無事に回って来てくれれば、それだけで良いよね」と返した。
皆んな同じ思いだった。
ゲートが開くまでは…
彼女の絵は優しくて、絵本にするには良いと思うんだ。
でも、ストーリーを考えるのが苦手だ、って言ってたよな。
僕が考えてみるかな?
コユキの事を、絵本にしてみたらどうだろう?
凛ちゃんのブログを見ると、牧場に居た頃のコユキの事が良くわかる。
僕は、絵本のストーリーを考えて、舞ちゃんにメールした。
『仔馬とペガサス』
〈ある日牧場で一頭の仔馬が生まれました。
綺麗な芦毛の女の子です。
甘えん坊で好奇心旺盛だけど、ちょっと内弁慶な仔でした。
子離れの時期になり、お母さんから離された彼女は、泣きながら放牧地を走っていました。
体が小さくて他の馬から苛められていたので、ポツンと1頭で居る事が良く有りました。
星の綺麗な夜、1人ぼっちで居る彼女の所にペガサスが舞い降りて来ました。
ペガサスを追いかけて遊んでいるうちに、走る事の楽しさを知りました。
1歳になると、群れの一番後ろを走るようになりました。
ペガサスを追いかけて走っていて、気がつくと、他の馬をみんな追い抜いていました。
彼女は、コユキと名付けられ、立派な競走馬になりました〉
そして、舞ちゃんが絵本を書き始めたんだ。
凛ちゃんのブログに『仔馬とペガサス』が1ページずつ載るようになった。
そして2014年2月8日、コユキは京都競馬場で、3歳の牝馬限定オープン、エルフィンステークス芝1600mに出走する。
土曜日は店が忙しいので京都には行けないけど、こっそりスマホでテレビを見ているんだ。
パドックのコユキは、いつも通り少しチャカついている。
尻っ跳ねなんかして、はしたないぞ。
休み明けだけど、大丈夫かな?
返し馬は、かかり気味に飛んで行った。
頭上げて、かかっちゃってたな…
実況が聞こえる。
「おっと、一頭放馬!白い馬体。6番コユキ放馬です」って、オイオイ、コユキ?
放馬しちゃったの?
「放馬って何ですか?」
「騎手を振り落としたりして逃げる事だよ。スーパーオトメ、って言う馬なんて、3.5?も逃走したんだ。首都高速を走ったりしたけど、馬体に異常がなかったから、馬券が交通安全のお守りで人気になったらしいよ」
放馬と言えば、僕の好きな馬ではゴールドティアラだな。
芝で勝ち上がれない時からずっと応援してた仔で、南部杯などを勝っているんだけど、ジャパンカップダートで、本馬場入場後に放馬して除外になったんだ。
あの時はショックだったな…
他に応援している馬が居なかったから、ガックリだった。
コユキが、やっと捕まったみたいだぞ。
「2番人気になってるんですがね…これは、馬体検査で発走が遅れます」
ああ…消耗してるよな…
「京都10レース、競争除外馬をお知らせします…」
コユキ、まさかの放馬で除外。
でも、ケガが無くて良かった。
舞ちゃんの絵本は、凛ちゃんのブログに1ページずつ載っている。
今回は、体が小さくて、他の馬達に苛められているところだな。
絵本では、最後は立派な競走馬になるんだ。
コユキ、頑張らないとな。
「チューリップ賞に出したい、って仰ってたわよ」
「抽選になりそうだね」
そして、2014年3月8日。
コユキは、抽選で当選してチューリップ賞に出走出来る事になった。
初めての重賞だよ~
店長が「応援に行って来て下さい」って言ってくれたので、店はスタッフに任せて、僕はお姉さんと阪神競馬場に行った。
チューリップ賞は、3歳牝馬によるG3芝1600mだ。
3着までの馬に、G1桜花賞の出走権が与えられるんだ。
頑張ってくれよ~
【阪神競馬場 馬主席】
「こんにちは」
「こんにちは」
「抽選通らはったんですさかい、今度は、放馬せんと宜しですな」
「ええ、良く言っておきます」
前に会った馬主さんだな。
エルフィンの時も、色々言われたらしいけど…
「嫌味なんだか、親切なんだかわからないわ。まあ、あんまり気にしない事ね」
【パドック】
コユキは、いつも通り少しウルサイところを見せている。
これで走るんだから、大人しい方が心配だね。
「今日は、尻っ跳ねしてないね。尻尾にリボンつけてるけど」
「あの赤いリボンは何?」
「蹴るよ気をつけて、のしるし」
「へー、何だか可愛いけど、そういう意味が有るのね」
パドックを周回している間に、これ以上テンションが上がると心配だけど…
止まれ、がかかって、騎手を載せると落ち着いた。
【スタンド】
本馬場入場だ。
「コユキ来たわよ。今日はどう?」
「キャンターもスムーズで、かかってないね」
「勝ってくれるかしら?」
「重賞だからね、今迄の相手とは違うし、皆んな桜花賞出たくてここに来てるからね」
「勝ったら、桜花賞に出られるの?」
「3着までに出走権が与えられる」
無理しなくて良いから、とにかく無事に回って来てくれ。
コユキはお母さん似で成長は遅めだと思うから、無理してケガでもしたら大変だからね。
まだ若い女の子達だから、ゲート入りを嫌がって、中々スムーズにいかない。
コユキは、今日はすんなり入って中で大人しくしているけど、他の馬が入るまで、良い子にしていられるかな?
良し、皆んな入ったぞ。
ゲートが開いて、スタート!
コユキは相変わらずスタートは上手くないけど、出負けと言うほどの事も無くすんなりと馬群の後方につけた。
「今日も、あんなに後ろよ」
「コユキの定位置だね」
「この前みたいに捲るのかしら?」
「どうだろう?ペースは速めだから、どこで動くかな?最後の直線まで我慢か」
コユキは、4コーナーまで後方で脚を溜めて直線を向いた。
「コユキ!頑張って!」
ジョッキーは、内を突いた。
凄い勢いで馬群を割って行く。
「もう少しよ!」
あ!
前が壁になった。
ゴール!
「え?何着?」
「際どいね。掲示板が上がるまでわからない」
掲示板が中々上がらない。
「写真だね」
「写真判定?」
「うん」
ようやく上がった。
コユキは、16番だから…
「3着だ」
ハナ、ハナの3着。
「惜しかったわね」
「でも、桜花賞の出走権は取れたね」
「そうね、良かったわ」
ここで使い切ってしまうより、余力を残して桜花賞に行った方が良いんだ。
【厩舎】
「勝てたレースなのに、すみません」
ジョッキーが、お姉さんに謝っている。
「脚を余しての3着…あいつ、馬群に突っ込んで他馬とぶつかっても、全然怯まないんです。中々気が強いですよ」
「ありがとうございました。桜花賞も宜しくお願いします」
【料理屋】
と、言う事でふぐ料理~
お姉さんが「何食べたい?」って言うので、関西は美味しい物が沢山有るけど、今日はふぐ。
ふぐの事「福」って言うんだ、って母が言ってたな。
ここは、兵庫県の地酒が揃っていて嬉しいな。
僕が好きなのは、剣菱。
沢の鶴、白鶴、菊正宗、良く知られているお酒が沢山有る。
これ、みんな兵庫県のお酒だったんだね。
知らないで呑んでたな。
あ、姫路のお酒が有るぞ。
龍力だ。
呑んだ事無い。
姫路には大好きな伯母が居て、僕は小さい頃預けられてたんだ。
その頃は、芦屋だったかな?
夙川だったかも?
そのあたりで良く引っ越しをしていたので、どこに居た時だかは忘れてしまった。
2才の時だったからね。
今は、伯母は姫路に住んでいるんだ。
では、この姫路の地酒龍力も呑んでみよ~っと。
そんなわけで、今日の夕食は、ふぐ料理で兵庫県の地酒を全種類!
刺身も美味しいし、鍋も美味しいな~
日本酒が合う~
寒いから熱燗が美味しいけど、僕は日本酒をロックで呑むのも好きなんだよな。
「せっかく来たんだから、宝塚も見たいわね」
「宝塚のどこ見るの?」
「歌劇に決まってるじゃない」
「え、僕…」
「男の子は行きにくいわよねー、でも行くわよ、明日」
【宝塚大劇場】
連れて来られてしまった。
宝塚大劇場。
小学生の頃、良く親に東京宝塚劇場に連れて行かれたけどね。
親父が芸名をつけた人が居たからで…
良く覚えてないけど、僕は嫌がってたと、母が言っていたな。
だって、周りは女性ばっかりだし、小学生の男の子が大人しくミュージカル観てないよな。
大劇場は初めて来た。
花組公演オーシャンズ11。
主演は蘭寿とむさん、蘭乃はなさん。
お姉さんは嬉しそうだ。
僕は、お芝居の方は半分寝ちゃってたけど、レビューは綺麗だったな。
苦手なわりに、昔のタカラジェンヌに詳しかったりする僕です。
母から良く話しを聞くし、愛称とか結構知ってる。
ぺーさんと、かなめちゃんが好きだな。
【デパ地下】
帰りにお姉さんが食材を買いたいと言うので、デパート。
猫のご飯、関西には変わった物が有るかな?
ワガママ猫のニコロ。
煮干しだって、小さくしてやらないと食べないし。
ササミのオヤツとかも、手からじゃないと食べないんだよな。
もう16才だから、元気に階段を走り回っているだけで良い子だけどね。
缶詰は、開けただけで「フン」てするし、今はパウチの物は食べるけど…
あーやっぱり、東京では見た事がない物が有るぞ。
初めての物は食べるか心配だけど、ニコロが食べなければノラちゃんが食べてくれるし、ぶーニャンにも買って行こう。
あ、凛ちゃんからメールだ。
「コユキ、本当に桜花賞出られるのよね?昨日は、皆んなで大騒ぎだったわよ」だって。
本当なんだよな~
本当に出られるんだよな~
「桜花賞には応援に来てね、桜ちゃんも一緒に(^ν^)」と返した。
「え?桜ちゃん連れて行くの?」と返信が来た。
「桜花賞だもん、桜ちゃんが居ないとね(^_-)-☆」と返した。
2011年3月3日にコユキが生まれて、同じ年の4月15日に桜ちゃんが生まれたんだ。
コユキが牧場に居た頃、桜ちゃんと仲良しさんしてる写真が、何枚もブログに載っている。
コユキは、きっと覚えてるよ。
桜花賞は4月13日だ。
コユキ、頑張れよ。
桜ちゃんへのバースデープレゼントだね。
「あら、菱ちゃんのお誕生日も4月じゃない」
そうだった。
僕の事は、すっかり忘れていた。
「僕は26日だから、桜花賞より皐月賞の方が近いな」
「でもまあ同じ4月だし、私からもプレゼント用意してあるわよー」
何だか嬉しそうに、お姉さんはそう言ってくれた。
舞ちゃんの絵本は、今は、苛められっ子の仔馬がペガサスを追いかけて、走る事の楽しさを知った場面だ。
桜花賞が終わった頃には完結だね。
勝てたら、もし勝てたら「立派な競走馬になりました」って所を「桜の女王になりました」に変えてもらおう。
桜花賞の日には、春風牧場の人達を招待する事にしたんだ。
爺ちゃんと婆ちゃんは「そんな遠くまで行かれねえ」って。
華ちゃんはまだ小さいし、駿さんと薫さんも馬の世話が有るから、牧場からテレビで応援してくれるって。
残念だけど、全員来れないのは仕方がないね。
さつきさん達は、京都に泊まりたいと言うので、兄貴に頼んでホテルの予約を取ってもらった。
来週は、いよいよ桜花賞だぞ。
「うちの馬が中央のG1走るなんて、信じられないよ。夢を見てるみたい」と、メールが来た。
「コユキが夢を見せてくれた。出られるだけでも大変な事なんだ。とにかく無事に回って来てくれれば、それだけで良いよね」と返した。
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