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第1章 ギルドと騎士団
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〈昔ここクーラントは、元々一つの国であった。
南にはアルマンド城が有り、政治の中心はアルマンドだった。
そして北は、サラバンドの領主が治めていた。
300年程前にサラバンドが独立戦争を起こし、現在は、南のアルマンドと北のサラバンドは、独立した2つの国となっており、今でも睨み合いが続いている〉
【ギルド・レ・シルフィード】
このギルドは、アルマンドの城下町に有り、身元さえはっきりしていれば、身分に関わりなく誰でもメンバーになれる。
私は、国の仕事で出かけない限り、なるべくこのギルドに居て、市民からの依頼を受けるようにしている。
ここには、色々な職業の人が居て楽しい。
「やあ、ミント。今日は、どんな依頼が有る?」
「腕に覚えの有る人達は、今皆んな出払ってて、アッサムさんしか出来ない依頼が1つ有るんですけど」
「ハーイ、アッサム。私と一緒に山に入るのよ」
コリアンダーだ。
彼女は、道具屋の娘で、ヒーラーだ。
彼女が薬草などから作った薬が、道具屋で売られていて、奥のサロンでは、ヒーリングもしてくれるので、ギルドのメンバーも、いつもお世話になっている。
「薬草取りだな」
「そうよ、行きましょう」
外に出ると、ギルドのメンバーが、コリアンダーの乗る栗毛馬を用意してくれた。
私は、芦毛の愛馬ミューズに跨がった。
【城下町北門】
この街は、城壁で囲まれていて、街の外は、魔獣や物の怪が出るので、市民が外に出る時は、私のギルドに護衛の依頼が有る。
「通してくれ」
「ナイト・アッサム。どうぞお通り下さい」
「開門!」
【アルマンド北門前】
「草原に入れば魔物が出るぞ、離れるなよ」
「了解。しっかり守ってね」
「ああ、ちゃんとエスコートするから、安心しろ」
草原の先の川を越えれば、山はすぐそこだ。
私は、戦場では、重装備のランス使いだが、こういう依頼の時は、軽装備で腰に剣を帯びて出かける時も有る。
草原の魔物ぐらい、剣で充分だ。
川が見えてきた。
ここを渡れば山に入れる。
【北の山】
「最近、この山の奥に、人に似た鳥獣が出るらしいわね」
「ああ、ハーピーじゃないか?ギルドの戦士が見たと言っていた」
「旅人が襲われたと、新聞に出てたわ」
だが薬草は、奥まで行かなければ手に入らない。
だから護衛が必要なのだ。
私達は、魔物と戦いながら、山の奥へと入って行った。
【山の奥】
泉のほとりに、薬草がはえている。
魔物さえ居なければ、気持ちの良い場所だ。
2人は、馬を下りて薬草を採取した。
「もう、このぐらいで良いわ」
採取が終わり、泉の水を飲んでいる時、木漏れ日が遮られ辺りが暗くなった。
「奴だ。下がっていろ」
やはり、ハーピーだ。
私は、剣を抜いて構えた。
〈上空から襲いかかるハーピーと戦うアッサム〉
「でーい!」
「アッサム!」
私は、ハーピーに足で掴まれ、空へと舞い上がった。
上空で何度も剣で斬りつけると、気がついた時には地面に叩きつけられていた。
そして、暫く意識を失っていたようだ。
「アッサム、しっかりして」
「君は誰?僕の魂の半分?」
「また、あの夢を見ているのね」
「コリアンダー…」
「貴方、また、いつもの夢を見ていたわよ」
私は、コリアンダーの膝で目を覚ました。
ハーピーは?
「ハーピーはどうした!お前ケガは無いのか?!」
「ハーピーは、そこよ。私は無傷」
見ると、ハーピーが横たわっていた。
「軽くヒーリングしといたけど、街に帰ったら私のサロンに来て。ちゃんと治療するから」
私達は、ハーピーから、使えそうな素材を剥ぎ取って街に戻った。
【コリアンダーのサロン】
「治療するから、鎧を脱いで」
装備をはずすと、治療が始まった。
「それにしても、良くあれで無事だったわね。ハーピーと一緒に空から落ちて来たのよ」
はっきりとは覚えていないが、かなりの高さから落下したようだ。
どれぐらい意識を無くしていたのだろう?
「また中間世の夢を見てたわよ」
「中間世なんて、本当に有るのか?」
「前世と今生の間に、中間世が有るのよ」
「あれは本当に、お前の言う魂の伴侶なのか?」
いつもの夢…それは…
私は、肉体を持たずフワフワと浮いた感じで…
【雲の上】
「やっと会えたね」
「もう離れて居るのは嫌」
〈フワフワと浮いて雲の上を飛ぶ彼女を追いかける〉
「捕まえた。もう放さないよ」
〈そして、手を繋いで2人で虹を渡る〉
「今度は、一緒に転生するの。必ず私を探してね」
「きっと見つけてみせるよ」
【コリアンダーのサロン】
「終わったわよ。こっちへ来て。カードを引いてみましょう」
〈テーブルの上で神託のカードを切るコリアンダー〉
「その魂と、一緒に転生しているとしたら、時期が来れば必ず巡り会うはずよ」
魂の伴侶…それは…
ツインレイと言う1つの魂が2つに割れた、宇宙にたった1人の相手だそうだ。
そんな物が、本当に存在するのだろうか…?
「はい、何も考えないで、直感で1枚引いてね」
私は、コリアンダーの言う通り、1枚のカードを引いた。
彼女は、私の引いたカードの表を向けた。
「真実の愛のカードが出てるけど」
ほら、見てごらんなさい、と言うようにカードを見せて、そう言った。
「………」
「まあ、会えば必ずわかるわよ」
3000年ぶりの再会だと、夢の中の相手は言っていたが…
「滅多に巡り会えない魂なのよ。お互いの魂が成長していなければ…学びが進んでいなければ、近くに居ても気づく事もないの」
同じ時期同じ場所に滞在していたり、わずかな時間ですれ違っていたりするそうだ。
「明日は、騎士団に顔を出さねばならない」
「いつもの事だけど本当嫌そうね、騎士団に行くの」
【騎士団】
私が騎士団に行くと、新聞記者のチコリが待っていた。
私は取材嫌いで通っているのだが…
「そろそろお願いしますよ。去年の星のカーニバルの日から、あの騎士は誰だ?って問い合わせが来てるんです」
新聞には、騎士達を紹介するページが有り、肖像画が載せられ、騎士の日常などを掲載している。
だが…
「貴族階級の騎士だけなのが気に入らん」
「騎士と言っても、その4分の3は、貴族の身分を持たない者です。全ての騎士を載せていたら、他の記事を書けませんよ」
殆どの騎士が、貴族に仕え貴族だけに尽くしている。
だが、本当に困っているのは市民達なのだ。
だから私は、ギルドを立ち上げた。
「正騎士になられて2年目ですよ。お願いしますよ。7月7日星のカーニバルの日に載せたいんです」
「…」
「お願いです。他の騎士の方々は、正騎士1年目から掲載させて頂いてるんですよ。困ったな…このまま社に戻ったら、私は首ですよ」
「わかったよ。取材を受けよう」
「本当ですか?」
「私のせいで首になってはかなわんからな」
「では、まず。去年と同じように、今年の星のカーニバルでもパレードの先導をするんですか?」
「する」
他の騎士達は、カーニバルの警備だ。
カーニバルの話しの後は、騎士団の北の国境遠征の話しをした。
「日常の生活を教えて下さい」
「国の仕事が無い時は、町のギルドで市民の依頼に応えている」
「では、今度は、ギルドの方に取材に伺っても宜しいですか?」
「ああ、良いとも。ギルドには、私よりも面白いメンバーが揃っている。そっちの取材の方が良いのではないか?」
「それは楽しみですね。今度、是非是非」
「今日は、このぐらいで良いか、そろそろギルドに戻らねば」
「ありがとうございました。この記事は、7月7日星のカーニバルの日に載せますので。あー間に合って良かったー」
南にはアルマンド城が有り、政治の中心はアルマンドだった。
そして北は、サラバンドの領主が治めていた。
300年程前にサラバンドが独立戦争を起こし、現在は、南のアルマンドと北のサラバンドは、独立した2つの国となっており、今でも睨み合いが続いている〉
【ギルド・レ・シルフィード】
このギルドは、アルマンドの城下町に有り、身元さえはっきりしていれば、身分に関わりなく誰でもメンバーになれる。
私は、国の仕事で出かけない限り、なるべくこのギルドに居て、市民からの依頼を受けるようにしている。
ここには、色々な職業の人が居て楽しい。
「やあ、ミント。今日は、どんな依頼が有る?」
「腕に覚えの有る人達は、今皆んな出払ってて、アッサムさんしか出来ない依頼が1つ有るんですけど」
「ハーイ、アッサム。私と一緒に山に入るのよ」
コリアンダーだ。
彼女は、道具屋の娘で、ヒーラーだ。
彼女が薬草などから作った薬が、道具屋で売られていて、奥のサロンでは、ヒーリングもしてくれるので、ギルドのメンバーも、いつもお世話になっている。
「薬草取りだな」
「そうよ、行きましょう」
外に出ると、ギルドのメンバーが、コリアンダーの乗る栗毛馬を用意してくれた。
私は、芦毛の愛馬ミューズに跨がった。
【城下町北門】
この街は、城壁で囲まれていて、街の外は、魔獣や物の怪が出るので、市民が外に出る時は、私のギルドに護衛の依頼が有る。
「通してくれ」
「ナイト・アッサム。どうぞお通り下さい」
「開門!」
【アルマンド北門前】
「草原に入れば魔物が出るぞ、離れるなよ」
「了解。しっかり守ってね」
「ああ、ちゃんとエスコートするから、安心しろ」
草原の先の川を越えれば、山はすぐそこだ。
私は、戦場では、重装備のランス使いだが、こういう依頼の時は、軽装備で腰に剣を帯びて出かける時も有る。
草原の魔物ぐらい、剣で充分だ。
川が見えてきた。
ここを渡れば山に入れる。
【北の山】
「最近、この山の奥に、人に似た鳥獣が出るらしいわね」
「ああ、ハーピーじゃないか?ギルドの戦士が見たと言っていた」
「旅人が襲われたと、新聞に出てたわ」
だが薬草は、奥まで行かなければ手に入らない。
だから護衛が必要なのだ。
私達は、魔物と戦いながら、山の奥へと入って行った。
【山の奥】
泉のほとりに、薬草がはえている。
魔物さえ居なければ、気持ちの良い場所だ。
2人は、馬を下りて薬草を採取した。
「もう、このぐらいで良いわ」
採取が終わり、泉の水を飲んでいる時、木漏れ日が遮られ辺りが暗くなった。
「奴だ。下がっていろ」
やはり、ハーピーだ。
私は、剣を抜いて構えた。
〈上空から襲いかかるハーピーと戦うアッサム〉
「でーい!」
「アッサム!」
私は、ハーピーに足で掴まれ、空へと舞い上がった。
上空で何度も剣で斬りつけると、気がついた時には地面に叩きつけられていた。
そして、暫く意識を失っていたようだ。
「アッサム、しっかりして」
「君は誰?僕の魂の半分?」
「また、あの夢を見ているのね」
「コリアンダー…」
「貴方、また、いつもの夢を見ていたわよ」
私は、コリアンダーの膝で目を覚ました。
ハーピーは?
「ハーピーはどうした!お前ケガは無いのか?!」
「ハーピーは、そこよ。私は無傷」
見ると、ハーピーが横たわっていた。
「軽くヒーリングしといたけど、街に帰ったら私のサロンに来て。ちゃんと治療するから」
私達は、ハーピーから、使えそうな素材を剥ぎ取って街に戻った。
【コリアンダーのサロン】
「治療するから、鎧を脱いで」
装備をはずすと、治療が始まった。
「それにしても、良くあれで無事だったわね。ハーピーと一緒に空から落ちて来たのよ」
はっきりとは覚えていないが、かなりの高さから落下したようだ。
どれぐらい意識を無くしていたのだろう?
「また中間世の夢を見てたわよ」
「中間世なんて、本当に有るのか?」
「前世と今生の間に、中間世が有るのよ」
「あれは本当に、お前の言う魂の伴侶なのか?」
いつもの夢…それは…
私は、肉体を持たずフワフワと浮いた感じで…
【雲の上】
「やっと会えたね」
「もう離れて居るのは嫌」
〈フワフワと浮いて雲の上を飛ぶ彼女を追いかける〉
「捕まえた。もう放さないよ」
〈そして、手を繋いで2人で虹を渡る〉
「今度は、一緒に転生するの。必ず私を探してね」
「きっと見つけてみせるよ」
【コリアンダーのサロン】
「終わったわよ。こっちへ来て。カードを引いてみましょう」
〈テーブルの上で神託のカードを切るコリアンダー〉
「その魂と、一緒に転生しているとしたら、時期が来れば必ず巡り会うはずよ」
魂の伴侶…それは…
ツインレイと言う1つの魂が2つに割れた、宇宙にたった1人の相手だそうだ。
そんな物が、本当に存在するのだろうか…?
「はい、何も考えないで、直感で1枚引いてね」
私は、コリアンダーの言う通り、1枚のカードを引いた。
彼女は、私の引いたカードの表を向けた。
「真実の愛のカードが出てるけど」
ほら、見てごらんなさい、と言うようにカードを見せて、そう言った。
「………」
「まあ、会えば必ずわかるわよ」
3000年ぶりの再会だと、夢の中の相手は言っていたが…
「滅多に巡り会えない魂なのよ。お互いの魂が成長していなければ…学びが進んでいなければ、近くに居ても気づく事もないの」
同じ時期同じ場所に滞在していたり、わずかな時間ですれ違っていたりするそうだ。
「明日は、騎士団に顔を出さねばならない」
「いつもの事だけど本当嫌そうね、騎士団に行くの」
【騎士団】
私が騎士団に行くと、新聞記者のチコリが待っていた。
私は取材嫌いで通っているのだが…
「そろそろお願いしますよ。去年の星のカーニバルの日から、あの騎士は誰だ?って問い合わせが来てるんです」
新聞には、騎士達を紹介するページが有り、肖像画が載せられ、騎士の日常などを掲載している。
だが…
「貴族階級の騎士だけなのが気に入らん」
「騎士と言っても、その4分の3は、貴族の身分を持たない者です。全ての騎士を載せていたら、他の記事を書けませんよ」
殆どの騎士が、貴族に仕え貴族だけに尽くしている。
だが、本当に困っているのは市民達なのだ。
だから私は、ギルドを立ち上げた。
「正騎士になられて2年目ですよ。お願いしますよ。7月7日星のカーニバルの日に載せたいんです」
「…」
「お願いです。他の騎士の方々は、正騎士1年目から掲載させて頂いてるんですよ。困ったな…このまま社に戻ったら、私は首ですよ」
「わかったよ。取材を受けよう」
「本当ですか?」
「私のせいで首になってはかなわんからな」
「では、まず。去年と同じように、今年の星のカーニバルでもパレードの先導をするんですか?」
「する」
他の騎士達は、カーニバルの警備だ。
カーニバルの話しの後は、騎士団の北の国境遠征の話しをした。
「日常の生活を教えて下さい」
「国の仕事が無い時は、町のギルドで市民の依頼に応えている」
「では、今度は、ギルドの方に取材に伺っても宜しいですか?」
「ああ、良いとも。ギルドには、私よりも面白いメンバーが揃っている。そっちの取材の方が良いのではないか?」
「それは楽しみですね。今度、是非是非」
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