『猫が焼きもち妬くので結婚できません2』

大輝

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第4章 捕獲大作戦?

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【Lapis夢が丘店】

「え?野良ちゃんの家族?」

「そうなのよ。お父さんのタマとお母さんのポンと子供はチビトラとチビタマ」

「タマが一生懸命家族を守ってるの。子供とお母さんに先にご飯食べさせて自分は我慢してるの」

「でも、そこのお婆ちゃん大屋さんに「猫に餌をやるなら出てもらいます!」って言われて」

「ご飯あげると来るから、来たら処分されるから、薬物撒いて殺されるから、だからあげられないんです」

「お婆ちゃんストレスで病気になっちゃったのよ」 

「猫ちゃん達も稲さんも可哀想」

「ねえ、天空路さん。お願いします。助けてください!」

これは何とかしてあげたいけど…

僕の家はもう飼えないし、お母さんの所はどうかな?

聞いてみるか。

【天空路家母屋】

一緒に頼むって、麻里愛ちゃんと真理絵ちゃんが付いて来た。

お母さんに話したんだけど…

「そうですか…」

「本当は野良ちゃんの家族全部引き取ってあげたいのよ。でもね、ブルーちゃんが年を取ってるから無理なの、ごめんね」

ブルーちゃんはもうだいぶ足が弱ってきてるから、子猫のお守りは無理だよな。

「そうよね、子猫がじゃれたりしたら大変だもの」

「ブルーちゃんて、この子ですか?」

「ええ、そうよ」

「シェルティですよね?ブルーマール」

「そう。良くご存知ね」

「珍しいんですよね。最近は他の毛色から産ませたりして増えてるけど、こんな綺麗な子初めて見た」

「ママがチャンピオンで、ブルーマールから生まれたからかしらね?」

「純粋なんだね、愛里ちゃんの病院でも見た事無いな」

ブルーちゃんが来た頃は本当に少なかったからな。

はあ、やっぱりここも飼えないか。

僕達はとりあえず店に戻る事にした。

【Lapis夢が丘店】

「愛里ちゃんも里親探してくれてるけど」

「遠くに行っちゃうのも寂しいわね」

野良ちゃん一家をバラバラにするの可哀想だよな。

でも皆んな一緒に引き取ってくれる人なんて居るかな?

「ここで飼ってやったら?」

また羊里君は簡単に言ってくれるよ。

「ここで飼うのは無理でしょう」

「何で無理なんだよ?」

「食べ物扱ってるし」

「ンなもん猫カフェにすりゃ問題無いだろうよ」

「それ良いですね!」

「うん、そしたら稲さんも会いに来れるし」

まあ、そうなれば家族をバラバラにしないで良いわけだけど…

って!

無理だから、無理無理。

「羊里君今月一杯でla merに戻るし、まだバイト決まってないし、無理だよ」

「バイト私やる!」

「私もやります!」

「え?」

「大丈夫大丈夫、ちゃんと働くから」

「いや、大丈夫って」

何が大丈夫なんだか…

「これで決まりだな。良かったじゃないか。俺も安心してla merに帰れるよ」

「そうと決まったら捕獲大作戦!レッツゴー」

決まったってねえ。

ま、まあ、僕もきっとその子達見たら連れて帰りたくなっちゃうんだろうけどね。

いや、だけどここで猫カフェって…

まだ経営も大変なのに、猫4匹?

【稲さんの家】

で、結局僕も野良ちゃん一家の捕獲作戦に借り出されたんだ。

「愛里ちゃんは忙しくて中々来てくれないから、私達で捕まえるのよ!」

真理絵ちゃんやる気満々だな。

いつも野良ちゃん一家の居る場所にキャリーバッグを置いた。

「これに入ったら蓋を閉めるのよ」

「そんなに簡単に入ってくれるかしら?」

「カリカリ入れたから入るわよ」

僕達は離れた所で見ている事にした。

お母さん猫のポンちゃんが来たぞ。

「ポンちゃんは食いしん坊だからきっと入る」

ちょっと警戒してるな。

首を伸ばして匂いを嗅いでるから、カリカリが有るのはわかっているんだろうけど…

「中々入らないわね」

「缶詰入れてみたら?うちのRutileを捕まえた時もそうしたよ」

「もう、天空路さんたら、そういう事は早く言ってよね」

「ごめん」(汗)

今度はキャリーバッグの中に猫の缶詰を入れた。

蓋は猫が入ったらサッと閉められるようにしておいたぞ。

「ミャー」

「ミャー」

「子猫の声」

「シーッ」

「ミャー(美味しそうな匂いがするよ)」

「ミャー(今日はお婆ちゃんご飯くれるのかな?)」

「来ましたよ」

「はいはい」

稲さんには良く懐いていて逃げないから、中に入ったら蓋を閉めてもらうんだ。

「大丈夫かね?昨日私が捕まえようとしたら大騒ぎして逃げたんだよ」

「「いつもと違うな」って、びっくりしたんでしょう」

「いつもみたいに近づくけば良いんだね?」

「そして、サッと蓋を閉めてください」

「わかった、やってみるよ」

そんな事を話している間に子猫達がキャリーバッグに頭を突っ込んでいる。

もう少しだ。

「ミャー(ご飯だ)」

「ミャー(だけどちょっと怖いよ)」

良し良し、怖くないから中に入ってご覧。

美味しいご飯が有るだろ?

そうだ、良い子だね。

良し!

入ったぞ。

稲さんが蓋を閉める。

「あー上手くいった。ハラハラしたよ」

「良かったね、チビ達捕獲成功だよ」

「後は親達ね」

それがまた大変なんだよな。

母猫のポンちゃんはどんなに可愛がっても中々懐かないそうで…

父猫のタマはいつも居るわけじゃないらしい。

「タマも毎日来るには来るんだけど、餌をあげられなくなってからは子供達に譲って、自分はどっかに行くみたいなんだよ」

「どっかでご飯貰ってるのかしら?」

「そうそう貰えないでしょう?」

「タマが鳴くから見てみると「赤ちゃんにご飯やってよ」って自分は食べないで行っちゃうんだよ」

さっきみたいに別のキャリーバッグに缶詰を入れた。

「もう大丈夫、出来るよ」

親猫達の捕獲は稲さんに任せて、僕達はチビ君達を愛理さんの動物病院へ連れて行く事にした。

【夢が丘動物病院】

「生後2ヶ月ぐらいね。検査をして、予防接種します」

検査をしてもらった。

二匹共元気一杯だ。

「それじゃ、注射しますから押さえててね」

え?僕?

あ、真理絵ちゃん達の視線が…

「はい」

痛っ。

ちょっと噛まれたけど、注射も無事に終わった。

「野良ちゃんだから、ボランティア料金で良いわよ」

「はあ、ありがとうございます」

「猫カフェやるんですって?」

「え?はい」

って、言っちゃったよ。

「保護猫カフェにするなら、私も協力するわよ」

「はい、助かります」

って、保護猫カフェになるのか?

ま、まあ兎に角この子達はしっかり育てよう。

【Lapis夢が丘店】

「お帰りー。おお!チビ達来たのか。可愛いな」

「でしょう?」

「本当に、こんな可愛い子達を「処分する」なんて良く言えるな」

真理絵ちゃんがキャリーバッグの蓋を開けた。

チビ君達は、警戒して奥の方で二人(?)くっついてる。

「ほら、出て来なさいよ」

「怖くないわよ。いらっしゃい」

「ちょっと待って」

有った有った。

紐で誘ったら出て来るかな?

「アハハ、じゃれてる」

「可愛い」

キャリーバッグから出て来たら、さっきまでの借りて来た猫状態から一変した。

二匹で店内を走り回っている。

「あ、そっちは…」

僕は急いでアクセをしまった。

「あら、大変。私も手伝います」

「早速バイトだね」

見本のアクセをディスプレイして有っただけだからすぐに片付いた。

オーダー専門の店舗で良かったよ。

本店なら猫カフェなんて出来ないよな。

でも、工房には入れないようにしないと
、小さなパーツを口に入れたりしたら危ないな。

「工房にドアを付ければ良いんだろ?俺がやってやるよ」

「ドアだとバタンて閉まって尻尾を挟んだりしたら大変だから、引き戸が良いんだけど」

「任せなさいって。俺田舎で大工やってたからな」

引き戸が出来るまで工房は使えないかな?

まあ、お客様も少ないし、ゴムのブレスぐらいなら大丈夫だね。

「ねえ、この子達の名前なんだけど」

「チビトラとチビタマよ」

縞模様で4本の足がソックスを履いたみたいに白い子がチビトラ。

臆病でおにぎり顔の子がチビタマ。

「大きくなってもチビ?」

「そうか、そうよね」

「保護猫カフェなんだから、里親が見つかったら名前変わるんだろ?」

羊里君にそう言われてドキッとした。

切なかった。

この子達を手離したくないと思った。

「保護猫カフェに決まり?ねえ、天空路さん」

「え?それは…まだわからないよ」

「まあな、そうそう今回みたいな事が有るとも思えないけど、でも遊ちゃんの事だ、きっとそうなるよ」

保護猫カフェ?

もしそうなったら、可愛い可愛い子達とお別れしないといけないんだ。

僕に出来るかな?

今は考えるのよそう。

この子達はここで育てる。

名前考えないとな。

「いつまでもチビじゃないもんな」

「ミャー」

〈麻里愛の携帯が鳴る。ハンズフリーにする〉

「もしもし富さん?」

「今稲さんが来てね、ポンちゃんが捕まったって」

「良かったー」

「私迎えに行って来る。そのまま愛里ちゃんのとこ連れて行くから」

良かったね。

まだお乳を飲んでるし、お母さんが来てくれたら安心だね。

後は父猫だけだな。

夕方麻里愛ちゃんと真理絵ちゃんが母猫のポンちゃんを連れて帰って来た。

「はいこれ、稲さんがポンちゃん達の餌だって」

「まだタマは来ないのよ」

「そうか…早く家族が揃うと良いな」

「ミャー」

「今日からここが君達の家だよ」

真理絵ちゃんがキャリーバッグを床に置いた。

ポンちゃんはちょっと怒ってるみたいだ。

中々懐かないって言ってたもんな。

チビ君達がママのそばに寄って来た。

キャリーバッグの蓋を開けた。

ポンちゃんは、サッと出て店の隅に走った。

チビ君達も一緒だ。

「名前さ、今のままで良いんじゃない?お父さんがタマだから子供はチビタマ。兄弟はチビトラで良いよ」

「そうね、もうそれが自分達の名前だと思っちゃってる」

「そうか」

でも、この子達はどこへもやらないぞ、絶対。

「おい、閉店時間だぞ」

「この子達をここに置いとけないよな。奥のサロンに連れて行くか」

「どうやって?」

「ご飯を持って行けば来るよ、きっと」

【サロン】

ソファーベッドをベッドにする。

「何でベッドなんて有るの?天空路さんヤラシイ」

「こらこら、これはヒーリングする時に使うの」

「ポンちゃん、いらっしゃい。チビトラ、チビタマー」

「呼んでも来ないね」

お皿にカリカリを入れて置いておこう。

「あ、チビトラが来たよ」

入り口の所にはチビタマが居る。

「ウニャウニャ(美味しいな)」

「食べてる」

チビトラがご飯を食べているのを見て、チビタマも来た。

「ミャー(僕も食べる)」

僕達が部屋を出ると、ポンちゃんが急いで入って行った。

「ポンちゃんも食べてる食べてる」

「食いしん坊だもんね「あのちっちやい体でタマより食べる」って稲さんが言ってたわ」

食べたらベッドの上でくっついてる。

もう大丈夫だ。

あ、そうだ。

猫トイレ用意しといたんだった。

ポンちゃん達を脅かさないようにそっと部屋に入れた。

【Lapis夢が丘前】

「お疲れ様。明日から来るわよ」

「え?あ、シフト」

「二人で来れる日は来ます」

「ありがとうございました」

やれやれ、全部勝手に決めてった。

まあ良いか。

〈遊はスマホを出して電話する〉

「もしもしお兄ちゃん?もう帰って来る?」

「え?どこに居るの?」

「お兄ちゃんち」

「帰るまで居てくれる?」

「そのつもりよ」

「ありがとう。じゃあね」

助かった。

【天空路家】

「ただいま~来るなよ」

〈と小声で言うと遊はお風呂場に直行する〉

【お風呂場】

野良ちゃんを捕獲して来たからね、お風呂に入ってからじゃないとLapis達を触れない。

明日あの子達洗ってやろう。

もう外には出さないんだから。

はあ…

大変な一日だったけど…

フッ、明日から店に行くのが楽しみだ。

【キッチン】

「Lapis~Rutile~」

「ミュー(パパちゃん!)」

「ニャー(抱っこして)」

「良い子たんちてまちたかぁ?」

「お兄ちゃんご飯よ」


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