俺のタマゴ

タマゴの試験

護利さんが言っていた、“試験”って何だろう？

全く意味不明。

まぁ、そのうち、わかる事なんだろうけど
気になって仕方なくなっていた。

新ｱｲﾂが言った、俺を消して入れ替わるとか言うやつ。
きっと、それと関係がある何かなんだろうな。

だけど、何をするんだろう？
何か、特別なものが…

ぼんやりと、携帯の画面を見つめたまま
部屋のベッドに寝転がりながら考えていた。

あ！

ポケット中の1枚のメモを取り出すと
アプリを開き護利さんのIDをBコネに入力した。

護利茅菜……あった！

プロフの写真は、子犬と一緒に写ったもので
めちゃくちゃ可愛かった。

犬の方じゃなくて、護利さんの方が。

犬、飼ってるのかな。

って、こんな事、考えてる場合じゃないな。


…何て送ろう。

指が止まる。


改「うーん、うーん…」


…とりあえず、登録した事
伝えればいいだろうか？

本当、俺って、こう言うの苦手だなんだよなー。



改《 二岾です。登録しました。よろしく。》



こんなんでいいかな？

素っ気なさすぎる？

でも、気の利いた台詞ことばなんて書けないし。

結局、そのまま送信ボタンを押した。


しばらく、見ていたけど既読は付かない。
まぁ、仕方ないか。さっき、急いで帰ってたし
忙しいんだろうな。



？「なぁーに、ニヤニヤしながら携帯見てんの？」

改「っ！？」


ビックリして声のする方へ振り向くと、新だった！


新「気持ち悪ぃんだけど」

改「はぁ？つか、お前、勝手に入ってきてんじゃねぇよ！」

新「ノックしたけど？5回くらい。」


マジか。全然聞こえなかった。


新「そろそろだね、俺とのバトル」
 

は？
バトルって何の事だ？


新「あれ？知ってると思ってた。護利茅奈から、何か聞いたんじゃないんだ？」

改「…」


護利さんと、話してた事、どうして知ってるんだ？
まさか、護利さんの急用って……

いや、違う。

でも、あのタイミングで…

いやいや、護利さんが新と繋がってるなんて
そんな事ないって！そう信じたい。


新「そのうち、わかる事だけど。俺は負けないからさ。絶対に。」


そう言うと、新は俺に、グイッと顔を近付けてきて


新「消えるのは、アンタだよ！」

改「っ！！」


ゾッとした。

鳥肌が立った。

今まで見た事の無い冷酷な表情だった。
こんな顔をする人間、この世にいるのかってくらい。

いや、新は、そもそも人間か？

俺と同じ顔なのに、恐ろしい別人の顔に見えたんだ。