俺のタマゴ

さつきのいろどり

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真相・2

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護利さんが、卵の方なのか本物の方なのか、
こんな話をしていたから、気になり出した。


茅菜「え?私?」


俺は、双子になる前の護利茅菜を知らない。
だから、どちらでもいいはずなのに
気になるのは、なぜだろう?


茅菜「どっちだと思う?」


ニコニコしながら、笑顔で言った。

どっちだと思うって…
言いたくないか?卵の方だからだとか?

それとも…


改「えっと…」

茅菜「どちらでもいいじゃない?」

改「え?」

茅菜「今は…」


今は?
今はって事は、いずれは話してくれるって事なのか?

だけど、今は話したくない理由って…



茅菜「ねぇ。二岾くんは、もう始まったの?」

改「始まったって何が?」

茅菜「試験。」


試験?
中間テストはこの前終わったばっかだし
他に何かあったっけ?


改「あれ?期末、まだ先だよね?」

茅菜「あぁ、そっか、まだなんだ。
あのね。試験っていうのは双子になった
どちらかが残る為に…」


『ピピピロリーン♪』

そこで、タイミング悪く護利さんの携帯が鳴った。


茅菜「ゴメンなさい、ちょっと…」


と言いながら、電話に出ると少し話してから


茅菜「急用で、帰らなきゃ行けなくなっちゃったんだけど
続き、今度でいい?」

改「うん。」


そっか、残念だけど仕方ないか。


茅菜「あ、これ。
何かあったら、連絡して。」


護利さんは、俺にメモを渡すと
急いで走っていった。

メモを開くと、B☆CONNECTのIDと携帯の番号が。


改「あ!」


B☆CONNECT(ビーコネクト)とは、Bコネ(ビーコネ)と略されて呼ばれている
手軽にメッセージのやり取りができる便利なアプリだった。


護利さんって、もしかして俺の事…

たった今、受け取ったメモを握りしめたけど


いやいやいや、ないないない


わかってる。俺じゃなくて、卵の謎に興味があるだけだって。

うん。残念だけどね。

だけど、俺にとっては、めちゃくちゃ嬉しい展開だった。
タマゴの奇跡に感謝!


…なんて、こんな事思っていられるのは今のうちだけだって事を
この後、思い知らされる事になった。


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