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クロボシ
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気がつくと、俺はベッドで寝ていた。
どうやら、あのまま気絶してしまったらしい。
痛みで気絶した事なんて、今まで一度もなかったのに。
頭が、ぼんやりする。
あ、れ?そういやぁ、俺…生きてる?
ゆっくりと、体を起こすと
茅菜「大丈夫?」
改「あぁ…。え?護利さん?」
俺の寝ているベッドの横のパイプ椅子に座り、俺を見ていた。
辺りを見回すと、見覚えのある風景。
あぁ、ここ保健室か。
頭がぼんやりとしてたせいか、病院に運ばれたんだと勝手に思っていた。
茅菜「腕、見せて」
そう言うと、護利さんは俺の左腕のシャツの布をめくりあげる。
改「ちょ、まっ護利さん?」
ち、近い‥‥
顔がすぐ目の前にある。
茅菜「後、四つだから」
改「ななっ、何が?」
茅菜「コレ。」
見ると、俺の左の腕に一つの黒い星が付いていた!
な、何だコレ!?
茅菜「もう一人の二岾くんに負けたでしょ?
だから付いたの。先に五個付いたほうが消えるんだよ」
ちょ、嘘…だろ??
消えるとか、マジなのか?
まぁ、でもさっきので消えなかっただけマシ…
じゃねぇよ!
嫌だし!
ムリムリムリムリ!
消えるとか、絶対無理だしっ!
『ゴシゴシゴシゴシ!』
とりあえず、思い切り擦ってみた!
だけどこのアザ、皮膚というよりは、身体の中に浸透しているような
骨の奥から、星型の根が張っているような‥
とにかく、何をしても取れそうもない感じだ。
茅菜「どちらかが消えるまで、その黒星は消えないよ。
‥だけど‥」
改「!」
護利さんは、左腕を俺に見せてきた。その左腕には、四つの黒星が付いていた。
今、どちらかが消えたら、黒星も無くなるって言ったよな。
残ってるって事は、護利さんもまだタマゴの試験ってやつが
終わってないって事か?それとも…
茅菜「茅乃はね、私をかばって消えたの」
改「え?」
四つ目の黒星の下を、護利さんが指さす。そこには、薄っすらとアザがあった。
ん?
目をこすってから、もう一度よく見てみると、半分になった黒い星。
半分?どう言う事だ!?
茅菜「みんな、どちらかがいなくなると、黒星は消えてしまったのに
私だけ、残ったままなの。
…どうしてだろう?」
護利さんは、今にも泣きそうな顔をして、半分になった黒星のアザを撫でた。
改「あの…今言ってた茅乃って…」
茅菜「うん。もう一人の私。
本当は、私が負けたの。だけど、無理やり茅乃は負けた。私をかばって。
‥私の代わりに消えたの。私の‥目の前で…」
そうなんだ…
でも、どうして護利さんだけに、こんな事が起きたんだ?
二人の間には、何があったんだろう?
だけど、聞けなかった。
何となく、聞いたらいけない気がしたから。
どうやら、あのまま気絶してしまったらしい。
痛みで気絶した事なんて、今まで一度もなかったのに。
頭が、ぼんやりする。
あ、れ?そういやぁ、俺…生きてる?
ゆっくりと、体を起こすと
茅菜「大丈夫?」
改「あぁ…。え?護利さん?」
俺の寝ているベッドの横のパイプ椅子に座り、俺を見ていた。
辺りを見回すと、見覚えのある風景。
あぁ、ここ保健室か。
頭がぼんやりとしてたせいか、病院に運ばれたんだと勝手に思っていた。
茅菜「腕、見せて」
そう言うと、護利さんは俺の左腕のシャツの布をめくりあげる。
改「ちょ、まっ護利さん?」
ち、近い‥‥
顔がすぐ目の前にある。
茅菜「後、四つだから」
改「ななっ、何が?」
茅菜「コレ。」
見ると、俺の左の腕に一つの黒い星が付いていた!
な、何だコレ!?
茅菜「もう一人の二岾くんに負けたでしょ?
だから付いたの。先に五個付いたほうが消えるんだよ」
ちょ、嘘…だろ??
消えるとか、マジなのか?
まぁ、でもさっきので消えなかっただけマシ…
じゃねぇよ!
嫌だし!
ムリムリムリムリ!
消えるとか、絶対無理だしっ!
『ゴシゴシゴシゴシ!』
とりあえず、思い切り擦ってみた!
だけどこのアザ、皮膚というよりは、身体の中に浸透しているような
骨の奥から、星型の根が張っているような‥
とにかく、何をしても取れそうもない感じだ。
茅菜「どちらかが消えるまで、その黒星は消えないよ。
‥だけど‥」
改「!」
護利さんは、左腕を俺に見せてきた。その左腕には、四つの黒星が付いていた。
今、どちらかが消えたら、黒星も無くなるって言ったよな。
残ってるって事は、護利さんもまだタマゴの試験ってやつが
終わってないって事か?それとも…
茅菜「茅乃はね、私をかばって消えたの」
改「え?」
四つ目の黒星の下を、護利さんが指さす。そこには、薄っすらとアザがあった。
ん?
目をこすってから、もう一度よく見てみると、半分になった黒い星。
半分?どう言う事だ!?
茅菜「みんな、どちらかがいなくなると、黒星は消えてしまったのに
私だけ、残ったままなの。
…どうしてだろう?」
護利さんは、今にも泣きそうな顔をして、半分になった黒星のアザを撫でた。
改「あの…今言ってた茅乃って…」
茅菜「うん。もう一人の私。
本当は、私が負けたの。だけど、無理やり茅乃は負けた。私をかばって。
‥私の代わりに消えたの。私の‥目の前で…」
そうなんだ…
でも、どうして護利さんだけに、こんな事が起きたんだ?
二人の間には、何があったんだろう?
だけど、聞けなかった。
何となく、聞いたらいけない気がしたから。
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