俺のタマゴ

さつきのいろどり

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協力

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俺の目の前に現れたのは…



改「世楽…冬磨?」

世楽「フルネームで呼び捨てとか、ないから。」



俺は、茅菜の方を見た。

あぁ、そうか。きっとそうだ。
説明しなくても何となく、わかった。
だけど、茅菜の口から直接聞きたかった。



改「どういう事か説明してくれるよな?」



茅菜は少し黙った後、口を開いた。



茅菜「協力してもらいたくて…卵の謎について。前にも話したと思うけど、消えて欲しくないから。誰にも。
それに、やっぱり茅乃の事、まだ…」



茅乃さんの事、話したの、俺だけじゃなかったのか…。世楽にも、話してたんだな。
何だか複雑な気分だ。



世楽「護利さんに協力するのはいいけど
コイツ…二岾と手を組むって事?」

茅菜「うん。出来れば、そうしてくれたらなって。」

世楽「どうして?理由は?メリットはあるの?」



何だよコイツ!いつも茅菜の前ではデレデレしてたくせに、やけに今日は突っかかってるな。



茅菜「…今は言えない。ごめんなさい。
でも、メリットはある!
私も、世楽くんにも、改くんにも」

改「…メリット?」

茅菜「今、起きてる事の謎が解けるかも知れないから。
…私の腕のクロボシ、覚えてる?」

改「うん。」



忘れるわけがない。あの時、泣いてたもんな。

この前見せてくれた。
腕に刻まれた半分になった一つのクロボシ。



茅菜「どうして半分になったのか、解りそうなの。」

世楽「その理由が分かったとして、何があるの?」

茅菜「…」

世楽「今は言えない…ってやつ?
まぁいいや。護利さんには協力する。
でも、二岾とは組まないから!」



そう投げ捨てると、世楽は去って行った。

茅菜は、悲しそうな顔をしている。

多分。いや絶対、世楽は茅菜の事が好きなんだ。だから、邪魔者の俺とは組みたくないんだろうな。何となくわかるよ、その気持ち。

俺は、正直どっちでもよかった。
ただ、茅菜が卵の事について知りたいなら協力するだけ!

…そうだ。そうに決まってる。

茅菜が卵の謎について調べて
何をしようとしているのかは
聞いても、きっと答えてくれないだろう。

だから教えてくれる日が来るまで待とうと思う。



改「あのさ。俺、協力するから。
世楽とも、何とかやるからさ…」



仲良くは、なれないかもしれないけど
普通に話せるようになるくらいには
なれるよな。



改「だから、その…元気出せって!」

茅菜「!…ありがとう。」





にっこりと笑った茅菜の笑顔だ。

めちゃくちゃドキッとした!

そうか。俺、この笑顔が好きなんだ!

さっきの取り消し。
世楽とは、絶対に仲良くなってやる!

単純だって思う奴もいると思うけど
切っ掛けって、結構そんなもんだよな。





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