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17おっさんを追放した勇者(笑)達の受難1

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おっさんを追放した勇者(笑)剣士レオンSide 

「今日は清々しい朝だ。何しろあの盗賊がいないからな」  

「全くです。あいつ、いつも、あーしのことをいやらしい目で見て、きっと目で犯していたっしょー、別にそれでもいいけどww」  

「俺が上書きしてやろうか?」  

「お願いします。レオン様♡」  

「ルビーもお願いします。あいつのことだから、きっとあたいも!」  

「よし、まとめて犯ってやる。二人共、早くケツをこっちに向けろ」  

「「きゃぁあ! 激しい!」」  

朝から嬌声が響く。  

☆☆☆  

ひとしお重戦士エミリアと魔法使いルビーの身体を堪能した後、剣士レオンは満足げに朝のコーヒーを楽しんでいた。  

『ふふ。酒池肉林だ。やはり剣聖の固有スキルを授かった俺は特別なんだ。おかげでこのいい女二人は俺専用の奴隷同然だ』  

二人の美しい裸体が惜しげもなく晒されている。二人共何一つ隠そうとしない。そう、二人はこのレオンに完全に魅了されていた。  

しばらく二人の裸体を楽しんでいたが、そろそろパーティとしてレベリングと遊ぶ金を稼ぐためにダンジョンに潜る頃あいだ。  

ドンとエミリアを蹴飛ばす。  

「さっさと起きろ。そろそろダンジョンに潜るぞ」  

「あ、あーし、もう無理です」  

「あたいもあんなに激しくされたのに」  

「五月蝿い。さっさと行くぞ」  

魔法使いのルビーにも乱暴に蹴りを入れて叩き起こす。  

「おはようございます。レオンさん」  

「おう、ご苦労だ。ミア」  

宿の食堂で、ヒーラーのミアとバッタリ出くわす。 

「レオンさん、今日はチェックアウトする日です。今日から隣の豪華な宿にと伺っていますが?」  

「そうだったな。おっさんを追放したかおかげで、わけ前をピンハネできたからな。あいつも少しは俺の役に立てて嬉しいだろう」  

「……」  

おっさんのことを考えて、つい下を向くミアを一瞥するとレオンは考えた。  

『入団したばかりでまだ早いと思っていたが……ミアは極上の女だな。いや、エミリアやルビーとは比べようも無い気品と清楚さだ。……そろそろエミリアとルビーにも飽きてきたしな』  

最低な女ったらし、レオン。彼の毒牙はミアにも迫っていた。 

もちろんミアにそんな気持ちはない。 

彼女が気になる男性は———おっさん、ただ一人だ。 

「さあ、チェックアウトを頼む」  

髪をかき揚げナルちゃん気味に気取って宿のカウンターにもたれかかり、宿の受付嬢に話しかける。  

「お部屋の備品があちこち破損されています。これは修繕費の請求書になります」  

「何言ってるんだ? こいつ?」  

「そう言えばあーし、つい勢いで壁に飾ってある絵画破いちゃった」 

「あたいは酔った勢いで椅子を窓から投げたような」  

宿の要求は当然だ。何言ってるんだコイツと言われるべきはレオンの方だ。  

「おい、誰か交渉しろ!」  

「あーし、そういうの無理」  

「あたいも」  

「はあ?」  

結局唯一まともなミアが何とか請求書の金額の減額の交渉を行って、支払いを済ませて、チェックアウトできた。今まで困らなかったのはもちろんおっさんのおかげである。  

☆☆☆  

「よし、念願のロイヤルオークを倒したぞ!」  

「流石レオン様ぁ♡」  

「ルビー感じちゃいますぅー」  

無邪気に喜ぶエミリアにルビー。だがミアは心の中でツッコむ。  

このでかいロイヤルオークの肉をどうやって運ぶ気だ? 今まで狩った魔物はおっさんが解体してアイテムボックスで運搬してくれていたが、今後どうする? それにアイテムボックス持ちのポーターを雇ったら、おっさんがいた頃より金に困るどころか赤字だろ?  

☆☆☆  

「な、なんだと! ふざけるな!」  

大声を上げるのはもちろんレオンだ。  

「なんでたかがアイテムボックス持ちのポーターの契約料がこんなに高いんだ!」  

「何をおっしゃいます。アイテムボックスのスキル持ちは数が少なく、これでも良心的な価格ですよ」  

「本当か? おっさんの時は半分の契約料だったぞ?」  

「あれはおっさんがあなた方の未来に期待して、破格の値段で契約してたんですよ」  

ミアは一人心の中でツッコんだ。こいつら、おっさんに目をかけられていただけと言うことに気が付かなかったのか?  

「ああ! せっかく倒したロイヤルオークの肉が持ち帰れなかった上、こんな出費なぞ!」  

「レオンさまー。おっさんが……「あぁッ!!」  

おっさんがいればと言う事実を告げようとしたエミリアの言葉を乱暴な言葉で塞ぐレオン。  

「これは一時的な出費だ。何、アイテムボックスのスキルを持った冒険者を雇えばいい! おっさんの上位互換の冒険者を雇えばいい!」  

「はあ……アイテムボックスのスキルを持った、レベル70台の盗賊に匹敵する能力の冒険者ですか? Sクラスの冒険者を雇われるのですか?」  

「はあ? Sクラスだと?」  

ミアに指摘されて疑問を浮かべるレオン。  

「アイテムボックスは珍しいスキルです。その上おっさんと同等となると……それだけでSクラスになりますね」  

「そ! そんな訳があるかぁー! それではおっさんがSクラスの冒険者と同格になるだろうがぁ!」  

だからおっさんはSクラスの冒険者同等だったのである。 

目先の金欲しさに貴重な安給料で働いてくれるおっさんを追放してしまったレオン。 

彼の転落劇はまだ始まったばかりである。 
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