62 / 93
62ハリセンは役に立つな
しおりを挟む
その日の夜、俺はこっそりと皆を宿の裏に呼び出した。
無論、みなにかかった魅了の魔法を解くためだ。
おそらく、クリス以外、大なり小なり影響を受けている。
魅了の魔法は意外と効果時間は長い。
ただし、深度は時間と共に簡単に緩くなる。
命の危険や過度に嫌悪感があるようなことは魅了の魔法でも長くは続かない。
深度の深い魅了系の魔法は頻繁に掛け直す必要がある。
だけど単に猫耳族に好意を持つとかだけだとかなり長い間持つ筈だ。
おそらく、アイラやリリーにかかった魔法は弱いものだろう。
もともと同族で族長への好意を持ちやすい。
だが、アリーやリーゼにかかった魔法は違うと思う。
一生猫耳族のために働くとか、普通だと考えにくい。
「どうしたの、アル君?」
「ご主人様、夜に女の子を呼び出すなんて良くないのです」
いや、確かに夜中に女の子を呼び出すのはちょっと勇気いったけど……
簡単に来ちゃうのね、君たち。もうちょっと危機感持った方がいいよ。
でも、変なことしようとか、クリスに酷い目に合わされるから無理。
「二人共変な期待しちゃだめよ。いくらフツメンでもアルは私のモノだからね」
クリスが姿を現す。
実はクリスも呼んでる。勘違いされたら後が怖いもん。
バシン! バシン!
俺は呼び出した二人をハリセンでいきなりしばいた。
ハリセンには強いディスペルの付与魔法をかけてある。
俺、ディスペルの付与魔法しか持ってないの。
「ア、アル君、なんで突然そんな変なものでぶつの?」
「そうです。ご主人様、リーゼも同意なのです」
「魅了の魔法よ」
「「え?」」
二人は驚いたような顔をする。
自覚がないようだ。
「あなた達二人共この猫耳族の里のために一生働くと言ってたわよね?」
クリスが二人に説明を始める。
「え? いくらなんでも一生とか……」
「そうなのです。一生なんて……言ってな……でも……言ってたのです」
「そうよ。あなた達、魅了の魔法で一生猫耳族のために働くことになりそうだったの」
驚く二人。
だが、魅了の魔法は記憶を失ったりしないから今は理解できる筈。
「二人共、これを身につけて」
俺は二人に耳飾りとブローチの可愛い感じのアクセサリーを渡した。
魔道具だ。
もちろん耐魅了系の。
俺自身も既に身につけている。
「アル君の気持ち、しっかり受け止めたよ。そんなに私のことが大好きなのね」
「ご主人様、フツメンのクセにこんな気の効いたことを……リーゼ恥ずかしいのです」
アリー、勘違いするな。
リーゼ、喜ぶかくさすかどっちかだけにしとけ。
「普通のプレゼントかじゃなくて、魔道具! 耐魅了系のヤツ!」
「ええ!? そんな、こんなに喜ばせておいて、アル君酷いよ!」
「そうです。ご主人様、人の心を弄んで酷すぎるのです。フツメンの自覚がないのです」
アリー、そんなに期待するな。
そんな空気どこにあった?
それとリーゼ、俺のこと好きなクセにフツメン、フツメンとクサすの止めろ、このクソ奴隷が!!
そんなことを言っていると更に二人来た。
アイラとリリーだ。
やっぱりこんな時間なのに簡単に来ちゃうのね。
「お姉ちゃん。アル様はなんで私達二人を呼んだのだろ?」
「決まっているだろ。私もパンツを見られた身、もう身も心もアル殿のモノだ。きっとアル殿は私とアイラの二人で姉妹ドンブリを楽しみたいんだ」
いや、ちょっと待て!!
リリー、お前、あんなに俺に虐められたクセに俺のこと好きになってるとかおかしいだろ?
それにアイラちゃんと二人でっておかし過ぎるだろ。
は!?
これはもしかして?
俺は思いあたった。
俺も夜中に女の子を呼び出すことに抵抗を感じられると思って、姉妹二人共一緒に来てとメッセージを送ったけど、二人が俺にエッチなことされると思って来たとは思えない。
魅了の魔法だろう。
何より二人が俺のこと好きになってるとかがおかし過ぎるだろう。
俺はフツメンなんだぞ。
それ位のことはわかる。
おそらく、これは族長の魔法だ。
二人が俺のそばまで来ると俺とクリス達を交互に見て。
「アル殿は乱交が好きなのだな」
「大丈夫です。アイラは覚悟ができてます」
スパーン、スパーン。
俺は二人の魅了の魔法を解いた。
「どう? 正気に戻った?」
「そうよ、二人で迫るとかアル君も困るわよ」
「そうなのです。ご主人様も男の子なので、そういう時は私がいますので」
リーゼどうしよ。今更返品出来そうにないし。
俺、困ったでち。
「正気って何のことです?」
「はい。ちょっと意味がわかりませんが?」
うん?
どうも魅了の魔法が解けても自覚がないようだ。
「二人共、俺に姉妹ドンブリされるとかあり得んだろ? さっきまで考えてたこと思い出せ」
「え? いや、私、お姉ちゃんとならいいですよ」
「私もアル殿が喜ぶのなら、もちろん。アイラなら気兼ねもいらないし」
マジか? こいつら?
魅了のせいでもないのに、何考えてるの?
俺の驚きをよそに、突然。
「……!!……!!」
「!!!!!!!!」
声になっていない叫び声が聞こえた。
「今、悲鳴みたいじゃなかった?」
「この声……サリに似てる」
声の主は女の子の声だった。
「みんな、行くぞ」
俺はみんなに声をかけた。
……多分……人攫いの現場だ。
無論、みなにかかった魅了の魔法を解くためだ。
おそらく、クリス以外、大なり小なり影響を受けている。
魅了の魔法は意外と効果時間は長い。
ただし、深度は時間と共に簡単に緩くなる。
命の危険や過度に嫌悪感があるようなことは魅了の魔法でも長くは続かない。
深度の深い魅了系の魔法は頻繁に掛け直す必要がある。
だけど単に猫耳族に好意を持つとかだけだとかなり長い間持つ筈だ。
おそらく、アイラやリリーにかかった魔法は弱いものだろう。
もともと同族で族長への好意を持ちやすい。
だが、アリーやリーゼにかかった魔法は違うと思う。
一生猫耳族のために働くとか、普通だと考えにくい。
「どうしたの、アル君?」
「ご主人様、夜に女の子を呼び出すなんて良くないのです」
いや、確かに夜中に女の子を呼び出すのはちょっと勇気いったけど……
簡単に来ちゃうのね、君たち。もうちょっと危機感持った方がいいよ。
でも、変なことしようとか、クリスに酷い目に合わされるから無理。
「二人共変な期待しちゃだめよ。いくらフツメンでもアルは私のモノだからね」
クリスが姿を現す。
実はクリスも呼んでる。勘違いされたら後が怖いもん。
バシン! バシン!
俺は呼び出した二人をハリセンでいきなりしばいた。
ハリセンには強いディスペルの付与魔法をかけてある。
俺、ディスペルの付与魔法しか持ってないの。
「ア、アル君、なんで突然そんな変なものでぶつの?」
「そうです。ご主人様、リーゼも同意なのです」
「魅了の魔法よ」
「「え?」」
二人は驚いたような顔をする。
自覚がないようだ。
「あなた達二人共この猫耳族の里のために一生働くと言ってたわよね?」
クリスが二人に説明を始める。
「え? いくらなんでも一生とか……」
「そうなのです。一生なんて……言ってな……でも……言ってたのです」
「そうよ。あなた達、魅了の魔法で一生猫耳族のために働くことになりそうだったの」
驚く二人。
だが、魅了の魔法は記憶を失ったりしないから今は理解できる筈。
「二人共、これを身につけて」
俺は二人に耳飾りとブローチの可愛い感じのアクセサリーを渡した。
魔道具だ。
もちろん耐魅了系の。
俺自身も既に身につけている。
「アル君の気持ち、しっかり受け止めたよ。そんなに私のことが大好きなのね」
「ご主人様、フツメンのクセにこんな気の効いたことを……リーゼ恥ずかしいのです」
アリー、勘違いするな。
リーゼ、喜ぶかくさすかどっちかだけにしとけ。
「普通のプレゼントかじゃなくて、魔道具! 耐魅了系のヤツ!」
「ええ!? そんな、こんなに喜ばせておいて、アル君酷いよ!」
「そうです。ご主人様、人の心を弄んで酷すぎるのです。フツメンの自覚がないのです」
アリー、そんなに期待するな。
そんな空気どこにあった?
それとリーゼ、俺のこと好きなクセにフツメン、フツメンとクサすの止めろ、このクソ奴隷が!!
そんなことを言っていると更に二人来た。
アイラとリリーだ。
やっぱりこんな時間なのに簡単に来ちゃうのね。
「お姉ちゃん。アル様はなんで私達二人を呼んだのだろ?」
「決まっているだろ。私もパンツを見られた身、もう身も心もアル殿のモノだ。きっとアル殿は私とアイラの二人で姉妹ドンブリを楽しみたいんだ」
いや、ちょっと待て!!
リリー、お前、あんなに俺に虐められたクセに俺のこと好きになってるとかおかしいだろ?
それにアイラちゃんと二人でっておかし過ぎるだろ。
は!?
これはもしかして?
俺は思いあたった。
俺も夜中に女の子を呼び出すことに抵抗を感じられると思って、姉妹二人共一緒に来てとメッセージを送ったけど、二人が俺にエッチなことされると思って来たとは思えない。
魅了の魔法だろう。
何より二人が俺のこと好きになってるとかがおかし過ぎるだろう。
俺はフツメンなんだぞ。
それ位のことはわかる。
おそらく、これは族長の魔法だ。
二人が俺のそばまで来ると俺とクリス達を交互に見て。
「アル殿は乱交が好きなのだな」
「大丈夫です。アイラは覚悟ができてます」
スパーン、スパーン。
俺は二人の魅了の魔法を解いた。
「どう? 正気に戻った?」
「そうよ、二人で迫るとかアル君も困るわよ」
「そうなのです。ご主人様も男の子なので、そういう時は私がいますので」
リーゼどうしよ。今更返品出来そうにないし。
俺、困ったでち。
「正気って何のことです?」
「はい。ちょっと意味がわかりませんが?」
うん?
どうも魅了の魔法が解けても自覚がないようだ。
「二人共、俺に姉妹ドンブリされるとかあり得んだろ? さっきまで考えてたこと思い出せ」
「え? いや、私、お姉ちゃんとならいいですよ」
「私もアル殿が喜ぶのなら、もちろん。アイラなら気兼ねもいらないし」
マジか? こいつら?
魅了のせいでもないのに、何考えてるの?
俺の驚きをよそに、突然。
「……!!……!!」
「!!!!!!!!」
声になっていない叫び声が聞こえた。
「今、悲鳴みたいじゃなかった?」
「この声……サリに似てる」
声の主は女の子の声だった。
「みんな、行くぞ」
俺はみんなに声をかけた。
……多分……人攫いの現場だ。
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる