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61勘違いするな。俺とクリスは仲いいぞ
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俺達はその日、里の唯一の宿屋に泊まっていた。
宿泊客は一年ぶりらしい。
そして俺はクリスの部屋を訪ねていた。
え?
いや、勘違いするな。
夜這いじゃないぞ。
そんなことしたら袋叩き必須だぞ。
「アル?」
「うん、俺」
クリスは俺だと分かると部屋に俺を入れた。
「で? 一体どういうことなの?」
「多分……魅了系の魔法だ。さっきアリーとリーゼを鑑定したら状態異常が出ていた」
「そっか……それで私は大丈夫なのか……? アルはなんで平気だったの?」
そっか、クリスに俺のレベルが1200なこと言ってなかったな。
ステータスは上級ジョブのレベル50程度とはいえ、スキルは既に500程持っている。
ちなみにチートの代表格の勇者ですら30程度だ。
「俺、師匠にラプラス変換のジョブを覚醒してもらって、放置プレイヤーになったんだ。それで、レベルが1200になった」
「ごめん。9割がた理解出来なかった」
うう。そうだよね。普通納得しないよな。
俺はまず自分に経験値10000倍のスキルが宿ったこと、そして固有スキルの召喚魔法が進化して、放置プレイで、寝てても膨大な経験値を得られて、今はレベル1200に達していると伝えた。そしてスキル『見て見ぬふり』のことも。
「そっか……もう私の知ってるアルと違うのね。少し見ない間に体格も立派になって」
「俺は何も変わらないよ。それにクリスはドンドン強くなって、俺と別の次元の人になっても俺のこと見捨てなかった」
「当たり前じゃない。何年の付き合いなの?」
ああ、そうだな。
クリスとは12年の付き合いになるか。
あれは俺達の一家が故郷の村に引っ越して来た日だった。
☆☆☆
俺は田んぼのあぜで、カエルを見つめる女の子を見つけた。
綺麗な子だな。
最初の感想はクリスの可憐さだった。
クリスは子供の頃から綺麗な女の子だった。
だが。
むんず。
クリスは突然カエルを捕まえると、ぎゅっとカエルを握りしめた。
「ちょっ!?」
俺は女の子が突然カエルを握りしめたことにも驚いたけど、もっと驚いたのは、握り殺そうとしてたとしか思えないことだった。
「そ、そんなことしたらカエルが死んじゃう!」
「え?」
クリスは驚いたような顔をするが、自分の手のひらにあるカエルがぐったりしてるのを見て。
「やだ! カエルさんが死んじゃう!」
今から考えたら信じられないけど、生き物の命ってそんなことで死んじゃうことも知らなかった。俺もトンボのクビに紐をつけて遊んでいて……首がとれて死んじゃったことで知った。
「……わ、私がカエルさんを?」
「生き物って、簡単に死んじゃうよ。俺はトンボを殺してしまった」
「わ、わたし……」
俺は死んでしまったカエルを握りしめて泣き出したクリスを慰めた。
それがクリスとの出会いだった。
クリスは俺に家のお隣さんだった。
至極自然に一緒に遊ぶことが多かった。
だが、男の子と女の子じゃ、普通遊びの内容が違う。
だけど。
「アル! 今日もプロレスしよ!」
クリスは見かけと全然違って、普通男の子が好きそうなプロレスごっこが大好きだった。
それで俺とクリスは毎日のようにプロレスをしていた。
クリスは女の子だから当然俺の方が強かった。
だけど負けず嫌いのクリスはとどまることを知らない果てしなき戦いを挑んでくる。
「15勝14敗な。今月も俺の勝ちな」
高らかに宣言する俺。
別に女の子だからって遠慮なんてしない。
実力でクリスは強い。
だけど、強い相手に手加減なんて失礼だ。
そしてある時の幼年学校のお昼休みに。
「ちょっと、アル、放課後も私とプロレスしなさいよ!」
「これはこれは今月も負け越した負け犬のクリスちゃんじゃないですか? ごめんね。負け犬の言うことに共感してあげたいけど、俺、忙しいんだ」
嫌味たっぷりにクリスをなじる俺。
俺はクリスのことは好きだった。
でも、まだ恋とかじゃなくて、ただ漠然とした好き。
そして、よくある話だが俺はクリスに意地悪をしていた。
好きな子に意地悪したくなる、ちょっと悪い俺。
「1日1戦だけとかズルいと思うの」
「はあ、何度やっても同じだよ」
「あら? 男らしくないわね。ふーん、ほんとは負けるのが怖いんでしょ?」
「いや~敗残者は言い訳するのが得意だからね、優しい俺は聞いてあげたいけど、家でお母さんの手伝いしなきゃいけないいだ。だからどっか行ってくんないかな?」
俺は勝利によったのと、涙目になっていくクリスを見ても更に煽った。
「アルの馬―――――鹿! 勝負してよ! お願いだから!」
俺は驚いた。気が強いクリスが俺にお願いをしてきた。
涙目じゃなくて、涙を流して。
俺はハッとした。
「お母さんの手伝いは私もするから、だから」
「わ、わかったよ。じゃ、しょうがないから放課後校舎裏でな」
こうしてクリスは俺の家の手伝いをするようになり、二人は兄妹のようにいつも一緒にいるようになった。
そして中学生になった。
俺達は未だにプロレスをやっていた。
でも、男女が段々と男の子と女の子を意識し始める頃。
俺達はいつも校舎裏でこっそりとプロレスをやっていた。
他の子に見つかると恥ずかしいから。
そんなある日。
それは起きた。
「ク、クリス、ダ、ダメだよ!」
「はあ! 何が?」
クリスは普段体操服に着替えて、クォーターパンツを履いてるんだけど、その日は制服のままだった。
そして、クリスは生足、ていうか太ももで俺にヘッドロックを決めていた。
知らなかった。
女の子の太ももがあんなに柔らかいなんて。
それは俺の性の目覚めだったと思う。
クリスもそれに気がついて、プロレスをやめた。
真っ赤な顔の俺を見て、ようやくクリスも気がついたようだ。
そしてプロレスをやめて1ヶ月が過ぎた。
俺はクリスと自分が違う世界の人間だったことに気がついた。
綺麗に成長したクリス。
クリスは村一番の美少女に成長していた。
プロレスやめてから、二人の接点は減った。
これからクリスはきっと、イケメンに告白されて、俺とは違う人生を歩むんだろうな。
そう思っていた。
だが。
チラ。
チラチラ。
チラチラチラ。
クリスは俺を教室でやたらと見てきた。
何度も何度も。
俺はクリスのことが好きだった。
今は違う。
俺はクリスに恋していた。
でも、美少女に成長したクリスに告白する勇気なんてなかった。
でも、クリスのこの反応。
気がつくと、俺はクリスを放課後校舎裏に呼び出して告白した。
こうして俺とクリスは彼氏彼女になった。
宿泊客は一年ぶりらしい。
そして俺はクリスの部屋を訪ねていた。
え?
いや、勘違いするな。
夜這いじゃないぞ。
そんなことしたら袋叩き必須だぞ。
「アル?」
「うん、俺」
クリスは俺だと分かると部屋に俺を入れた。
「で? 一体どういうことなの?」
「多分……魅了系の魔法だ。さっきアリーとリーゼを鑑定したら状態異常が出ていた」
「そっか……それで私は大丈夫なのか……? アルはなんで平気だったの?」
そっか、クリスに俺のレベルが1200なこと言ってなかったな。
ステータスは上級ジョブのレベル50程度とはいえ、スキルは既に500程持っている。
ちなみにチートの代表格の勇者ですら30程度だ。
「俺、師匠にラプラス変換のジョブを覚醒してもらって、放置プレイヤーになったんだ。それで、レベルが1200になった」
「ごめん。9割がた理解出来なかった」
うう。そうだよね。普通納得しないよな。
俺はまず自分に経験値10000倍のスキルが宿ったこと、そして固有スキルの召喚魔法が進化して、放置プレイで、寝てても膨大な経験値を得られて、今はレベル1200に達していると伝えた。そしてスキル『見て見ぬふり』のことも。
「そっか……もう私の知ってるアルと違うのね。少し見ない間に体格も立派になって」
「俺は何も変わらないよ。それにクリスはドンドン強くなって、俺と別の次元の人になっても俺のこと見捨てなかった」
「当たり前じゃない。何年の付き合いなの?」
ああ、そうだな。
クリスとは12年の付き合いになるか。
あれは俺達の一家が故郷の村に引っ越して来た日だった。
☆☆☆
俺は田んぼのあぜで、カエルを見つめる女の子を見つけた。
綺麗な子だな。
最初の感想はクリスの可憐さだった。
クリスは子供の頃から綺麗な女の子だった。
だが。
むんず。
クリスは突然カエルを捕まえると、ぎゅっとカエルを握りしめた。
「ちょっ!?」
俺は女の子が突然カエルを握りしめたことにも驚いたけど、もっと驚いたのは、握り殺そうとしてたとしか思えないことだった。
「そ、そんなことしたらカエルが死んじゃう!」
「え?」
クリスは驚いたような顔をするが、自分の手のひらにあるカエルがぐったりしてるのを見て。
「やだ! カエルさんが死んじゃう!」
今から考えたら信じられないけど、生き物の命ってそんなことで死んじゃうことも知らなかった。俺もトンボのクビに紐をつけて遊んでいて……首がとれて死んじゃったことで知った。
「……わ、私がカエルさんを?」
「生き物って、簡単に死んじゃうよ。俺はトンボを殺してしまった」
「わ、わたし……」
俺は死んでしまったカエルを握りしめて泣き出したクリスを慰めた。
それがクリスとの出会いだった。
クリスは俺に家のお隣さんだった。
至極自然に一緒に遊ぶことが多かった。
だが、男の子と女の子じゃ、普通遊びの内容が違う。
だけど。
「アル! 今日もプロレスしよ!」
クリスは見かけと全然違って、普通男の子が好きそうなプロレスごっこが大好きだった。
それで俺とクリスは毎日のようにプロレスをしていた。
クリスは女の子だから当然俺の方が強かった。
だけど負けず嫌いのクリスはとどまることを知らない果てしなき戦いを挑んでくる。
「15勝14敗な。今月も俺の勝ちな」
高らかに宣言する俺。
別に女の子だからって遠慮なんてしない。
実力でクリスは強い。
だけど、強い相手に手加減なんて失礼だ。
そしてある時の幼年学校のお昼休みに。
「ちょっと、アル、放課後も私とプロレスしなさいよ!」
「これはこれは今月も負け越した負け犬のクリスちゃんじゃないですか? ごめんね。負け犬の言うことに共感してあげたいけど、俺、忙しいんだ」
嫌味たっぷりにクリスをなじる俺。
俺はクリスのことは好きだった。
でも、まだ恋とかじゃなくて、ただ漠然とした好き。
そして、よくある話だが俺はクリスに意地悪をしていた。
好きな子に意地悪したくなる、ちょっと悪い俺。
「1日1戦だけとかズルいと思うの」
「はあ、何度やっても同じだよ」
「あら? 男らしくないわね。ふーん、ほんとは負けるのが怖いんでしょ?」
「いや~敗残者は言い訳するのが得意だからね、優しい俺は聞いてあげたいけど、家でお母さんの手伝いしなきゃいけないいだ。だからどっか行ってくんないかな?」
俺は勝利によったのと、涙目になっていくクリスを見ても更に煽った。
「アルの馬―――――鹿! 勝負してよ! お願いだから!」
俺は驚いた。気が強いクリスが俺にお願いをしてきた。
涙目じゃなくて、涙を流して。
俺はハッとした。
「お母さんの手伝いは私もするから、だから」
「わ、わかったよ。じゃ、しょうがないから放課後校舎裏でな」
こうしてクリスは俺の家の手伝いをするようになり、二人は兄妹のようにいつも一緒にいるようになった。
そして中学生になった。
俺達は未だにプロレスをやっていた。
でも、男女が段々と男の子と女の子を意識し始める頃。
俺達はいつも校舎裏でこっそりとプロレスをやっていた。
他の子に見つかると恥ずかしいから。
そんなある日。
それは起きた。
「ク、クリス、ダ、ダメだよ!」
「はあ! 何が?」
クリスは普段体操服に着替えて、クォーターパンツを履いてるんだけど、その日は制服のままだった。
そして、クリスは生足、ていうか太ももで俺にヘッドロックを決めていた。
知らなかった。
女の子の太ももがあんなに柔らかいなんて。
それは俺の性の目覚めだったと思う。
クリスもそれに気がついて、プロレスをやめた。
真っ赤な顔の俺を見て、ようやくクリスも気がついたようだ。
そしてプロレスをやめて1ヶ月が過ぎた。
俺はクリスと自分が違う世界の人間だったことに気がついた。
綺麗に成長したクリス。
クリスは村一番の美少女に成長していた。
プロレスやめてから、二人の接点は減った。
これからクリスはきっと、イケメンに告白されて、俺とは違う人生を歩むんだろうな。
そう思っていた。
だが。
チラ。
チラチラ。
チラチラチラ。
クリスは俺を教室でやたらと見てきた。
何度も何度も。
俺はクリスのことが好きだった。
今は違う。
俺はクリスに恋していた。
でも、美少女に成長したクリスに告白する勇気なんてなかった。
でも、クリスのこの反応。
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