60 / 93
60え? 猫耳族の族長がめちゃくちゃ怪しいんだけど?
しおりを挟む
俺たちは猫耳族の女の子アイラとリリーに連れられて猫耳族の里へ向かった。
「アル殿、今、猫耳族のみんなは人族にかなり敏感になっています。少々嫌な思いをさせてしまうかもしれません。しかし、それはどうかご容赦をお願いします」
「う~ん。そうだろうな。さっきもいきなり問答無用で弓矢を雨あられのように浴びせられて、精霊魔法でひき肉にされそうになったばかりだしな」
「アル君、ちょっと意地悪すぎない?」
うん。意地悪すぎるとは思うけど、リリーを虐めると耳がキュンと垂れて凄い可愛いのだ。
いや、決して俺はドSの心境で虐めている訳じゃないぞ。
だってな。
猫耳少女なんだぞ?
モフモフの尻尾まであるんだぞ。
それがシュンとなって、耳が垂れてキュンとなるんだぞ。
もう、スキル『こっそり魔法写真』発動しまくりなの。
「アル殿、私も抗議します。私はこれでも猫耳族一の戦士、そこまで言われると傷つきます」
「うん、さっき腰を抜かしてパンツ丸見えだったのが猫耳族一の戦士なのか?」
「アル殿~」
リリーは涙目で俺に訴えてくる。
もう、猫耳の女の子の涙目たまらん。
「ねえ、アル?」
「うん、何? クリス」
「何、鼻の下伸ばし切っとんじゃぁぁぁぁあ!!!」
ボクッ!?
俺はクリスに強力なアッパーカットを食らって、空高く飛んで行った。
☆☆☆
程なくして里へ着いたが、あれ以来リリーを揶揄うのは止めた。
いや、止めないと俺がクリスに袋叩きに合うから。
「な、なんで人族が?」
「きっと、あれが人攫いに違いない」
「リリスちゃん、早く隠れて」
リリーの言う通り、猫耳族の人達は俺達に警戒心MAXだ。
「アル殿、まずは族長に面会して頂きます。族長から許可が下りれば、皆の気持ちも変わると思います」
「わかった。まずは君たちの族長に挨拶するよ」
そうして一際大きな家に連れられていく。
察するに族長の家なのだろう。
きっと、髭がもさもさに生えた猫耳族の老人が出てくるに違いない。
と、勝手に思い込んでいた。
しかし、リリーに呼ばれて出てきたのは。
「私が族長のルナです。しかし……人族は歓迎できません」
「族長! この人達は違うのです! あのアルベルティーナ様からの遣いなのです」
族長は若い女の子だった。リリーと同じ位か?
そして、リリーが族長に進言するが。
「リリー、悪いのですが、そのアルベルティーナという人族の女のことは私は知りません。前族長ならご存知だったのかも知れませんが、あなたもご存知の通り、前族長は亡くなり、1年前から私が族長です。ですから、それで里を危険に晒す訳にはいきませんね」
「し、しかし、このままでは猫耳族の女の子が全て拐われてしまいます。原因を探る必要があります。だから、私はアルベルティーナ様に文を出したのです」
族長は眉をしかめたものの。
「わかりました。猫耳族一の戦士、リリーの言葉を信じましょう」
俺は驚いた。まさか本当にリリーが猫耳族一の戦士とは……
猫耳族大丈夫か?
こいつは敵前でパンツ晒すようなヤツだぞ。
むしろ守ってやりたくなるぞ。
そして、族長のルナが視線をリリーから俺の方に向けると。
なんだこれ?
俺のパッシブスキルに感があった。
これは魔法だ。
極めて微弱な魔力。
だが、この感じは以前感じたことがあるような気がする。
それはとても悪い思い出と共に思い出した。
エルヴィン?
そう、この感じ、クソ勇者エルヴィンを見ている時に感じたものだ。
俺は思わずスキル『見てるふり』を発動してルナを見ながら目を閉じた。
エルヴィンの魅了の魔法のことは師匠やクリスから聞いていた。
だから。
「わかりました、では、アル殿、一生猫耳族のために働いてくれますね?」
咄嗟に目を瞑った俺、だがここはあえて芝居をする。
「わかりました。ルナ様、一生あなたにお使えします」
「えっ!?」
クリスが驚く、当然だろう。
「クリスさん、族長は見ての通りの美人なんで大抵の男性はこうなりますけど、別に浮気とかじゃないので、許してあげてくださいね」
リリーは屈託なく言うが、違和感に気づいていない。
おそらく、ほとんどの男が言いなりになるからだろう。
それともリリーも魅了系の魔法に冒されているのか?
わからない。それにクリスは耐魅了系の魔道具を身につけているけど、アリー達は?
「ちょっと、アル?」
「(後で話すから)」
「(わかったわ。何かあるのね)」
俺はクリスと幼馴染固有のスキル『見つめ合うだけ』で会話をした。
「アル君? 仕方ないですね。ルナ族長のためなら」
「ご主人様、そうです。一生猫耳族のために働くのです」
アリーもリーゼもやはり魅了系の魔法に屈している。
いくらなんでも一生猫耳族のために働くなんて唐突すぎる。
「いや、アル殿も族長に心を奪われたようだな」
「ふふ、違います。リリー、皆さん、志し高く、私達を助けて頂けるのです」
いや、リリー。お前もおそらく、猫耳族全員……魅了系の魔法に侵されている。
多分、奴隷狩りに拐われているのも。
俺はこの問題の核心にあっさり到達したものの、問題の大きさにただ驚いていた。
「アル殿、今、猫耳族のみんなは人族にかなり敏感になっています。少々嫌な思いをさせてしまうかもしれません。しかし、それはどうかご容赦をお願いします」
「う~ん。そうだろうな。さっきもいきなり問答無用で弓矢を雨あられのように浴びせられて、精霊魔法でひき肉にされそうになったばかりだしな」
「アル君、ちょっと意地悪すぎない?」
うん。意地悪すぎるとは思うけど、リリーを虐めると耳がキュンと垂れて凄い可愛いのだ。
いや、決して俺はドSの心境で虐めている訳じゃないぞ。
だってな。
猫耳少女なんだぞ?
モフモフの尻尾まであるんだぞ。
それがシュンとなって、耳が垂れてキュンとなるんだぞ。
もう、スキル『こっそり魔法写真』発動しまくりなの。
「アル殿、私も抗議します。私はこれでも猫耳族一の戦士、そこまで言われると傷つきます」
「うん、さっき腰を抜かしてパンツ丸見えだったのが猫耳族一の戦士なのか?」
「アル殿~」
リリーは涙目で俺に訴えてくる。
もう、猫耳の女の子の涙目たまらん。
「ねえ、アル?」
「うん、何? クリス」
「何、鼻の下伸ばし切っとんじゃぁぁぁぁあ!!!」
ボクッ!?
俺はクリスに強力なアッパーカットを食らって、空高く飛んで行った。
☆☆☆
程なくして里へ着いたが、あれ以来リリーを揶揄うのは止めた。
いや、止めないと俺がクリスに袋叩きに合うから。
「な、なんで人族が?」
「きっと、あれが人攫いに違いない」
「リリスちゃん、早く隠れて」
リリーの言う通り、猫耳族の人達は俺達に警戒心MAXだ。
「アル殿、まずは族長に面会して頂きます。族長から許可が下りれば、皆の気持ちも変わると思います」
「わかった。まずは君たちの族長に挨拶するよ」
そうして一際大きな家に連れられていく。
察するに族長の家なのだろう。
きっと、髭がもさもさに生えた猫耳族の老人が出てくるに違いない。
と、勝手に思い込んでいた。
しかし、リリーに呼ばれて出てきたのは。
「私が族長のルナです。しかし……人族は歓迎できません」
「族長! この人達は違うのです! あのアルベルティーナ様からの遣いなのです」
族長は若い女の子だった。リリーと同じ位か?
そして、リリーが族長に進言するが。
「リリー、悪いのですが、そのアルベルティーナという人族の女のことは私は知りません。前族長ならご存知だったのかも知れませんが、あなたもご存知の通り、前族長は亡くなり、1年前から私が族長です。ですから、それで里を危険に晒す訳にはいきませんね」
「し、しかし、このままでは猫耳族の女の子が全て拐われてしまいます。原因を探る必要があります。だから、私はアルベルティーナ様に文を出したのです」
族長は眉をしかめたものの。
「わかりました。猫耳族一の戦士、リリーの言葉を信じましょう」
俺は驚いた。まさか本当にリリーが猫耳族一の戦士とは……
猫耳族大丈夫か?
こいつは敵前でパンツ晒すようなヤツだぞ。
むしろ守ってやりたくなるぞ。
そして、族長のルナが視線をリリーから俺の方に向けると。
なんだこれ?
俺のパッシブスキルに感があった。
これは魔法だ。
極めて微弱な魔力。
だが、この感じは以前感じたことがあるような気がする。
それはとても悪い思い出と共に思い出した。
エルヴィン?
そう、この感じ、クソ勇者エルヴィンを見ている時に感じたものだ。
俺は思わずスキル『見てるふり』を発動してルナを見ながら目を閉じた。
エルヴィンの魅了の魔法のことは師匠やクリスから聞いていた。
だから。
「わかりました、では、アル殿、一生猫耳族のために働いてくれますね?」
咄嗟に目を瞑った俺、だがここはあえて芝居をする。
「わかりました。ルナ様、一生あなたにお使えします」
「えっ!?」
クリスが驚く、当然だろう。
「クリスさん、族長は見ての通りの美人なんで大抵の男性はこうなりますけど、別に浮気とかじゃないので、許してあげてくださいね」
リリーは屈託なく言うが、違和感に気づいていない。
おそらく、ほとんどの男が言いなりになるからだろう。
それともリリーも魅了系の魔法に冒されているのか?
わからない。それにクリスは耐魅了系の魔道具を身につけているけど、アリー達は?
「ちょっと、アル?」
「(後で話すから)」
「(わかったわ。何かあるのね)」
俺はクリスと幼馴染固有のスキル『見つめ合うだけ』で会話をした。
「アル君? 仕方ないですね。ルナ族長のためなら」
「ご主人様、そうです。一生猫耳族のために働くのです」
アリーもリーゼもやはり魅了系の魔法に屈している。
いくらなんでも一生猫耳族のために働くなんて唐突すぎる。
「いや、アル殿も族長に心を奪われたようだな」
「ふふ、違います。リリー、皆さん、志し高く、私達を助けて頂けるのです」
いや、リリー。お前もおそらく、猫耳族全員……魅了系の魔法に侵されている。
多分、奴隷狩りに拐われているのも。
俺はこの問題の核心にあっさり到達したものの、問題の大きさにただ驚いていた。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる