経験値10000倍~ハズレスキル放置プレイヤーが覚醒したらレベル上限なし! 最強で最速のレベルアップ~

島風

文字の大きさ
63 / 93

63族長マジか?

しおりを挟む
「何をしている!」 

「げっ! そんな馬鹿な! なんで人がいるんだ!」 

俺は猫耳族の女の子を担いで逃げようとする人攫いに声を荒げた。 

しかし、人攫いは明らかに動揺している。 

里の中で人に出会うことがある筈がないというおかしな発言だ。 

無論、族長の魅了の魔法に皆が影響されていると考えれば至極当然だ。 

しかし、動揺している人攫いに中に動揺していない人物が一人。 

「どうもなにかしくじったようだが、安心しろ。その時のために俺がいる」 

「用心棒ということか? だが、お前、自分のやっていること、わかっているのか?」 

そう。 

人攫いの用心棒は人攫いと同罪だ。 

捕まれば当然、人攫いとして死罪になる。 

「まあ、見合う報酬を提示されるとな、それに俺に勝てるヤツに会ったことがなくてな」 

「なるほど、相当な自惚れ屋という訳か」 

とは言ったものの、実際、こいつは強い。 

立ち姿だけで、無駄のない動きが見て取れる。 

こいつ、相当な使い手だ。 

「それにしても……わざわざ上玉な猫耳族だけじゃなく、なかなか美しい娘も連れてきてくれるとはな。高く売れそうだ。なあ、大人しくその娘達を俺に渡さないか?」 

「うふふ。美しいだなんて。アル君、この人お世辞上手いね」 

アリー、事態が理解出来てないんかい! 

「みんなを連れて行かせる訳にはいかないな。酷い目にあうとしか思えん」 

「そうでもないぞ。薬漬けにして快楽の絶頂を得られるそうだ」 

薬漬け? おそらく麻薬だ。人攫いだけでも死罪級の大罪。 

ましてや麻薬絡み。これはちょっとした人攫いじゃない。 

背後に大きな組織があるな。 

「悪いが、俺の仲間も猫耳族の女の子も……誰一人お前達には渡さん」 

「はははぁ! 君は馬鹿だなぁ。君が俺に勝てる訳ないだろう!」 

ああ、ムカつく。 

なぜならこいつイケメンなの。 

「さあ、子猫ちゃん、今俺のものにしてあげるからね」 

「旦那、止めて下せえ。何回伯爵様に怒られたんですかい。そんな下品な趣……ゲフ」 

突然、男は仲間の男を斬り捨てる。 

「まったく、おしゃべりなブサイクには困ったものだね。だが安心して。俺の子猫ちゃん。今日は最高の夜だ。君を連れ帰ったら、上等な食事、最高級のワイン、そしてこれに上等なセックスがあれば最高じゃないか?」 

……こいつ、俺の顔見て言ってるんだけど? 

まさか? 

「お前、誰と夜を共にしたいんだ? なんか、俺の顔ガン見してんだけど?」 

「もちろん君だよ。俺が女なんて相手にする訳がないじゃないか!」 

うげっ! 

一番ヤバいヤツ来たー!! 

「君が俺好み過ぎるからいけないんだ。どこか地下室に監禁して俺なしでは生きられないようにしてあげるからね、俺の子猫ちゃん。今夜君は俺のモノ__へぐっーーー!!」 

彼は最後まで言えなかった。 

俺がヤツの顔を殴った。 

身体強化は使わなかった。 

そんな余裕はなかった。 

怖いでち。 

すると、男の整った顔の鼻は曲がり、歯がへし折れていくつか四散する。 

そして、キザで澄ました顔から一変。 

「このクソガキがぁ! 下手にでていればいい気になりやがって!!」 

「は!? どこに下手に出てた要素ある?」 

無いよね? 

それに何より、さっきまでのキザで落ち着きのある表情からたちまち鬼のような本性丸出しの醜悪な表情を見せる。 

マジで怖いでち。 

いきなり殴りたくなるのわかるでしょ? 

「せっかく俺のモノにしてやろうと思ったのに、仕方がねえ! ぶち殺してやる!!」 

男は剣を抜き放ち俺に向かって斬りつけてきた。 

「へぐしっ!!」 

おかしな奇声を発する男、俺が殴り飛ばしたからだ。 

なんかキザな割には弱いのね。 

どうもワンパンでのびたようだ。 

そして。 

「ヤベ!! みんな逃げろぉ!!」 

「そうはいかないわよ!!」 

クリスがその聖剣デュランダルを抜き放つと、男たちに襲いかかる。 

「ああ!! 合法的に男達をなぶりものにできる! ヒャッハー!!」 

クリス、頼む。お前、一応ヒロインな。 

こうしてキザな男と人攫いはボコボコにして捕縛した。 

そして、流石にこれだけの騒ぎを起こしたせいか、猫耳族の人達、そして族長がやってきた。 

「何事ですか? 客人とはいえ、こんな深夜に」 

「族長! 人攫いを捕縛しました!」 

リリーが族長に向かって、尻尾を振りながら言う。 

余程嬉しいのだろう。 

なんか、ご主人様に褒めてもらいたいワンちゃんみたい。 

こいつ、猫耳族だよな? 

戦士のくせに敵前でパンツ晒すとか、可愛い要素しかない。 

その上、猫科のくせに犬みたいに懐っこい。 

いや、今はそんなリリーをペットとして飼いたいとか妄想してる場合じゃなくて。 

「そうか。良くやってくれました。これで我らの心配の種が消えますね」 

「はい、ほとんどアル殿のおかげです。一人手練れがいましたが、一瞬で♡ もう濡れそうです!」 

女の子がそんな発言しちゃダメだよね? 

「さあ、お前ら、背後関係を吐いてもらおうか? バックに組織か何かいるだろう? お前らだけで計画したとは思えん!} 

リリーが凄むけど、全然怖くない。 

「は、話すから、頼むから見逃してくれ! 俺達ただの下っ端だし」 

意外だが、族は怖かったらしい。 

まあ、パンツ丸出しのこいつの姿見たら、一瞬で変わると思うけど。 

「俺達を雇ったのはヨナス-ハウゼン伯爵様だ」 

誰だよそれ? 

「アル君、この里に隣接する隣りの領を治める貴族よ」 

「ありがとう、アリー」 

王族がいると助かるな。 

「そ、それと俺達はーーーーーーー」 

「それがわかったなら、あなた達に用はないわね」 

何か重要そうなことを言いそうなことを言うか言わないうちに。 

族長がその男の首を突然刎ねた。 

「え?」 

「な!」 

ひえっ!? 

びびった。 

族長って、かなり綺麗な若い女の子だ。 

それが突然、無造作に男の首を刎ねた。 

「黒幕がわかった以上、あなた達に存在価値はないわ。人攫いは死罪。人族との掟により、猫耳族の法であなた達を処分します」 

「ひゃ!」 

「ピャ!」 

アリーとリーゼが嬌声のような叫び声をあげる。 

次々と男達の首を刎ねる族長の顔には笑みが浮かんでいた。 

「さあ、あとは黒幕をどうにかすればいいわね」 

歪んだ笑みを浮かべた族長は宣言するが。 

どう考えても、口封じだ。 

この人攫いの真の黒幕。 

それは族長以外に考えられないのだから。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

処理中です...