幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風

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第54話 魔王?

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俺達は辺境から魔王城を目指した。

途中何人もの魔族が立ちはだかったが、全て撃退した。

そして、魔王城へ辿りついた。

魔王城は人、いや、魔族はいなかった。おそらくもう俺達を阻む魔族はいないのだろう。

魔物はいたが、魔族と魔物ではでは力のレベルが違う。

今の俺達にとって、魔物は既に敵ではなくなっていた。

魔族や古龍エンシャントドラゴン、それだけが、俺達の敵となり得る。

俺は既にレベル90に達した。イェスタもだ。

エリスとアルベルティーナもレベル85になった。

そして、魔王が座すと思われる部屋の扉を開けた。

そこには、漆黒の魔族がいた。

そして、

「良く来たな、勇者よ。名を聞こう」

「俺は勇者では無い」

「お前は魔法使いだろう? 私はそこの剣士に聞いている」

「私は従者イェスタ、虚数魔法使い様の従者です」

「なんと、では、勇者は堕ちたか?」

魔王は虚数魔法使いの事を知っているのか?

「魔王よ、虚数魔法使いを知っているのか?」

「知っておる。勇者堕ちる時、虚数魔法使いが目覚める、と、魔族に語り継がれておる」

勇者が堕ちる時、虚数魔法使いが目覚める?

俺は勇者のスペアか?

「全く、お前達人間は我らにとって災厄じゃ、我らが力をつけると、勇者が現れる。我らが何をした? 我らは主らを食らったりはせぬぞ」

「あなた達は存在自体が人類の敵なのです。あなた達がこの世界で力を得ると、私達人間の世界のネイピアの均衡が崩れます。だから我らはあなたを倒さなければならない」

さすが、アルベルティーナ、俺達が何故、魔王を倒す必要があるか知っている。

さすが、正義厨。

「やはり、知っておるか。では、戦うのみだな」

「はい、女神様より託された戦いです。覚悟を」

エリスは何故そんな事を知ってるのだろうか?

「魔王よ、さっきの問いに答えてなかったな、俺の名前はレオンだ、お前のおかげで、俺の幼馴染と妹が死んだ。お前には死んでもらう、悪く思うな」

俺達は一斉に動いた。

イェスタが『エクスカリバー』を、エリスが国王より下賜された『ミュルグレス』を、アルベルティーナが国王より下賜された『アヴァロンの杖』をかざす。

俺はアリシアが使っていた『一期一振いちごひとふり』を鞘から抜いた。王はこの刀の所有を許してくれた。

戦いは5時間にも及んだ。魔王は少しづつ、力を削がれた。

そして、

「我が敵を滅ぼせ『ダムド』」

俺の無属性近距離魔法が魔王の腹の中央にある核を捉えた。

魔王の黒い核が壊れると、突然、魔王の体にヒビが入った。

そして、魔王の体は細かい粒子となり、キラキラと輝き、消えていった。

「終わったのか?」

「勝ったのね」

「レオン様勝ったんですか?」

「レオン殿、流石です」

俺達は勝利した。魔王を封印するのでは無く、滅した。

何故虚数魔法使いは魔王に勝利できるか?

俺は判った。魔王にはほとんどの属性の魔法が効かない。

アルベルティーナの攻撃魔法はほとんど効果がなかった。

魔法使いは、援護のみ、そして、エクスカリバーも、ミュルグレスも、『一期一振いちごひとふり』も、魔王の核を破壊出来なかった。

唯一、効果があったのは俺の無属性魔法だった

第5の魔法だけが、魔王の核を破壊できる手段だったのだ。

だが、アルべルティーナが唐突に言い出した。

「......これは魔王じゃないぞ」
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