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47俺は空気が読める2

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俺はルナを伴ってさらにダンジョンの奥に進んだ。 

流石にあの状況で嘘を言うとも思えないし、100人以上の捉えた猫耳族の人々を隠す場所はダンジョン以外にあるとは思えない。 

それに俺の探知のスキルに感がある。 

だが。 

「!?」 

「どうしたんですか? ノア様?」 

「どうやら、醜悪なヤツがまだ1人いるらしい」 

どうやらこの先のドアを開けると広いスペースがあり、そこに大勢の猫耳族の人達が捉えられているぽい。 

だが、一名強い魔力を伴う者がいて…… 

そいつはおそらく女性を暴行している。 

「行くぞ、ルナ!」 

「はい。お願いします」 

ドアをバタンと一気に開け放つ。 

そこで俺の目に入ったモノは醜悪の極地とも言うべきモノだった。 

「ル、ルイ兄貴?」 

「は? 何ざます? 嘘ザマス? なんでノアがこんなところいるザマスか? なんかの間違いで死に損ねたザマスか?」 

リリーを穢したルイ兄貴、いや、もう兄とは思わん。 

他人だ。 

兄と呼んでしまった事に嫌悪感を覚える。 

更に。 

「何をやってるんだ? ルイ?」 

「何って? 決まっているザマス? 女を犯してるに決まっているザマス?」 

ルイは若い猫耳族の女性を犯していた。 

「ひっく、く、止めてください。お、お願いだから」 

乱れた衣服から綺麗な脚が突き出ている。 

歳の頃は俺と同じ16,7歳。 

おそらく男なんて知っている歳じゃない。 

それを…… 

里の皆がいるところでルイは乱暴していた。 

「……畜生」 

「……俺に力があったら」 

里の人達はルイ達から顔を背けて口々に無念を口にしていた。 

それにルイの他に知っている人物がもう1人。 

「あ、あはは!? あーおかしい!」 

突然大笑いしたのはルイの隣にいたルイの専属メイドのエミリーだった。  

「傑作だよ。今年一番のネタね。何? あんた正義の味方気取り? 馬鹿じゃないの? ルイ様の前に勝ち目でもあるとでも思ってるの? 笑えるんだけど?」 

「おいおい、エミリーそんなにハッキリと言っちゃだめザマス。そういうことはオブラートに包んで言うものザマス」  

ルイの専属メイドのエミリーはルイに犯される女性を観察していた。 

同じ女性として何とも思わないのか? 

止めないのか? 

だが、彼女から帰ってくるのはひたすら俺への嘲りだった。 

「そうですわね、ルイ様。私、反省しました。やっぱりルイ様は流石です。それに比べてノアの無能と来たら。すみません。やっぱり笑いを抑えきれない、ぷ、ぷぷ」  

俺は唇だけでなく、掌もギュと握りしめていた。 

揃いも揃って下衆。 

「さあ、続きは後でたっぷりするザマス」 

カチャカチャとルイがズボンのベルトを締める音が不快だ。 

「ルイ。お前ら奴隷狩をしてたのか? それに何をしていた?」 

「まあ、これから死ぬ無能のノアに特別に教えてやるザマス。5年位前から我が家は奴隷狩で儲けていたザマス。いい稼ぎざますからね。後、役得として1人女を犯していたザマス。でも、安心するザマス。慈悲深い我輩はこんな皆の前で屈辱を受けた女性に死を与えやるザマス。リリーを殴り殺した時に目覚めて、女を嬲り殺すのって……たまらないザマス」 

ああ、こいつへの復讐は諦めていたが、向こうから来た分にはリリーとの約束を破った事にはならないだろ? 

それに……。 

犯した罪が大きすぎる。 

どうせ貴族のこいつは生きて捕まっても大した罪にならない。 

ならば俺がこの手で裁く。 

俺は剣を抜き放った。 

「ギャハハ!! 剣? 剣ですか? 笑いが止まらないザマス! そんなモノで一体何をするザマスか!」 

俺の目の前の宙に文字が浮かぶ。 

ルイは外道でも煉獄魔導士の能力を授かった強力な魔法使いだ。 

その魔力は国内でもトップクラスだ。 

慎重に戦わんとな。 

負ける気はしないが。 

「我が剣は無限なり、我が剣は輝く閃光、我が剣に勝るものなし!」 

俺が武術言語を唱え終わると。 

「キャハハッ! こいつ何言っているザマスか! ジョークでも笑えないザマス!」 

「ノアって無能の上馬鹿なの? ルイ様に歯向かうなんて、ごめん、それより笑える!」 

ルイとエミリーに嘲笑を受けるが、俺は既に動いていた。 

時間にして0.001秒、俺は既に元の位置に戻り、剣を鞘に収めていた。 

チン。 

剣が鞘に収まる音が聞こえる。 

「さあ、今、我輩の爆炎魔法で黒焦げ死体に変えてやるザマス」 

「一体どうやってだ?」 

俺は意地悪くそう言った。 

「何を言って、今この両腕から爆炎を撒き散らして、え?」 

ゴトン、ゴトン。 

今、俺が切り飛ばしたルイの両腕が地面に落ちた。 

俺の剣術レベル200だと、切れ味が良すぎて切られた本人もすぐには気がつかない。 

「さあ、一体どうやって俺に爆炎を撒き散らす気だ?」 

「キ、キィェェェェェェェェェェェェエ!!!!!!」 
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