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一章
予想以上の消費だったよう
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『旨そう』と言うことは食べたいという意味だろう。つまり、私の敵。黒靄だった蛇に光魔法が効いたし、黒い靄を纏ってるしこれにも効くかな。
『ハッハッハッ、面白い、面白いな人間! 呪いが集まっているからなんだと思ってきてみたが、旨そうだし、面白い!!』
心底面白いとばかりに龍は笑う。こっちとしては笑い事じゃないんだけど、食うか食われるかってところでしょ。気が抜けるわけがない。
『安心しろ。食うわけじゃない。いや、まぁ、魔力を食うっていう意味であれば食うで正解か』
魔力を食べるってどういうことだろう。けど、どちらにしろ魔力枯渇は死へのカウントダウンとも言われてるし。
うんうんと考えていると龍は興味深そうに目を細める。
『人間、お前の名はなんだ』
「……答えたくないって言ったら?」
『クク、どうしてやろうか。そうだな、お前が折角払った呪いをそこの人間にまたつけてやろうか』
「……アデリタ。アデリタ・メディシナ」
人の労力をお釈迦にされるくらいなら、名乗った方がマシかな。名前を基に何かされたら、困るけど。
『アデリタ、アデリタな。その名、覚えたぞ』
「教えたんだし、どっか行って!」
『そんな約束はしてないな。そも、俺様はお前が旨そうだと言った』
忘れたわけではあるまいと龍は言う。そして、私を逃さないように尻尾が私の周りを囲った。これもあの蛇同様に実体がないものだとは思うけれど、多分、そもそもの次元が違う。
『その目、悪くはない。だが、アレらと俺様が違うものだとわかっているだろう?』
「だから、何」
『わかっていて尚もそれか』
クツクツと龍は愉快そうに笑う。私は全く面白くないんだけど。
『気に入ったぞ、アデリタ』
「私は気に入られたくないんだけど。ろくなことじゃないでしょ」
『俺様のことを知る人間ならば、平伏して喜ぶことなのだがな』
「自意識過剰じゃない?」
『ハッハッハッ、本当にいい度胸をしている』
ニヤリと笑う龍。もしかしたら、凄い龍なのかもしれないけど、私の努力をお釈迦にしようとするやつだし、警戒は緩めたくない。
『そうさな、魔力を定期的に寄越すのならば、アレに近づく呪いを排除してやろう』
アレ、つまりは少年のことだけど。マジか、まだ近づいてくるのか。健やかに暮らせるようにするのなら、それが一番だろうけど、そこまで私がする必要はない気もする。
「……口先だけだと困る」
私から出た言葉はそれだった。この後のことは知らないと捨て置くこともできたけど、ぶっちゃけ好みの顔なんだよね。私のかつての推しギウ君に似てて、見捨てることが出来ない! 喜べ少年、君はその顔に救われたぞ。
『――は約束を破ることはないのだが、人間であれば当然か。いいだろう、縛られてやろうではないか』
「?」
縛られるって縄でってこと? 首輪つけんの?
『俺様には名がない。故にアデリタにその権利をやろう』
「え、別にそんなのはいらないんだけど」
『俺様に名を与えると言うのは一種の契約だ。それがあれば、貴様の言う口先だけにはなるまい』
名で縛るってことか。それはそれでちょっとめんどくさい臭いがするだけど。悪い提案ではなかろうと言う龍。確かに、名で縛ることができれば、約束を破られることはないだろうね。でもなぁ、定期的に魔力あげなきゃいけないんでしょ。それがどのくらいの量になるか。
『アデリタ』
「じゃあ、ポチ」
『頭から食い千切られたいのか、貴様』
「冗談だよ」
急かすように名前を呼ばれたため、適当に頭に浮かんだ名前を言ったけど、怒られたよ。ま、当然だよね。さて、どうしたものかな。
「ねぇ、確認なんだけど、契約したら、どうなんの? 彼の呪いの除去は勿論だけど」
『そうだな、俺様だからな、気が向いたら協力してやらんこともない』
「いや、そうじゃなくて、私のメリットとデメリットのことを聞いてるんだけど」
『む、貴様のメリットとデメリットか。うむ、先に言った通り、俺様を行使することができるのがメリットであろうな。呪いの除去もここに含めておけ。デメリットというのは定期的な魔力供給といったところか。あぁ、そうだ、どちらが傷ついても、それぞれに影響はない。これはメリットか。こちらからすれば、お前の居場所はすぐにわかる、これはデメリットか??』
ま、どちらでも構わぬのだがなと龍は答える。一応、メリットとデメリットは聞いておかないといけない気はしたけど、それほど大きなものではないみたいだな。ただ、魔力供給の量はやっぱり気になるところだけど、死ぬほど奪われることはないでしょう。だって、そうなると旨味がないだろうし。定期的なって毎度言ってるし。
『どうだ、なかなか良かろう。破格であるぞ』
胸を張る龍。むしろ、押さえつけてとか無理矢理契約取ることもできるだろうに。口は荘厳というか偉そうだけど、気がいいんだろうな。
『なんぞ』
「いや、なんでもない」
『そうか。で、浮かんだか、思いついたか』
「急かすなし」
どうだどうだという龍。なんか、ずっと見てたら愛着出てきたんだけど、どうしよう。チョロいな、自分。
早くせねば、呪いつけてしまうぞという脅しをし始めた龍に私は溜息を吐く。どんだけ早く名前が欲しいいんだ、いや、名前じゃなくて魔力が欲しいのか。
「あー、じゃあ、コウガ、とか」
『コウガ、か。ふむ、中々だな。良かろう』
龍が、コウガが頷いた瞬間、コウガから光の球が私に飛んできて、それは私の中に吸い込まれた。え、何、怖いんだけど。
ギョッとする私にそれ、契約がなされた証ぞとケロリと言ってくれるコウガ。最初に言ってて欲しかったね、それ。
『やはり、俺様の見立ては間違いなかった。美味である』
ごそっと抜かれた気がした瞬間にそんな言葉。せめて、一言言ってから抜いて欲しかったなぁ、もう!
『あ、ちなみに言い忘れておったが、あの人間、アデリタの聖水によって生半可な呪いならば払えるようになっておるからな』
キラキラと目を輝かせていうコウガに、私はどういうことだと頭の中で言葉を反芻する。え、私が被せた聖水で呪いかかりにくなってるの? あの子。
「呪いつけるって」
『正直言おう、呪いとは人間が行うものであって俺様はかけられん! 他所のを持ってくるくらいだな。ま、あの人間につけれられるくらい強力な呪いを探すのはいささか面倒だからせぬが』
つまり、あれは出まかせということか。なんてこった。
「この、馬鹿コウガ!!」
私は思いっきりコウガに光魔法を投げると目の前が真っ暗になった。魔力、すっからかんになってしまったようです。
『ハッハッハッ、面白い、面白いな人間! 呪いが集まっているからなんだと思ってきてみたが、旨そうだし、面白い!!』
心底面白いとばかりに龍は笑う。こっちとしては笑い事じゃないんだけど、食うか食われるかってところでしょ。気が抜けるわけがない。
『安心しろ。食うわけじゃない。いや、まぁ、魔力を食うっていう意味であれば食うで正解か』
魔力を食べるってどういうことだろう。けど、どちらにしろ魔力枯渇は死へのカウントダウンとも言われてるし。
うんうんと考えていると龍は興味深そうに目を細める。
『人間、お前の名はなんだ』
「……答えたくないって言ったら?」
『クク、どうしてやろうか。そうだな、お前が折角払った呪いをそこの人間にまたつけてやろうか』
「……アデリタ。アデリタ・メディシナ」
人の労力をお釈迦にされるくらいなら、名乗った方がマシかな。名前を基に何かされたら、困るけど。
『アデリタ、アデリタな。その名、覚えたぞ』
「教えたんだし、どっか行って!」
『そんな約束はしてないな。そも、俺様はお前が旨そうだと言った』
忘れたわけではあるまいと龍は言う。そして、私を逃さないように尻尾が私の周りを囲った。これもあの蛇同様に実体がないものだとは思うけれど、多分、そもそもの次元が違う。
『その目、悪くはない。だが、アレらと俺様が違うものだとわかっているだろう?』
「だから、何」
『わかっていて尚もそれか』
クツクツと龍は愉快そうに笑う。私は全く面白くないんだけど。
『気に入ったぞ、アデリタ』
「私は気に入られたくないんだけど。ろくなことじゃないでしょ」
『俺様のことを知る人間ならば、平伏して喜ぶことなのだがな』
「自意識過剰じゃない?」
『ハッハッハッ、本当にいい度胸をしている』
ニヤリと笑う龍。もしかしたら、凄い龍なのかもしれないけど、私の努力をお釈迦にしようとするやつだし、警戒は緩めたくない。
『そうさな、魔力を定期的に寄越すのならば、アレに近づく呪いを排除してやろう』
アレ、つまりは少年のことだけど。マジか、まだ近づいてくるのか。健やかに暮らせるようにするのなら、それが一番だろうけど、そこまで私がする必要はない気もする。
「……口先だけだと困る」
私から出た言葉はそれだった。この後のことは知らないと捨て置くこともできたけど、ぶっちゃけ好みの顔なんだよね。私のかつての推しギウ君に似てて、見捨てることが出来ない! 喜べ少年、君はその顔に救われたぞ。
『――は約束を破ることはないのだが、人間であれば当然か。いいだろう、縛られてやろうではないか』
「?」
縛られるって縄でってこと? 首輪つけんの?
『俺様には名がない。故にアデリタにその権利をやろう』
「え、別にそんなのはいらないんだけど」
『俺様に名を与えると言うのは一種の契約だ。それがあれば、貴様の言う口先だけにはなるまい』
名で縛るってことか。それはそれでちょっとめんどくさい臭いがするだけど。悪い提案ではなかろうと言う龍。確かに、名で縛ることができれば、約束を破られることはないだろうね。でもなぁ、定期的に魔力あげなきゃいけないんでしょ。それがどのくらいの量になるか。
『アデリタ』
「じゃあ、ポチ」
『頭から食い千切られたいのか、貴様』
「冗談だよ」
急かすように名前を呼ばれたため、適当に頭に浮かんだ名前を言ったけど、怒られたよ。ま、当然だよね。さて、どうしたものかな。
「ねぇ、確認なんだけど、契約したら、どうなんの? 彼の呪いの除去は勿論だけど」
『そうだな、俺様だからな、気が向いたら協力してやらんこともない』
「いや、そうじゃなくて、私のメリットとデメリットのことを聞いてるんだけど」
『む、貴様のメリットとデメリットか。うむ、先に言った通り、俺様を行使することができるのがメリットであろうな。呪いの除去もここに含めておけ。デメリットというのは定期的な魔力供給といったところか。あぁ、そうだ、どちらが傷ついても、それぞれに影響はない。これはメリットか。こちらからすれば、お前の居場所はすぐにわかる、これはデメリットか??』
ま、どちらでも構わぬのだがなと龍は答える。一応、メリットとデメリットは聞いておかないといけない気はしたけど、それほど大きなものではないみたいだな。ただ、魔力供給の量はやっぱり気になるところだけど、死ぬほど奪われることはないでしょう。だって、そうなると旨味がないだろうし。定期的なって毎度言ってるし。
『どうだ、なかなか良かろう。破格であるぞ』
胸を張る龍。むしろ、押さえつけてとか無理矢理契約取ることもできるだろうに。口は荘厳というか偉そうだけど、気がいいんだろうな。
『なんぞ』
「いや、なんでもない」
『そうか。で、浮かんだか、思いついたか』
「急かすなし」
どうだどうだという龍。なんか、ずっと見てたら愛着出てきたんだけど、どうしよう。チョロいな、自分。
早くせねば、呪いつけてしまうぞという脅しをし始めた龍に私は溜息を吐く。どんだけ早く名前が欲しいいんだ、いや、名前じゃなくて魔力が欲しいのか。
「あー、じゃあ、コウガ、とか」
『コウガ、か。ふむ、中々だな。良かろう』
龍が、コウガが頷いた瞬間、コウガから光の球が私に飛んできて、それは私の中に吸い込まれた。え、何、怖いんだけど。
ギョッとする私にそれ、契約がなされた証ぞとケロリと言ってくれるコウガ。最初に言ってて欲しかったね、それ。
『やはり、俺様の見立ては間違いなかった。美味である』
ごそっと抜かれた気がした瞬間にそんな言葉。せめて、一言言ってから抜いて欲しかったなぁ、もう!
『あ、ちなみに言い忘れておったが、あの人間、アデリタの聖水によって生半可な呪いならば払えるようになっておるからな』
キラキラと目を輝かせていうコウガに、私はどういうことだと頭の中で言葉を反芻する。え、私が被せた聖水で呪いかかりにくなってるの? あの子。
「呪いつけるって」
『正直言おう、呪いとは人間が行うものであって俺様はかけられん! 他所のを持ってくるくらいだな。ま、あの人間につけれられるくらい強力な呪いを探すのはいささか面倒だからせぬが』
つまり、あれは出まかせということか。なんてこった。
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