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卯月が持ってきてくれた紅砂の着物に渋々ながら四鵬は着替え、水浸しの廊下を拭いた後、紅砂が物置にしてしまった自分の部屋へと向かっていた。
卯月には直に夕食になるから、大広間に戻るよう言われている。だが、四鵬はそのまま大広間へと向かわなかった。卯月とは少し距離を取りたかったのだ。
四鵬はどうしても6年前よりずっと綺麗になった卯月をじっと見つめてしまう。瞳は美しくなった卯月の至るところを記憶しようと彼女の体を満遍なく追う。
「何?どうしたの?」
と卯月に問いかけられ、はっと気づく。
卯月が変に思うほど、凝視してたのだろう、慌てて、何でもない、と答え、部屋を見てくる、と言って彼女から離れた。
不意に、白閻《びゃくえん》との一方的な約束を思い出す。
『――3日間だけ猶予をあげる、3日間のうちに、あの娘をものにしちゃいなさいよ』
その言葉を思い出すと、もうまともに卯月の顔を見ていられない。
(無理だ……、どう考えても3日で一体、何をどうすればいいんだ)
そもそも四鵬は、白閻《びゃくえん》が言っていたような関係を卯月に望んでいるわけではない。しかし、白閻にそう言われてから、つい意識してしまう。
白閻――。
幽霊のように浮遊する、四鵬の運命を変えたモノ。
あいつがいつの時代から存在しているのかは分からない。自分で天地創造の時より生きているというが、幽霊と同じく、誰もが見れるわけではない白閻の姿を、生きていると言えるのだろうか?
白閻の姿を認識し、触れる事が出来るのは、一部の人間のみ。ある条件を満たさなければ、その存在を感知できる人間はいないはずだ。
そういえば、あの探偵……、あいつは白閻の姿が見えた。
(何故、見える?)
四鵬は自分に問いかけ青ざめた。
白閻が見える条件――、それは……。
「よっ!着物も中々似合うじゃん」
ポン!と肩を叩かれ振り向いた。目の前に件の探偵がいる。
「うわぁぁぁー!なんだ、お前!」
飛び上がるような四鵬の反応に、瀬菜は逆に驚いた。さっきは風呂の中で青ざめていたが、今度は赤い。よく分からないが、忙しい男だ。
瀬菜は目を細めて、
「あんたこそ何よ!人の顔みてそんなに驚いて……全く失礼な男ね!」
「べ…別に……、考え事してたから驚いただけだよ。それより、もうすぐ夕食にするから大広間に行けってさ」
「そう簡単に言ってくれますけどね~、この家広くて、どこがどの部屋なのか分からないんですけど、案内してくれない?」
瀬菜はそう言って、肩を竦めた。
「いいけど、寄り道していくぞ」
四鵬は仕方なしに、瀬菜も連れて部屋に向かうことにした。
「家の中で寄り道とは、普通言わないわよね~、どれだけ広いのよ」
「別にそうでもないさ、大広間を除いて、後は普通の部屋と変わらない。部屋数も今は使える部屋がほとんど無いらしい…」
そう言いつつ四鵬は、ある部屋の前で止まった。
「ここは?」
瀬菜が訊く。
「俺の部屋」
四鵬は扉を開けた。むっと、妙な香が立ち込めた。
瀬菜は部屋から吹き付ける空気にくしゃみが出る。ハックション!ハ…ハ…ハックション!連続で出た。
「何よこれ?花粉じゃない?なんの花粉?」
「さぁ~、なんだかさっぱりわからねぇ」
二人は10畳ほどの部屋を呆然と見つめていた。
部屋なのに、そこは森のようだった。床は一切見えず、見たこともない極彩色の菌類が多く根を張らしている。壁はなんだか分からない蔓で覆われていた。足元には……、イモムシ……?
「あの野郎ゥ~、人の部屋を勝手にこんな風にしやがってぇ、何を考えているんだ!」
四鵬が憤っていると背後から、のんびりと落ち着き払った男の声がした。
「悪かったね、方位的にもこの部屋が一番都合がよくてさ。そもそも、君がここに帰ってくるとは思わなかったから」
悪ぶれた様子も無く、紅砂が話しかけた。
「お前なあ、だったら、一言何か言って来いよ!」
「でも、四鵬の連絡先なんて、ずっと分からなかったしね。こっちはお前がテレビに出だしてやっと安否も確認できたくらいさ。驚いたよ、最初、観た時は……だけど、元気そうで嬉しかったよ」
この上ない笑顔を四鵬に向け、紅砂は答えた。どうやら心からそう思っているらしい。気に食わない奴に好意的な態度を取られても、何だが妙な具合だ。くすぐったくて、いけねぇ……。四鵬は話題を戻した。
「それにしてもよく人の部屋を無断でこんな風にしてくれたな~。どうしてくれるんだ?」
紅砂は上目遣いで四鵬の顔を覗き込んだ。
「この家に住む気かい?だったら、お前のために増築でも何でもするけど、どうせすぐ東京に戻るだろ?」
「確かに帰ってくることはほとんど無いだろうけど、部屋が無きゃ帰って来にくいだろうが!それとも何か?俺に帰ってくるな!って言ってるのか?!」
紅砂は肩をすくめて、
「まさか!お前の家だよ。分かった、増築しておくよ。いつでも帰っておいで」
と、言った。
「ふん!」
四鵬はもっと何か言ってやりたかったが、部屋の多くの植物や虫達の存在が気になった。
「ところで、これはどういうことだ?」
四鵬は自身の部屋を指差し紅砂を攻め立てた。
紅砂は耳の後ろをのんびりと掻きながら、
「羅遠流に薬術法があるのは知ってるよね?」
紅砂が喋り出すと、扉口から糸を垂らし、極彩色の大きな蜘蛛が降りてきた。紅砂は大蜘蛛を手に乗せると両手で弄んだ。蜘蛛のおぞましさと紅砂の美貌とが相まって、至極妖艶な雰囲気だ。
四鵬も蜘蛛の様子を見ながら答えた。
「ああ。しかし、親父から200年前に絶えたと聞いたぞ」
「まあね、でも、覚えてる奴がいるんだよ」
「え?」
「教えてあげようか?羅遠流薬術法」
「……」
「お前は誰よりも知っていたほうがいいと思うよ」
右手を前にかざし、蜘蛛の足の合間から紅砂の色素の薄い瞳が上目遣いで見つめていた。
紅砂のこの何でも知った風な態度が四鵬は何より気に入らなかった。
「なんでそんな事が言える。そもそも、羅遠の薬術法は当主のみに受け継がれる一子相伝の術法だろ?俺に資格はねぇ」
「それは、表向きの話だよ。初めから一子相伝という訳ではない」
四鵬は悩んだ。興味は相当ある。しかし、紅砂に教えてもらうという事が何より嫌だった。
「考えさせてくれ」
とりあえず、時間を伸ばすことにした。
「いつでもおいで……。部屋をこんな風にしたお詫びも兼ねて、丁寧に教えてあげるよ」
紅砂は持っていた蜘蛛を部屋にそっと戻すと、それじゃあ後ほど、と瀬菜に一礼して去っていった。
紅砂の姿が見えなくなると、脇に居た瀬菜が、ふう~、と息を吐いた。そういえば、あの瀬菜が紅砂に、『芸術的な美の追求』という名のセクハラ行為をしなかった。四鵬は不思議に思い、
「おい、お前!何で紅砂には飛びつかない?」
と、訊いた。瀬菜は神妙な顔をしている。
「うーん、私も不思議に思ってるのよね~。本来なら紅砂さんのルックスは絶対本能に逆らえず飛びついてもおかしくない美貌なのよね~。……でも、出来ないの」
「何で?」
「……あの人……ちょっと、怖いかも?」
「……」
「お前に怖いと感じる気持ちがあったんだ。どこが、どんな風に?」
四鵬が訊ねると瀬菜は右手を顎にかけ、暫く唸るように考え込んでいたが、ちらりと四鵬に視線を投げた。
「触らぬ神に祟りなし……って感じかしら。私が触れてはいけないような気がする」
四鵬もそれを聞いて黙ってしまった。否定が出来なかったのだ。
6年前、ふらりとやってきた異母兄は、確かに尋常とは違う何かが感じられた。かといって、どこがどうという説明はできない。紅砂の事を知らない者に、紅砂はどういう人物か説明しろと言われたら、紅砂は至って普通の人間にしか思えない。
――だが、何かが明らかに違うのだ。
紅砂から立ち昇る雰囲気。それは……人間でありながら、どこか人間離れしているようだ。紅砂を知るということは、前人未到の自然の中に足を踏み入れるのと同じような気がする。何が潜んでいるのか分からない恐怖――。
四鵬は、変わり果てた自分の部屋を見た。
鬱蒼と生い茂るなんだか分からない植物と昆虫達。とても、この部屋に入る気にはなれない……。紅砂を知るということは、この部屋に踏み込むのと同じような気がした。
紅砂の持つ隠然たる力を感じずにはいられない。四鵬は身震いした。瀬菜と同じく、自分の中にも紅砂に対して、畏怖にも似た感情が胸の奥底に潜んでいるのを感じた。
卯月には直に夕食になるから、大広間に戻るよう言われている。だが、四鵬はそのまま大広間へと向かわなかった。卯月とは少し距離を取りたかったのだ。
四鵬はどうしても6年前よりずっと綺麗になった卯月をじっと見つめてしまう。瞳は美しくなった卯月の至るところを記憶しようと彼女の体を満遍なく追う。
「何?どうしたの?」
と卯月に問いかけられ、はっと気づく。
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不意に、白閻《びゃくえん》との一方的な約束を思い出す。
『――3日間だけ猶予をあげる、3日間のうちに、あの娘をものにしちゃいなさいよ』
その言葉を思い出すと、もうまともに卯月の顔を見ていられない。
(無理だ……、どう考えても3日で一体、何をどうすればいいんだ)
そもそも四鵬は、白閻《びゃくえん》が言っていたような関係を卯月に望んでいるわけではない。しかし、白閻にそう言われてから、つい意識してしまう。
白閻――。
幽霊のように浮遊する、四鵬の運命を変えたモノ。
あいつがいつの時代から存在しているのかは分からない。自分で天地創造の時より生きているというが、幽霊と同じく、誰もが見れるわけではない白閻の姿を、生きていると言えるのだろうか?
白閻の姿を認識し、触れる事が出来るのは、一部の人間のみ。ある条件を満たさなければ、その存在を感知できる人間はいないはずだ。
そういえば、あの探偵……、あいつは白閻の姿が見えた。
(何故、見える?)
四鵬は自分に問いかけ青ざめた。
白閻が見える条件――、それは……。
「よっ!着物も中々似合うじゃん」
ポン!と肩を叩かれ振り向いた。目の前に件の探偵がいる。
「うわぁぁぁー!なんだ、お前!」
飛び上がるような四鵬の反応に、瀬菜は逆に驚いた。さっきは風呂の中で青ざめていたが、今度は赤い。よく分からないが、忙しい男だ。
瀬菜は目を細めて、
「あんたこそ何よ!人の顔みてそんなに驚いて……全く失礼な男ね!」
「べ…別に……、考え事してたから驚いただけだよ。それより、もうすぐ夕食にするから大広間に行けってさ」
「そう簡単に言ってくれますけどね~、この家広くて、どこがどの部屋なのか分からないんですけど、案内してくれない?」
瀬菜はそう言って、肩を竦めた。
「いいけど、寄り道していくぞ」
四鵬は仕方なしに、瀬菜も連れて部屋に向かうことにした。
「家の中で寄り道とは、普通言わないわよね~、どれだけ広いのよ」
「別にそうでもないさ、大広間を除いて、後は普通の部屋と変わらない。部屋数も今は使える部屋がほとんど無いらしい…」
そう言いつつ四鵬は、ある部屋の前で止まった。
「ここは?」
瀬菜が訊く。
「俺の部屋」
四鵬は扉を開けた。むっと、妙な香が立ち込めた。
瀬菜は部屋から吹き付ける空気にくしゃみが出る。ハックション!ハ…ハ…ハックション!連続で出た。
「何よこれ?花粉じゃない?なんの花粉?」
「さぁ~、なんだかさっぱりわからねぇ」
二人は10畳ほどの部屋を呆然と見つめていた。
部屋なのに、そこは森のようだった。床は一切見えず、見たこともない極彩色の菌類が多く根を張らしている。壁はなんだか分からない蔓で覆われていた。足元には……、イモムシ……?
「あの野郎ゥ~、人の部屋を勝手にこんな風にしやがってぇ、何を考えているんだ!」
四鵬が憤っていると背後から、のんびりと落ち着き払った男の声がした。
「悪かったね、方位的にもこの部屋が一番都合がよくてさ。そもそも、君がここに帰ってくるとは思わなかったから」
悪ぶれた様子も無く、紅砂が話しかけた。
「お前なあ、だったら、一言何か言って来いよ!」
「でも、四鵬の連絡先なんて、ずっと分からなかったしね。こっちはお前がテレビに出だしてやっと安否も確認できたくらいさ。驚いたよ、最初、観た時は……だけど、元気そうで嬉しかったよ」
この上ない笑顔を四鵬に向け、紅砂は答えた。どうやら心からそう思っているらしい。気に食わない奴に好意的な態度を取られても、何だが妙な具合だ。くすぐったくて、いけねぇ……。四鵬は話題を戻した。
「それにしてもよく人の部屋を無断でこんな風にしてくれたな~。どうしてくれるんだ?」
紅砂は上目遣いで四鵬の顔を覗き込んだ。
「この家に住む気かい?だったら、お前のために増築でも何でもするけど、どうせすぐ東京に戻るだろ?」
「確かに帰ってくることはほとんど無いだろうけど、部屋が無きゃ帰って来にくいだろうが!それとも何か?俺に帰ってくるな!って言ってるのか?!」
紅砂は肩をすくめて、
「まさか!お前の家だよ。分かった、増築しておくよ。いつでも帰っておいで」
と、言った。
「ふん!」
四鵬はもっと何か言ってやりたかったが、部屋の多くの植物や虫達の存在が気になった。
「ところで、これはどういうことだ?」
四鵬は自身の部屋を指差し紅砂を攻め立てた。
紅砂は耳の後ろをのんびりと掻きながら、
「羅遠流に薬術法があるのは知ってるよね?」
紅砂が喋り出すと、扉口から糸を垂らし、極彩色の大きな蜘蛛が降りてきた。紅砂は大蜘蛛を手に乗せると両手で弄んだ。蜘蛛のおぞましさと紅砂の美貌とが相まって、至極妖艶な雰囲気だ。
四鵬も蜘蛛の様子を見ながら答えた。
「ああ。しかし、親父から200年前に絶えたと聞いたぞ」
「まあね、でも、覚えてる奴がいるんだよ」
「え?」
「教えてあげようか?羅遠流薬術法」
「……」
「お前は誰よりも知っていたほうがいいと思うよ」
右手を前にかざし、蜘蛛の足の合間から紅砂の色素の薄い瞳が上目遣いで見つめていた。
紅砂のこの何でも知った風な態度が四鵬は何より気に入らなかった。
「なんでそんな事が言える。そもそも、羅遠の薬術法は当主のみに受け継がれる一子相伝の術法だろ?俺に資格はねぇ」
「それは、表向きの話だよ。初めから一子相伝という訳ではない」
四鵬は悩んだ。興味は相当ある。しかし、紅砂に教えてもらうという事が何より嫌だった。
「考えさせてくれ」
とりあえず、時間を伸ばすことにした。
「いつでもおいで……。部屋をこんな風にしたお詫びも兼ねて、丁寧に教えてあげるよ」
紅砂は持っていた蜘蛛を部屋にそっと戻すと、それじゃあ後ほど、と瀬菜に一礼して去っていった。
紅砂の姿が見えなくなると、脇に居た瀬菜が、ふう~、と息を吐いた。そういえば、あの瀬菜が紅砂に、『芸術的な美の追求』という名のセクハラ行為をしなかった。四鵬は不思議に思い、
「おい、お前!何で紅砂には飛びつかない?」
と、訊いた。瀬菜は神妙な顔をしている。
「うーん、私も不思議に思ってるのよね~。本来なら紅砂さんのルックスは絶対本能に逆らえず飛びついてもおかしくない美貌なのよね~。……でも、出来ないの」
「何で?」
「……あの人……ちょっと、怖いかも?」
「……」
「お前に怖いと感じる気持ちがあったんだ。どこが、どんな風に?」
四鵬が訊ねると瀬菜は右手を顎にかけ、暫く唸るように考え込んでいたが、ちらりと四鵬に視線を投げた。
「触らぬ神に祟りなし……って感じかしら。私が触れてはいけないような気がする」
四鵬もそれを聞いて黙ってしまった。否定が出来なかったのだ。
6年前、ふらりとやってきた異母兄は、確かに尋常とは違う何かが感じられた。かといって、どこがどうという説明はできない。紅砂の事を知らない者に、紅砂はどういう人物か説明しろと言われたら、紅砂は至って普通の人間にしか思えない。
――だが、何かが明らかに違うのだ。
紅砂から立ち昇る雰囲気。それは……人間でありながら、どこか人間離れしているようだ。紅砂を知るということは、前人未到の自然の中に足を踏み入れるのと同じような気がする。何が潜んでいるのか分からない恐怖――。
四鵬は、変わり果てた自分の部屋を見た。
鬱蒼と生い茂るなんだか分からない植物と昆虫達。とても、この部屋に入る気にはなれない……。紅砂を知るということは、この部屋に踏み込むのと同じような気がした。
紅砂の持つ隠然たる力を感じずにはいられない。四鵬は身震いした。瀬菜と同じく、自分の中にも紅砂に対して、畏怖にも似た感情が胸の奥底に潜んでいるのを感じた。
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