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紅砂が風に乗って羅遠家に戻ったのは、深夜になってからだ。一気に塀を乗り越え庭の梅の木をステップ台に、家へと滑り込んだ。
室内では、卯月、瀬菜、蘭武が四鵬を取り囲みながら、紅砂の帰りを待っていた。紅砂は、襖を開けなだれ込むように部屋に入ると開口一番。
「蘭武! 直ぐに僕と共に子島の社に行ってくれ、それが四鵬を救う唯一の手立てだ」
焦りと、襤褸を纏ったような彼の変わり果てた姿に一同驚きを隠せなかったが、事態は急を要する事を皆が理解した。
「分かった……、何があったかは後で聞かせてもらう」
そう言って蘭武は立ち上がり、紅砂と共に羅遠邸を後にした。
後には、瀬菜と卯月が顔を見合わせ心配そうに四鵬の姿を見守っていた。
表に出るなり、紅砂は蘭武の手を取り、
「一気に子島まで行くぞ!」
と、言って宙に浮いた。正体が分かった蘭武に説明は不要とでも言うように、風に乗って裏山に向かって一気に加速する。
地が遠のく感覚に蘭武は少々驚きつつも、紅砂の握った手の暖かさを意識した。
「兄さん……、俺の手の傷、これを治してくれたのも兄さんだよね。有難う……」
蘭武の言葉に、紅砂は振り向いて訝しげに眉を寄せた。
「……手の傷?」
「そうだよ。あの紅髪の男に刺された傷。あんな傷が跡形も無く治せるなんて、兄さんしか出来ないよね」
「……」
紅砂は押し黙り、何かを考えている風だった。
紅砂は蘭武の手に傷があったことすら知らない。と、なれば治療したのは、紛れも無くあの紅髪の男。傷付けたのも奴なら、治したのも奴……それが一体、何を意味するのか?
紅砂はコンラッドに吸血された時の彼の心の奥底にある内面を思い出し、口元を綻ばせた。
子島の社に入るなり、紅砂は急いで地下へと向かった。
紅砂に色々訊きたい事があったが、彼のそれどころではない様相に、蘭武は口を挟まず黙って従う事にした。蘭武にとって、彼を疑う余地など無かった。
紅髪の男に捕らわれた時の紅砂の激しい怒りを思い出す。それが蘭武の存在価値を物語っていた。紅砂がどのような存在であろうとも、彼は自分達を救うために動いてくれている。蘭武は、そう強く感じるのだった。
地下の薄暗いトンネルを抜け、開けた空間に出た。
淡いオレンジ色の炎が、壁に掛けられた行灯の中で揺れ、妖しげな雰囲気が現実感を奪っていた。
(ここは、人の世ではない……)
蘭武はそう感じた。
紅砂は壁際へと移動し、寝台に横たわりながら自身の手を貪り食う人形のような女に近づいた。
時代錯誤な白い着物に、口元を血で染めた女が、人外の者であるということは一目で知れた。
紅砂は迷う事無く、彼女を覆う薄い膜の中へと入り、震える女を抱き寄せ耳元で何か囁いていた。何を話しているのか蘭武には分からなかったが、二人の視線は時折、蘭武に注がれては、女が訝しげな表情を紅砂に向けたりしていた。そんな二人の様子に蘭武は少々不安になった。
紅砂の居ない羅遠邸で、瀬菜から四鵬についての経緯を訊いていたから、この女が四鵬に呪いを掛けている張本人だという事は分かる。だが、その呪いを解く鍵が自分にあるという事を蘭武は聞かされていなかった。
蘭武の不安を膨らますかのように、背後から何者かの視線を感じ、彼女は振り向いた。
「あ!」
と、思わず声が出る。紅砂も蘭武が眼にした者に気づき、
「そいつは大丈夫だ。しばらく動く事はできないから安心していい……」
と、言って顎をしゃくった。
紅砂が指した視線の先に、女と同じように薄い膜に覆われた紅髪の悪鬼、コンラッド・ヴィルトールがぐったりと床に横たわっていた。
虚ろな青い瞳が蘭武を見つめている。輝きの無い、くすんだ瞳の不気味さに、蘭武は思わず後ずさった。
「こいつは、一体どうしたの? 死んでいるの?」
蘭武は紅砂に訊いた。
「残念ながら、その男に通常の『死』は無い。今は『仮の死』を体験してもらっているところだ。そんな奴は無視していい……」
そんな事よりも……、と紅砂は話題を変えた。
「お前に頼みたい事がある。僕と今、此処で寝てほしい……」
紅砂の単刀直入な物言いに、蘭武は全くといっていいほど理解が出来なかった。
「え……?」
と、答えるのがやっとで、唖然とした表情だ。
紅砂は構わず続けた。白閻の下半身は既に食され、消滅している。このまま消滅が進めば、四鵬の回復にも影響が出るだろう。事は早いに越した事はない。
「僕と寝た後、この白閻を体内に宿し、彼を完全体へと生まれ変わらせてほしい……それがすなわち、四鵬の命を救う事になる」
「何故、それが四鵬を救う事になるの?」
蘭武は当然の質問をした。
傍らの女──白閻に視線を移し、紅砂は質問に答えた。
「今の白閻は非常に危うげな存在なのだ。本来、霊体であるべきところを強引に実体化させている。その不安定な状態に彼は苦しんで、全てを終わらせるために消滅を図っているのだ。それも……四鵬を道連れにね……このままの状態から開放するもう一つの手段、それがお前の子宮内に入り生まれ変わる事なんだ」
本来なら白閻は、四鵬の想い人である卯月の体内に入るのが自然なのだが、結鬼唯一の女である卯月の中に幼体が入る事は、そのまま吸収=消滅を意味する。幼体は存在が不確かな分、犠牲者との結び付きが濃く、お互い大きな影響を与え合う。結果、白閻が消滅すれば、四鵬も消滅してしまうのだ。この関係を切り離すのに、一番効果的なのが白閻の完全体化だ。強引なやり方ではあるが、今の苦しみからの解放されるために、蘭武の体内に入る事を白閻も了承した。
「子宮内に……って、それと、兄さんと……する事と、どういう関係があるの?」
蘭武が言っているのは、白閻の完全体化が、紅砂と寝る事に何の関係があるのかという質問だ。だが、紅砂はそれには、答えず、時間がない、と言って蘭武を招き寄せた。
「止めとけよ……」
突然、床から聞こえた第3の声に、二人の動きが止まった。
コンラッドの声だ。
蘭武は振り返り、横たわる彼を見下ろした。青い瞳がゆっくりと幽鬼のように身を起こし、蘭武と目が合った。
「結鬼を産むという事が何を意味するのか分かっているのか?
お前も半分は人ではなくなるのだぞ……。只の人間が高位結鬼を産んで、その後もまともに暮らす事など出来ないだろう。お前にその覚悟はあるのか?
いや……次々と起こる非日常的な出来事にお前は耐えられるのか?」
「……」
「俺は何人もの結鬼を産んで崩壊してゆく女達の精神を見てきた。悪い事は言わない、大事なのは自分自身だろう? だから、誰かの為にとは思わない事だ。人として生まれたのなら、お前は人として幸福に生きる権利がある。自分をもっと大切にしろよ……結鬼なんか、産むもんじゃねぇ……」
コンラッドの言葉に、蘭武は目をしばたたいた。
最初に浜辺で会った悪鬼のような印象とは、まるで違う。ある意味自分に向けられる澄んだ青い瞳に、彼の思いやりが伝わってきた。
蘭武は不思議そうにコンラッドを見つめた。
「俺の事……、心配してるのか?」
蘭武の問いに、コンラッドの頬が引きつる。
「勘違いするな! 心配ではなく、忠告だ!」
蘭武が彼に対し、穏やかに微笑んだ。
コンラッドは慌てて蘭武から視線をそらせた。
「ご忠告有難う。お前の言う通り自分の幸福のため、自分の気持ちを大切に生きるさ」
蘭武が肩を竦めながら言うと、紅砂が口を挟んだ。
「どうする?蘭武……。奴の言う事は本当だ……。何が起こるのか、説明する時間がない。だが、ただでは済まない事は確かだ。今後のお前に安穏な人生など無いだろう……その代わり、僕が……」
「いいよ、兄さん。いや、羅閻様。助かる道があるのに、自分がその鍵を握っているのに、その後の人生が曇り空だからって、四鵬を見捨てる事など、俺には出来ない。あいつとは、喧嘩ばかりしていたけど、さっきまで動かなくなった四鵬を、ただ見ているだけしか出来なかった方が俺には辛く、そして許せなかった。もう一度、元気に飛び回る四鵬が見たい……。あいつの体温を直に感じたい。
そもそも安穏な人生って何だよ? そんな保障、どこにあるんだよ? 生きていれば様々な出来事が起こりうるだろう? だからこその『生』じゃないのか? 俺達は、与えられた『生』を最後まで生き抜く事が次世代に繋がるって事だろ?
俺はいいよ、何があっても、最後まで俺として生きる。結鬼がどうとか……そういう事は関係ない!俺は、俺としての生き方を生きる」
そう言う蘭武の真っ直ぐで純粋な瞳を見上げながら、コンラッドはため息を付いた。
「莫迦だな……お前……」
コンラッドの呟きに、蘭武はニヤリと笑った。
「望むところだ。莫迦になってやってみないと分からない事って沢山あるだろう。莫迦だから、世の中楽しめるんだよ!」
「楽しいのか?お前は……?」
「うん」
明るく頷く蘭武に、コンラッドは二の句が告げられなかった。
紅砂が安堵の表情で蘭武を見つめていたが、すぐに気を引き締めると、
「蘭武、そうと決まれば、僕の元に来い。時間がない!」
そう言って、素早くもう一つの寝台へと移り、蘭武を引き寄せた。
室内では、卯月、瀬菜、蘭武が四鵬を取り囲みながら、紅砂の帰りを待っていた。紅砂は、襖を開けなだれ込むように部屋に入ると開口一番。
「蘭武! 直ぐに僕と共に子島の社に行ってくれ、それが四鵬を救う唯一の手立てだ」
焦りと、襤褸を纏ったような彼の変わり果てた姿に一同驚きを隠せなかったが、事態は急を要する事を皆が理解した。
「分かった……、何があったかは後で聞かせてもらう」
そう言って蘭武は立ち上がり、紅砂と共に羅遠邸を後にした。
後には、瀬菜と卯月が顔を見合わせ心配そうに四鵬の姿を見守っていた。
表に出るなり、紅砂は蘭武の手を取り、
「一気に子島まで行くぞ!」
と、言って宙に浮いた。正体が分かった蘭武に説明は不要とでも言うように、風に乗って裏山に向かって一気に加速する。
地が遠のく感覚に蘭武は少々驚きつつも、紅砂の握った手の暖かさを意識した。
「兄さん……、俺の手の傷、これを治してくれたのも兄さんだよね。有難う……」
蘭武の言葉に、紅砂は振り向いて訝しげに眉を寄せた。
「……手の傷?」
「そうだよ。あの紅髪の男に刺された傷。あんな傷が跡形も無く治せるなんて、兄さんしか出来ないよね」
「……」
紅砂は押し黙り、何かを考えている風だった。
紅砂は蘭武の手に傷があったことすら知らない。と、なれば治療したのは、紛れも無くあの紅髪の男。傷付けたのも奴なら、治したのも奴……それが一体、何を意味するのか?
紅砂はコンラッドに吸血された時の彼の心の奥底にある内面を思い出し、口元を綻ばせた。
子島の社に入るなり、紅砂は急いで地下へと向かった。
紅砂に色々訊きたい事があったが、彼のそれどころではない様相に、蘭武は口を挟まず黙って従う事にした。蘭武にとって、彼を疑う余地など無かった。
紅髪の男に捕らわれた時の紅砂の激しい怒りを思い出す。それが蘭武の存在価値を物語っていた。紅砂がどのような存在であろうとも、彼は自分達を救うために動いてくれている。蘭武は、そう強く感じるのだった。
地下の薄暗いトンネルを抜け、開けた空間に出た。
淡いオレンジ色の炎が、壁に掛けられた行灯の中で揺れ、妖しげな雰囲気が現実感を奪っていた。
(ここは、人の世ではない……)
蘭武はそう感じた。
紅砂は壁際へと移動し、寝台に横たわりながら自身の手を貪り食う人形のような女に近づいた。
時代錯誤な白い着物に、口元を血で染めた女が、人外の者であるということは一目で知れた。
紅砂は迷う事無く、彼女を覆う薄い膜の中へと入り、震える女を抱き寄せ耳元で何か囁いていた。何を話しているのか蘭武には分からなかったが、二人の視線は時折、蘭武に注がれては、女が訝しげな表情を紅砂に向けたりしていた。そんな二人の様子に蘭武は少々不安になった。
紅砂の居ない羅遠邸で、瀬菜から四鵬についての経緯を訊いていたから、この女が四鵬に呪いを掛けている張本人だという事は分かる。だが、その呪いを解く鍵が自分にあるという事を蘭武は聞かされていなかった。
蘭武の不安を膨らますかのように、背後から何者かの視線を感じ、彼女は振り向いた。
「あ!」
と、思わず声が出る。紅砂も蘭武が眼にした者に気づき、
「そいつは大丈夫だ。しばらく動く事はできないから安心していい……」
と、言って顎をしゃくった。
紅砂が指した視線の先に、女と同じように薄い膜に覆われた紅髪の悪鬼、コンラッド・ヴィルトールがぐったりと床に横たわっていた。
虚ろな青い瞳が蘭武を見つめている。輝きの無い、くすんだ瞳の不気味さに、蘭武は思わず後ずさった。
「こいつは、一体どうしたの? 死んでいるの?」
蘭武は紅砂に訊いた。
「残念ながら、その男に通常の『死』は無い。今は『仮の死』を体験してもらっているところだ。そんな奴は無視していい……」
そんな事よりも……、と紅砂は話題を変えた。
「お前に頼みたい事がある。僕と今、此処で寝てほしい……」
紅砂の単刀直入な物言いに、蘭武は全くといっていいほど理解が出来なかった。
「え……?」
と、答えるのがやっとで、唖然とした表情だ。
紅砂は構わず続けた。白閻の下半身は既に食され、消滅している。このまま消滅が進めば、四鵬の回復にも影響が出るだろう。事は早いに越した事はない。
「僕と寝た後、この白閻を体内に宿し、彼を完全体へと生まれ変わらせてほしい……それがすなわち、四鵬の命を救う事になる」
「何故、それが四鵬を救う事になるの?」
蘭武は当然の質問をした。
傍らの女──白閻に視線を移し、紅砂は質問に答えた。
「今の白閻は非常に危うげな存在なのだ。本来、霊体であるべきところを強引に実体化させている。その不安定な状態に彼は苦しんで、全てを終わらせるために消滅を図っているのだ。それも……四鵬を道連れにね……このままの状態から開放するもう一つの手段、それがお前の子宮内に入り生まれ変わる事なんだ」
本来なら白閻は、四鵬の想い人である卯月の体内に入るのが自然なのだが、結鬼唯一の女である卯月の中に幼体が入る事は、そのまま吸収=消滅を意味する。幼体は存在が不確かな分、犠牲者との結び付きが濃く、お互い大きな影響を与え合う。結果、白閻が消滅すれば、四鵬も消滅してしまうのだ。この関係を切り離すのに、一番効果的なのが白閻の完全体化だ。強引なやり方ではあるが、今の苦しみからの解放されるために、蘭武の体内に入る事を白閻も了承した。
「子宮内に……って、それと、兄さんと……する事と、どういう関係があるの?」
蘭武が言っているのは、白閻の完全体化が、紅砂と寝る事に何の関係があるのかという質問だ。だが、紅砂はそれには、答えず、時間がない、と言って蘭武を招き寄せた。
「止めとけよ……」
突然、床から聞こえた第3の声に、二人の動きが止まった。
コンラッドの声だ。
蘭武は振り返り、横たわる彼を見下ろした。青い瞳がゆっくりと幽鬼のように身を起こし、蘭武と目が合った。
「結鬼を産むという事が何を意味するのか分かっているのか?
お前も半分は人ではなくなるのだぞ……。只の人間が高位結鬼を産んで、その後もまともに暮らす事など出来ないだろう。お前にその覚悟はあるのか?
いや……次々と起こる非日常的な出来事にお前は耐えられるのか?」
「……」
「俺は何人もの結鬼を産んで崩壊してゆく女達の精神を見てきた。悪い事は言わない、大事なのは自分自身だろう? だから、誰かの為にとは思わない事だ。人として生まれたのなら、お前は人として幸福に生きる権利がある。自分をもっと大切にしろよ……結鬼なんか、産むもんじゃねぇ……」
コンラッドの言葉に、蘭武は目をしばたたいた。
最初に浜辺で会った悪鬼のような印象とは、まるで違う。ある意味自分に向けられる澄んだ青い瞳に、彼の思いやりが伝わってきた。
蘭武は不思議そうにコンラッドを見つめた。
「俺の事……、心配してるのか?」
蘭武の問いに、コンラッドの頬が引きつる。
「勘違いするな! 心配ではなく、忠告だ!」
蘭武が彼に対し、穏やかに微笑んだ。
コンラッドは慌てて蘭武から視線をそらせた。
「ご忠告有難う。お前の言う通り自分の幸福のため、自分の気持ちを大切に生きるさ」
蘭武が肩を竦めながら言うと、紅砂が口を挟んだ。
「どうする?蘭武……。奴の言う事は本当だ……。何が起こるのか、説明する時間がない。だが、ただでは済まない事は確かだ。今後のお前に安穏な人生など無いだろう……その代わり、僕が……」
「いいよ、兄さん。いや、羅閻様。助かる道があるのに、自分がその鍵を握っているのに、その後の人生が曇り空だからって、四鵬を見捨てる事など、俺には出来ない。あいつとは、喧嘩ばかりしていたけど、さっきまで動かなくなった四鵬を、ただ見ているだけしか出来なかった方が俺には辛く、そして許せなかった。もう一度、元気に飛び回る四鵬が見たい……。あいつの体温を直に感じたい。
そもそも安穏な人生って何だよ? そんな保障、どこにあるんだよ? 生きていれば様々な出来事が起こりうるだろう? だからこその『生』じゃないのか? 俺達は、与えられた『生』を最後まで生き抜く事が次世代に繋がるって事だろ?
俺はいいよ、何があっても、最後まで俺として生きる。結鬼がどうとか……そういう事は関係ない!俺は、俺としての生き方を生きる」
そう言う蘭武の真っ直ぐで純粋な瞳を見上げながら、コンラッドはため息を付いた。
「莫迦だな……お前……」
コンラッドの呟きに、蘭武はニヤリと笑った。
「望むところだ。莫迦になってやってみないと分からない事って沢山あるだろう。莫迦だから、世の中楽しめるんだよ!」
「楽しいのか?お前は……?」
「うん」
明るく頷く蘭武に、コンラッドは二の句が告げられなかった。
紅砂が安堵の表情で蘭武を見つめていたが、すぐに気を引き締めると、
「蘭武、そうと決まれば、僕の元に来い。時間がない!」
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