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摩矢episode 5
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降り場が近付いてきたので、俺はセーフティバーを早々に上げて、桜木より早くリフトから降りた。その後から桜木も滑り降りる。
そして、班の全員が降りた頃、担当のインストラクターが自己紹介し、軽くコース説明をした。
皆、上級者ということで一人ずつ滑って皆のレベルを確認することになった。
まずはインストラクターが重心移動のポイントやストックのつき方など説明し、見本を見せてくれた。
続いて一人ずつ滑る。
俺達の班は他のクラスの連中も混ざった10人の班だ。
最初の男が滑ると、次はこの班で紅一点の女が滑った。中々スピードもあって良い出来だ。
次々に班のメンバーが滑って行く中、俺と桜木は後方で少しみんなと離れていた。その前には三隅がいる。
4人ほど滑り降りて行ったあと、次の奴が突然桜木を呼び寄せた。
「何?どうしたの、タッちゃん?」
と言って桜木がそいつの方へ行ってしまった。
一人になった俺は前方にいる三隅を眺めていたが、何だか様子がおかしい。足がガクガクと震え、ストックを握る手も力が入り過ぎていて妙だ。
今は俺が顔を覗き込んでる訳でも話しかけている訳でもないのに、こんなに震える理由ってなんだ?
気になるが、俺が話しかければ余計に三隅を怖がらせてしまう。ここは桜木に任せようと、奴を呼ぼうとしたら、なんとさっきのタッちゃんより先に桜木が滑り降りてしまった。
──ったく、タッちゃんとかいう奴、なんてことをしやがる!
桜木の後、タッちゃんも滑ったが、タッちゃんは途中、転けてしまった。要するにタッちゃんは自分で言うほど上級者ではなかったようだ。
たまに居る。自分の能力を少し多く見積もってしまうやつだ。
だが、タッちゃんは転けるのが上手かったからまだましだ。それよりもっと不安そうな奴が俺の前方に居た。
一人、また一人と滑り降りて行き、ついに俺と三隅だけになった。
その頃には三隅の震えはさらにひどいものとなり、少し過呼吸気味なのか、荒い息遣いまで聞こえてきた。
──おいおい、大丈夫かよ、こいつ?
結局、見てる俺の方が不安になってしまい、三隅に話し掛けた。
「大丈夫か?お前……気分でも悪いのか?」
後ろから覗き込むようにして訊ねると、三隅は驚いた顔をして、「はにゃ、ふにゃ……はにゃ……」と意味の分からない言葉を発した。
「おい、怖いんだったら無理せずリフトで降りてもいいんだぞ?」
だが、三隅は大きく頭を振った。
「だ、だ、大丈夫です!」
そう言ったはいいが、明らかに挙動不審だ。
俺は疑いの目で三隅を見つめた。すると三隅は顔を真っ赤にして目を固く閉じるなり、いきなり「わあああ──!!」と叫び声を上げ、一気にゲレンデを暴走し始めた。
「お、おい!!」
三隅は一直線に前も見ず、あらぬ方向へと進んで行く。
下では三隅の様子に気付いた連中が「危ない!」と言って騒ぎだしていた。
俺は仕方なく暴走した三隅を追った。
「三隅!!目を開けろ!このままではコースアウトするぞ!!」
「わ、わ、うわあああ──!!」
驚いた所をみると、どうらや目を開けて前方を確認してくれたようだ。だが、既に目前には立木が迫っていた。
「三隅!体重移動して大きくターンしろ!」
「む、無理ぃぃ───!!」
俺はストックを突いて加速させ、三隅の前に回り込んだ。そして、何とか三隅をキャッチするのもつかの間、三隅もろとも立木にぶつかり、そのまま3mほどの崖下に落ちた。
そして、班の全員が降りた頃、担当のインストラクターが自己紹介し、軽くコース説明をした。
皆、上級者ということで一人ずつ滑って皆のレベルを確認することになった。
まずはインストラクターが重心移動のポイントやストックのつき方など説明し、見本を見せてくれた。
続いて一人ずつ滑る。
俺達の班は他のクラスの連中も混ざった10人の班だ。
最初の男が滑ると、次はこの班で紅一点の女が滑った。中々スピードもあって良い出来だ。
次々に班のメンバーが滑って行く中、俺と桜木は後方で少しみんなと離れていた。その前には三隅がいる。
4人ほど滑り降りて行ったあと、次の奴が突然桜木を呼び寄せた。
「何?どうしたの、タッちゃん?」
と言って桜木がそいつの方へ行ってしまった。
一人になった俺は前方にいる三隅を眺めていたが、何だか様子がおかしい。足がガクガクと震え、ストックを握る手も力が入り過ぎていて妙だ。
今は俺が顔を覗き込んでる訳でも話しかけている訳でもないのに、こんなに震える理由ってなんだ?
気になるが、俺が話しかければ余計に三隅を怖がらせてしまう。ここは桜木に任せようと、奴を呼ぼうとしたら、なんとさっきのタッちゃんより先に桜木が滑り降りてしまった。
──ったく、タッちゃんとかいう奴、なんてことをしやがる!
桜木の後、タッちゃんも滑ったが、タッちゃんは途中、転けてしまった。要するにタッちゃんは自分で言うほど上級者ではなかったようだ。
たまに居る。自分の能力を少し多く見積もってしまうやつだ。
だが、タッちゃんは転けるのが上手かったからまだましだ。それよりもっと不安そうな奴が俺の前方に居た。
一人、また一人と滑り降りて行き、ついに俺と三隅だけになった。
その頃には三隅の震えはさらにひどいものとなり、少し過呼吸気味なのか、荒い息遣いまで聞こえてきた。
──おいおい、大丈夫かよ、こいつ?
結局、見てる俺の方が不安になってしまい、三隅に話し掛けた。
「大丈夫か?お前……気分でも悪いのか?」
後ろから覗き込むようにして訊ねると、三隅は驚いた顔をして、「はにゃ、ふにゃ……はにゃ……」と意味の分からない言葉を発した。
「おい、怖いんだったら無理せずリフトで降りてもいいんだぞ?」
だが、三隅は大きく頭を振った。
「だ、だ、大丈夫です!」
そう言ったはいいが、明らかに挙動不審だ。
俺は疑いの目で三隅を見つめた。すると三隅は顔を真っ赤にして目を固く閉じるなり、いきなり「わあああ──!!」と叫び声を上げ、一気にゲレンデを暴走し始めた。
「お、おい!!」
三隅は一直線に前も見ず、あらぬ方向へと進んで行く。
下では三隅の様子に気付いた連中が「危ない!」と言って騒ぎだしていた。
俺は仕方なく暴走した三隅を追った。
「三隅!!目を開けろ!このままではコースアウトするぞ!!」
「わ、わ、うわあああ──!!」
驚いた所をみると、どうらや目を開けて前方を確認してくれたようだ。だが、既に目前には立木が迫っていた。
「三隅!体重移動して大きくターンしろ!」
「む、無理ぃぃ───!!」
俺はストックを突いて加速させ、三隅の前に回り込んだ。そして、何とか三隅をキャッチするのもつかの間、三隅もろとも立木にぶつかり、そのまま3mほどの崖下に落ちた。
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