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本編 イザヤside1
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ガチガチと歯を鳴らしながら怯える陶也の姿に、イザヤはただ事ではない何かが起きていると感じた。
だが、何が原因なのかさっぱり分からない。
奥から走ってきたジョンが興奮して吠えたてている。
もう耐えられないというように陶也が頭を抱えて蹲る。
「大丈夫か!?」
慌てて駆け寄り、陶也の手を取って顔を見た。
──瞬間、陶也は何かとてつもなく恐ろしいモノを見たかのように目を見開き、さっき以上の悲鳴をあげてイザヤの手から逃れると、床を転がるように脱衣場から廊下へとまろび出た。そしてホラー映画のヒロイン役さながらに悲鳴をあげ、イザヤの姿を凝視し、震えながら後退していく。目にはたっぷりと涙を溜め、限界が過ぎるとポロポロと雫が溢れていった。
──これは何だ?
一体何が起きてるんだ?
陶也が震えながら何かを呟き始めた。
「……やめて、やめて……もうやめて、嫌だ」
微かに首を振りながら何かを拒絶している。
イザヤは自分の手を見つめた。
──触れたからか?
触れられるのを嫌がると言っていたが、その反応がこれなのか!?だとしたら、この症状は余りにも酷すぎる!
──本当にこれが自閉症の症状だって言うのか?!
陶也の呼吸が早く、そして短くなっていく。手足が震え、親指を内側に入れ真っ直ぐ伸び、強張っていく。
──やばい!過呼吸だ。
「陶也!いいか!落ち着いてうつ伏せになれ!俺は触れないから、ゆっくりでいい」
陶也が頷くとゆっくりうつ伏せになった。
イザヤも一緒にうつ伏せになり、正面から陶也に呼び掛ける。
「よし!よく頑張ったな。そしたらゆっくり息を吐いて、俺に合わせるんだ。焦らず……ゆっくり……」
イザヤに合わせて陶也は息を吐き出し始めたが、途中で、はっ、はっと息を吸い込んでしまう。
「もうちょっとだから……もうちょっと我慢して息を吐いて……」
イザヤが優しく励ます。
「そうそう、そしたらゆっくり吸う……いいぞ。後はゆっくり気持ちを落ち着けて……」
呼吸が少しずつ安定してくると、陶也の身体の強張りが解けてきた。
イザヤはそのまま力を抜くよう、声をかけながら陶也の呼吸に神経を集中させた。
陶也も次第に気持ちが安定してきたのか、表情が柔らかくなる。
取り敢えず、一安心といったところか。
暫くすると「す……すいません……」と、陶也が一声洩らした。
「少し落ち着いたか?」
遠巻きに見ていたジョンが陶也の元に走り寄り、優しく舐めている。
陶也はジョンの首をひしと抱きしめ泪をこぼした。
「本当に突然……こんなになってしまって……、すいません。もう……大丈夫ですから……イザヤさんは戻って下さい。折角、お風呂に入っていたのに……、身体を冷やしてしまいます」
「気にするな。それよりお前は本当に大丈夫なのか?」
陶也の震えは止まらず、顔色もまだ悪い。
「はい。僕の事は気にしないで下さい。直ぐ収まると思いますから……」
「いや、お前は少し休んでいろ。その辺の濡れた床は俺が拭いておくから」
イザヤは脱衣場に戻るとタオルで身体に残った水分を拭き取り、陶也が用意してくれた服を素早く身に付けた。
「あの、もう一度お風呂に入ってきた方が……僕のせいで身体が冷えてませんか?」
「大丈夫だ。気にするな。それより、さっきはいきなり掴んでしまって、すまなかったな」
事前に陶也の特性を聞いていたはずなのに、急な出来事にすっかり忘れ、つい触れてしまった。それにしても、こんなに酷い反応をするのなら、もっと事前に注意をしてくれればいいのに、イザヤは祖父を恨んだ。
「い……いえ、こちらこそ、酷い所をお見せしてしまってすいません」
「いつもあんななのか?」
「い、いえ、普段はそこまででは……幼い頃以来です。もう……ここまで酷くなることはなかったんですが……」
陶也が自身の身を抱いて、目を伏せる。すると涙がほろほろと止めどなく溢れていった。
その弱く痛々しい姿を見ていると、触れた事に対する罪悪感がイザヤの腹の中でとぐろを巻き始めた。
「本当に大丈夫か?」
「だ……大丈夫です」
「ちょっと嫌な事を聞くがお前……、性的な虐待を受けたことはないか?」
陶也の身が一瞬、強ばる。
陶也に触れた時、イザヤは慌てて風呂から出たため全裸のままだった。
いきなり自分より大きな全裸の男に掴まれたら、性的虐待を受けた者なら陶也のような反応を起こしても不思議ではない。
「い、いえ、それは絶対ないです。本当に……僕の特性による症状の一つです」
陶也は違うと言うが、虐待を受けた者はそれを隠そうとする者もいる。
それに性的虐待と聞いた瞬間、陶也が動揺したのをイザヤは見逃さなかった。
「本当に?──辺りに何もない、他人の目が先ず入らないような場所で、お前みたいな子供が頼れるのは爺さんしかいなくて……、そんな爺いに何かされたら、他人に話す事なんて、中々出来ないよな」
「そ、そんな!お爺ちゃんは絶対そんな人ではないです!止めてください!全て僕が悪いんです!僕がこんなだから……」
陶也は涙声で必死に訴えた。
「僕がこんなだから!お爺ちゃんは昔から僕に対する虐待を他人に疑われ続けました!でも、お爺ちゃんはこんな僕でも根気よく接して、いつも守ってくれました!そんなお爺ちゃんを悪く思うのは止めてください!絶対にそれだけは止めてください!!」
陶也は必死だった。どうやら真実を言っているらしいことは分かった。それでも、イザヤは「性的虐待」と言った時の反応が気になった。
爺さんが疑われる事を恐れての反応とみてもいいのかもしれないが、イザヤの中で否と叫ぶ声がする。
爺さんが疑われる事を嫌がるなら、どちらかと言えば「怒り」が全面に出るのが普通ではないのか?
だが、あの瞬間、陶也の身体は恐怖に竦み上がった。
爺さんでなくとも、他に誰か陶也を虐待した奴がいるのかもしれない。
「そんな事より、イザヤさん。僕はさっき、イザヤさんの身に付けていたアクセサリーを放り投げてしまいました」
イザヤは自分の胸元に手を当てた。
兄弟達の事をすっかり忘れていた。
「どこに?」
「あそこです」
陶也が脱衣場の隅を指差す。
「ごめんなさい。……でも、それ……一体何です?」
不意に問われて、脱衣場の隅からそれを拾おうとしたイザヤの手が硬直する。
──これが何か?って何故聞く?
「な、何って……。俺のお守りみたいなもんさ」
イザヤは動揺を必死で抑えた。
「そう……ですか……」
陶也が眉間に皺を寄せ、苦々しい表情でこちらを見ていた。
その表情にイザヤは血の気が引いていくのを感じた。
──そういえばこいつは俺が掴む前から悲鳴を上げていた。
──この首飾りの元は人間だ。
イザヤは戦慄を覚え、思わず陶也から目を反らした。
「お守りってことは、とても大切なものなんですよね。それを放り投げてしまってごめんなさい。僕は夕食の支度をしてきます」
陶也はそれ以上、話を続けることなくキッチンへと戻っていったが、イザヤは懐疑の目で陶也の後ろ姿を見送った。
だが、何が原因なのかさっぱり分からない。
奥から走ってきたジョンが興奮して吠えたてている。
もう耐えられないというように陶也が頭を抱えて蹲る。
「大丈夫か!?」
慌てて駆け寄り、陶也の手を取って顔を見た。
──瞬間、陶也は何かとてつもなく恐ろしいモノを見たかのように目を見開き、さっき以上の悲鳴をあげてイザヤの手から逃れると、床を転がるように脱衣場から廊下へとまろび出た。そしてホラー映画のヒロイン役さながらに悲鳴をあげ、イザヤの姿を凝視し、震えながら後退していく。目にはたっぷりと涙を溜め、限界が過ぎるとポロポロと雫が溢れていった。
──これは何だ?
一体何が起きてるんだ?
陶也が震えながら何かを呟き始めた。
「……やめて、やめて……もうやめて、嫌だ」
微かに首を振りながら何かを拒絶している。
イザヤは自分の手を見つめた。
──触れたからか?
触れられるのを嫌がると言っていたが、その反応がこれなのか!?だとしたら、この症状は余りにも酷すぎる!
──本当にこれが自閉症の症状だって言うのか?!
陶也の呼吸が早く、そして短くなっていく。手足が震え、親指を内側に入れ真っ直ぐ伸び、強張っていく。
──やばい!過呼吸だ。
「陶也!いいか!落ち着いてうつ伏せになれ!俺は触れないから、ゆっくりでいい」
陶也が頷くとゆっくりうつ伏せになった。
イザヤも一緒にうつ伏せになり、正面から陶也に呼び掛ける。
「よし!よく頑張ったな。そしたらゆっくり息を吐いて、俺に合わせるんだ。焦らず……ゆっくり……」
イザヤに合わせて陶也は息を吐き出し始めたが、途中で、はっ、はっと息を吸い込んでしまう。
「もうちょっとだから……もうちょっと我慢して息を吐いて……」
イザヤが優しく励ます。
「そうそう、そしたらゆっくり吸う……いいぞ。後はゆっくり気持ちを落ち着けて……」
呼吸が少しずつ安定してくると、陶也の身体の強張りが解けてきた。
イザヤはそのまま力を抜くよう、声をかけながら陶也の呼吸に神経を集中させた。
陶也も次第に気持ちが安定してきたのか、表情が柔らかくなる。
取り敢えず、一安心といったところか。
暫くすると「す……すいません……」と、陶也が一声洩らした。
「少し落ち着いたか?」
遠巻きに見ていたジョンが陶也の元に走り寄り、優しく舐めている。
陶也はジョンの首をひしと抱きしめ泪をこぼした。
「本当に突然……こんなになってしまって……、すいません。もう……大丈夫ですから……イザヤさんは戻って下さい。折角、お風呂に入っていたのに……、身体を冷やしてしまいます」
「気にするな。それよりお前は本当に大丈夫なのか?」
陶也の震えは止まらず、顔色もまだ悪い。
「はい。僕の事は気にしないで下さい。直ぐ収まると思いますから……」
「いや、お前は少し休んでいろ。その辺の濡れた床は俺が拭いておくから」
イザヤは脱衣場に戻るとタオルで身体に残った水分を拭き取り、陶也が用意してくれた服を素早く身に付けた。
「あの、もう一度お風呂に入ってきた方が……僕のせいで身体が冷えてませんか?」
「大丈夫だ。気にするな。それより、さっきはいきなり掴んでしまって、すまなかったな」
事前に陶也の特性を聞いていたはずなのに、急な出来事にすっかり忘れ、つい触れてしまった。それにしても、こんなに酷い反応をするのなら、もっと事前に注意をしてくれればいいのに、イザヤは祖父を恨んだ。
「い……いえ、こちらこそ、酷い所をお見せしてしまってすいません」
「いつもあんななのか?」
「い、いえ、普段はそこまででは……幼い頃以来です。もう……ここまで酷くなることはなかったんですが……」
陶也が自身の身を抱いて、目を伏せる。すると涙がほろほろと止めどなく溢れていった。
その弱く痛々しい姿を見ていると、触れた事に対する罪悪感がイザヤの腹の中でとぐろを巻き始めた。
「本当に大丈夫か?」
「だ……大丈夫です」
「ちょっと嫌な事を聞くがお前……、性的な虐待を受けたことはないか?」
陶也の身が一瞬、強ばる。
陶也に触れた時、イザヤは慌てて風呂から出たため全裸のままだった。
いきなり自分より大きな全裸の男に掴まれたら、性的虐待を受けた者なら陶也のような反応を起こしても不思議ではない。
「い、いえ、それは絶対ないです。本当に……僕の特性による症状の一つです」
陶也は違うと言うが、虐待を受けた者はそれを隠そうとする者もいる。
それに性的虐待と聞いた瞬間、陶也が動揺したのをイザヤは見逃さなかった。
「本当に?──辺りに何もない、他人の目が先ず入らないような場所で、お前みたいな子供が頼れるのは爺さんしかいなくて……、そんな爺いに何かされたら、他人に話す事なんて、中々出来ないよな」
「そ、そんな!お爺ちゃんは絶対そんな人ではないです!止めてください!全て僕が悪いんです!僕がこんなだから……」
陶也は涙声で必死に訴えた。
「僕がこんなだから!お爺ちゃんは昔から僕に対する虐待を他人に疑われ続けました!でも、お爺ちゃんはこんな僕でも根気よく接して、いつも守ってくれました!そんなお爺ちゃんを悪く思うのは止めてください!絶対にそれだけは止めてください!!」
陶也は必死だった。どうやら真実を言っているらしいことは分かった。それでも、イザヤは「性的虐待」と言った時の反応が気になった。
爺さんが疑われる事を恐れての反応とみてもいいのかもしれないが、イザヤの中で否と叫ぶ声がする。
爺さんが疑われる事を嫌がるなら、どちらかと言えば「怒り」が全面に出るのが普通ではないのか?
だが、あの瞬間、陶也の身体は恐怖に竦み上がった。
爺さんでなくとも、他に誰か陶也を虐待した奴がいるのかもしれない。
「そんな事より、イザヤさん。僕はさっき、イザヤさんの身に付けていたアクセサリーを放り投げてしまいました」
イザヤは自分の胸元に手を当てた。
兄弟達の事をすっかり忘れていた。
「どこに?」
「あそこです」
陶也が脱衣場の隅を指差す。
「ごめんなさい。……でも、それ……一体何です?」
不意に問われて、脱衣場の隅からそれを拾おうとしたイザヤの手が硬直する。
──これが何か?って何故聞く?
「な、何って……。俺のお守りみたいなもんさ」
イザヤは動揺を必死で抑えた。
「そう……ですか……」
陶也が眉間に皺を寄せ、苦々しい表情でこちらを見ていた。
その表情にイザヤは血の気が引いていくのを感じた。
──そういえばこいつは俺が掴む前から悲鳴を上げていた。
──この首飾りの元は人間だ。
イザヤは戦慄を覚え、思わず陶也から目を反らした。
「お守りってことは、とても大切なものなんですよね。それを放り投げてしまってごめんなさい。僕は夕食の支度をしてきます」
陶也はそれ以上、話を続けることなくキッチンへと戻っていったが、イザヤは懐疑の目で陶也の後ろ姿を見送った。
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