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本編 イザヤside1
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ランチは数ヶ月前にモール内に新しく出来たというカフェレストランに入った。
人気店なだけあって店内は混雑していたが、イザヤ達はタイミングが良かったのか、直ぐ席に通された。その後はあっと言う間に長蛇の列だ。
「日本人って根性あるよなあ。あの列の最後尾ってどれだけ待つんだよ」
「あー、あそこまでだと1時間は待つかもしれません」
「そんなかよ!」
「でも、恋人だったり、友達と来ていると待ってる間も楽しいから気にならないんですよ。それに大切な人と一緒に美味しいものを食べるのはとっても幸せじゃないですか。だから、1時間待ちだって大丈夫なんです」
そう言ってメニュー表を広げる陶也の顔をイザヤはまじまじと見詰めた。
「お前は?」
「何がですか?」
「そう思うくらいなら、今まで誰か大切だと思う奴と飯を食いに行ったことがあるんだろ?どんな奴だったんだ?」
友達は居ないと言っていたが、恋人は?となると話は別だろう。人に触れられない障害があると言っても全員が駄目という訳ではないらしいし、今は居なくとも、過去にそういう奴が居たのではないか?
そう思った途端、
「僕はお爺ちゃんとだけですよ」
と、きたもんだ。
「は?!」
イザヤは眉根を寄せた。
「待て、お前……、爺さんは家族だろ。そうじゃなくて、お前はさっき、恋人や友達と言ったぞ!恋人や友達!恋人や友達!恋人!恋人!恋人!」
いつの間にか友達が抜けて、恋人だけをイザヤは連呼した。
「だってそれは、ここで待ってる人の顔ぶれがそんな感じだからそう言っただけです。僕になんて、友達も居ないんだから、恋人なんて余計に居ないって分かるじゃないですか。買い物もお爺ちゃん以外の人と行くのは初めてだって、さっきも言ったし」
陶也は恥ずかしそうに俯いた。
「そういえば言ってたな」
陶也の恋人疑惑はあっさり否定され、イザヤは心から安堵した。が、それと同時に一つの仮定が頭をよぎり今度は緊張してきた。
「と、いうことは外で飯を食うのも……」
イザヤは恐る恐る自分を指差し、目だけで陶也に問いかける。
「はい、イザヤさんが初めてです」
(──やっぱり)
イザヤはガクリと額を押さえて項垂れた。ちょっと前まで何も考えてなかったから、気にもしなかったが、陶也に言われた事で、周りの顔ぶれが恋人や友人同士という関係が多いことに気付いた。そして、その顔ぶれで飯を食うということは、楽しく飯を食うということだ。隣の席に座る男女のカップルを見ても、喋りながら楽しそうに飯を食っている。イザヤにそんな経験はない。陶也がここで飯を食べたいという事は、つまり楽しい食事がしたいということだろう。
無理だ。
イザヤに人を楽しませるような事は出来ない。イザヤにとっての食事とは、戦うためのエネルギー補給に過ぎない。だから食に楽しみを持った事は一度だってない。食は生命維持と気力を保つために必要だから、イザヤは食べれるものは何でも食べるだけだ。食が薄れると途端に心も身体も弱る。弱れば敵に喰われるだけだ。喰われたくないから、負けたくないからイザヤは飯を喰うのだ。
食を楽しむというのは高等な生物にだけ許された特権だとイザヤは思っている。だからゴキブリと同等のイザヤには明らかに不相応なのだ。しかし、こういう所に来た以上、陶也の求めるのは美味しくて、楽しい、幸せな食事なのだろう。
イザヤにその相手が出来るのか?
そもそも楽しい食事って何だ?
どうすれば楽しくなる?幸せになる?
周りの話の内容を参考にしてみたいところだが、みんな日本語なのでイザヤには何を話してるのかさっぱり分からない。
万事休すと困り果て、ため息をつくと、正面の陶也が淀んだ顔をしている。
「やっぱり、呆れちゃいますよね……」
陶也が気落ちしながらポツリと言った。
「……何が?」
イザヤは自分の事かと思い、胸に痛みを感じた。
「だって、僕はこの歳になっても、未だに友達や恋人も出来ず、唯一の家族であるお爺ちゃんとしか出掛けた事がないなんて……、やっぱり恥ずかしいですよね」
「……え?」
(おい、こら!!バカを言うな!それを言ったら俺はもう24だ。俺なんか家族とだってない!)
「いや、お前は全然大丈夫!全然大丈夫だから!そんな暗い顔をするな」
やはり駄目だ。イザヤには楽しませるどころか、こんな暗い顔をさせることしか出来ない。そもそも、さっきため息をついたのも、イザヤが情けないからであって、陶也に対してではない。かといって正直にため息の内容を言ったところで、イザヤの不幸自慢になるだけだ。そんなの非常に面白くないし、不快でしかない。自分だったら絶対、救いようもないイザヤの人生など、その片鱗すら聞きたくもない。益々楽しい食卓から遠退くこと必須だ。
「いいか、お前は全然恥ずかしくない!全然恥ずかしくないんだからな!」
だから強調して否定的する事しか出来なかった。勿論、そんな事を無根拠に繰り返し言われたところで陶也の顔はちっとも晴れやかにはならない。そんなことは分かっている。分かっているがどうしたらいいのかも分からない。
(あーもー、こん畜生ゥ……!)
「そんな顔するな!このバカちん!」
ポコン!と気の抜けた音が店内に響いた。イザヤが孫の手の逆側。肩たたき用に付けられたゴム状の凸部で陶也の頭を叩いたのだ。
「お前さぁー、友達が居ない、恋人が居ないって、誰と比べて言ってるんだよ。お前が誰と比べてもお前はお前でしかないだろ。変わらねぇんだよ!自分よりちょっと幸福そうな奴と比べて自分は不幸だとか、自分よりちょっと不幸そうな奴と比べて、自分はまだましとか、そんなの単なる気分の問題じゃねぇか!比べたところで自分の何が変わるんだ?そんな変わらねえよ!友達が居ない?恋人が居ない?そもそも無いものの事を考えてどうするんだ。どう足掻いたって、どんなに欲しがったって、無いものは無いんだ」
それはそのままイザヤにも言える事だ。
イザヤにはどうしたって、陶也を楽しませるスキルがない。周りの奴らのように、大切な人を楽しませて、幸せにさせる会話など出来ないし、分からない。
うだうだ悩んだって、情けなく思ったって、出来ない事は出来ないし、無いものは無い。本当に情けなく思うけどそれが現実なんだ。無いものは無いままに受け入れるしかない。
「だから、あるものだけ見ろよ。お前には何がある?今、あるものだけを上手に使えよ」
イザヤは孫の手で陶也の心臓部分をこついた。
「先ずはここに自分の命があるだろ。それを誇れ!」
イザヤにはそれだけしかない。
イザヤにあるのは不幸人生だけだ。そんな事、ちっとも自慢にはならないが、それでも何とか生きている。
「だから、お前には友達や恋人が居なくても、大切な家族である爺さんが側に居なくても、今は俺が居る。お前には今、俺が居るんだからな!それを誇れ!!」
本当に何の役にも立たないイザヤだけど、何とか陶也の中で工夫して役に立たせてくれれば……。イザヤにはどうしてやればいいのか分からないのだから、陶也が勝手にイザヤを使えばいい。イザヤなんかが居たって、陶也にはゴキブリが付いたような感じで不快かも知れないが……。
そう思うと段々と、ここに居る自分がいたたまれなくなってくるが、陶也の前にはそんなイザヤしか今は居ないのだから、仕方ない。だからどうか、それでもいいと思ってくれたら……。
イザヤがそんな願いを込めている間、陶也は固まったまま動かなくなってしまった。
ウエイトレスがやって来て、注文を聞きに声をかけたが、それでも陶也は放心したままだ。
困ったイザヤはまた陶也の頭を孫の手の逆側でポコン!と叩いた。
陶也はやっと目覚めた。
「注文」
一言声をかけると陶也は慌ててメニューを広げ、注文した。ウエイトレスが立ち去ると、陶也はまた俯いてしまった。
(やっぱ駄目か……)
所詮、ゴキブリが側に居たって不快なだけだ。イザヤはがっかりしながら、帽子を脱いで、頭を掻いた。そして、どうしたらこの子が幸せな気持ちになれるのか考えた。でも、イザヤに出来る事が何にも思い付かない。こんな時、他の奴はどうしているんだろうと周りを見回す。
「イザヤさん……」
陶也が俯いたまま声をかけてきた。
「ん?」
「僕……」
「うん?」
何だ?どうした?イザヤは生唾を飲み込んだ。
陶也が顔を上げる。すっきりと澄み渡るような瞳でイザヤと目が合った。
「僕は……、イザヤさんに出会えて本当に良かったです!」
そう言って、真夏の快晴のような明るい笑顔で、「本当にありがとうございます!」とイザヤに礼をした。
「へ?」
(一体、何が起こった???)
陶也の突然の変わり身に、今度はイザヤの方が放心してしまった。
(でも、まあ……、何だがよく分からないが、陶也は陶也の中でイザヤを役に立たせる事が出来たのだろう。だったら、もう何だっていいや)
「そりゃあ、良かった」
人気店なだけあって店内は混雑していたが、イザヤ達はタイミングが良かったのか、直ぐ席に通された。その後はあっと言う間に長蛇の列だ。
「日本人って根性あるよなあ。あの列の最後尾ってどれだけ待つんだよ」
「あー、あそこまでだと1時間は待つかもしれません」
「そんなかよ!」
「でも、恋人だったり、友達と来ていると待ってる間も楽しいから気にならないんですよ。それに大切な人と一緒に美味しいものを食べるのはとっても幸せじゃないですか。だから、1時間待ちだって大丈夫なんです」
そう言ってメニュー表を広げる陶也の顔をイザヤはまじまじと見詰めた。
「お前は?」
「何がですか?」
「そう思うくらいなら、今まで誰か大切だと思う奴と飯を食いに行ったことがあるんだろ?どんな奴だったんだ?」
友達は居ないと言っていたが、恋人は?となると話は別だろう。人に触れられない障害があると言っても全員が駄目という訳ではないらしいし、今は居なくとも、過去にそういう奴が居たのではないか?
そう思った途端、
「僕はお爺ちゃんとだけですよ」
と、きたもんだ。
「は?!」
イザヤは眉根を寄せた。
「待て、お前……、爺さんは家族だろ。そうじゃなくて、お前はさっき、恋人や友達と言ったぞ!恋人や友達!恋人や友達!恋人!恋人!恋人!」
いつの間にか友達が抜けて、恋人だけをイザヤは連呼した。
「だってそれは、ここで待ってる人の顔ぶれがそんな感じだからそう言っただけです。僕になんて、友達も居ないんだから、恋人なんて余計に居ないって分かるじゃないですか。買い物もお爺ちゃん以外の人と行くのは初めてだって、さっきも言ったし」
陶也は恥ずかしそうに俯いた。
「そういえば言ってたな」
陶也の恋人疑惑はあっさり否定され、イザヤは心から安堵した。が、それと同時に一つの仮定が頭をよぎり今度は緊張してきた。
「と、いうことは外で飯を食うのも……」
イザヤは恐る恐る自分を指差し、目だけで陶也に問いかける。
「はい、イザヤさんが初めてです」
(──やっぱり)
イザヤはガクリと額を押さえて項垂れた。ちょっと前まで何も考えてなかったから、気にもしなかったが、陶也に言われた事で、周りの顔ぶれが恋人や友人同士という関係が多いことに気付いた。そして、その顔ぶれで飯を食うということは、楽しく飯を食うということだ。隣の席に座る男女のカップルを見ても、喋りながら楽しそうに飯を食っている。イザヤにそんな経験はない。陶也がここで飯を食べたいという事は、つまり楽しい食事がしたいということだろう。
無理だ。
イザヤに人を楽しませるような事は出来ない。イザヤにとっての食事とは、戦うためのエネルギー補給に過ぎない。だから食に楽しみを持った事は一度だってない。食は生命維持と気力を保つために必要だから、イザヤは食べれるものは何でも食べるだけだ。食が薄れると途端に心も身体も弱る。弱れば敵に喰われるだけだ。喰われたくないから、負けたくないからイザヤは飯を喰うのだ。
食を楽しむというのは高等な生物にだけ許された特権だとイザヤは思っている。だからゴキブリと同等のイザヤには明らかに不相応なのだ。しかし、こういう所に来た以上、陶也の求めるのは美味しくて、楽しい、幸せな食事なのだろう。
イザヤにその相手が出来るのか?
そもそも楽しい食事って何だ?
どうすれば楽しくなる?幸せになる?
周りの話の内容を参考にしてみたいところだが、みんな日本語なのでイザヤには何を話してるのかさっぱり分からない。
万事休すと困り果て、ため息をつくと、正面の陶也が淀んだ顔をしている。
「やっぱり、呆れちゃいますよね……」
陶也が気落ちしながらポツリと言った。
「……何が?」
イザヤは自分の事かと思い、胸に痛みを感じた。
「だって、僕はこの歳になっても、未だに友達や恋人も出来ず、唯一の家族であるお爺ちゃんとしか出掛けた事がないなんて……、やっぱり恥ずかしいですよね」
「……え?」
(おい、こら!!バカを言うな!それを言ったら俺はもう24だ。俺なんか家族とだってない!)
「いや、お前は全然大丈夫!全然大丈夫だから!そんな暗い顔をするな」
やはり駄目だ。イザヤには楽しませるどころか、こんな暗い顔をさせることしか出来ない。そもそも、さっきため息をついたのも、イザヤが情けないからであって、陶也に対してではない。かといって正直にため息の内容を言ったところで、イザヤの不幸自慢になるだけだ。そんなの非常に面白くないし、不快でしかない。自分だったら絶対、救いようもないイザヤの人生など、その片鱗すら聞きたくもない。益々楽しい食卓から遠退くこと必須だ。
「いいか、お前は全然恥ずかしくない!全然恥ずかしくないんだからな!」
だから強調して否定的する事しか出来なかった。勿論、そんな事を無根拠に繰り返し言われたところで陶也の顔はちっとも晴れやかにはならない。そんなことは分かっている。分かっているがどうしたらいいのかも分からない。
(あーもー、こん畜生ゥ……!)
「そんな顔するな!このバカちん!」
ポコン!と気の抜けた音が店内に響いた。イザヤが孫の手の逆側。肩たたき用に付けられたゴム状の凸部で陶也の頭を叩いたのだ。
「お前さぁー、友達が居ない、恋人が居ないって、誰と比べて言ってるんだよ。お前が誰と比べてもお前はお前でしかないだろ。変わらねぇんだよ!自分よりちょっと幸福そうな奴と比べて自分は不幸だとか、自分よりちょっと不幸そうな奴と比べて、自分はまだましとか、そんなの単なる気分の問題じゃねぇか!比べたところで自分の何が変わるんだ?そんな変わらねえよ!友達が居ない?恋人が居ない?そもそも無いものの事を考えてどうするんだ。どう足掻いたって、どんなに欲しがったって、無いものは無いんだ」
それはそのままイザヤにも言える事だ。
イザヤにはどうしたって、陶也を楽しませるスキルがない。周りの奴らのように、大切な人を楽しませて、幸せにさせる会話など出来ないし、分からない。
うだうだ悩んだって、情けなく思ったって、出来ない事は出来ないし、無いものは無い。本当に情けなく思うけどそれが現実なんだ。無いものは無いままに受け入れるしかない。
「だから、あるものだけ見ろよ。お前には何がある?今、あるものだけを上手に使えよ」
イザヤは孫の手で陶也の心臓部分をこついた。
「先ずはここに自分の命があるだろ。それを誇れ!」
イザヤにはそれだけしかない。
イザヤにあるのは不幸人生だけだ。そんな事、ちっとも自慢にはならないが、それでも何とか生きている。
「だから、お前には友達や恋人が居なくても、大切な家族である爺さんが側に居なくても、今は俺が居る。お前には今、俺が居るんだからな!それを誇れ!!」
本当に何の役にも立たないイザヤだけど、何とか陶也の中で工夫して役に立たせてくれれば……。イザヤにはどうしてやればいいのか分からないのだから、陶也が勝手にイザヤを使えばいい。イザヤなんかが居たって、陶也にはゴキブリが付いたような感じで不快かも知れないが……。
そう思うと段々と、ここに居る自分がいたたまれなくなってくるが、陶也の前にはそんなイザヤしか今は居ないのだから、仕方ない。だからどうか、それでもいいと思ってくれたら……。
イザヤがそんな願いを込めている間、陶也は固まったまま動かなくなってしまった。
ウエイトレスがやって来て、注文を聞きに声をかけたが、それでも陶也は放心したままだ。
困ったイザヤはまた陶也の頭を孫の手の逆側でポコン!と叩いた。
陶也はやっと目覚めた。
「注文」
一言声をかけると陶也は慌ててメニューを広げ、注文した。ウエイトレスが立ち去ると、陶也はまた俯いてしまった。
(やっぱ駄目か……)
所詮、ゴキブリが側に居たって不快なだけだ。イザヤはがっかりしながら、帽子を脱いで、頭を掻いた。そして、どうしたらこの子が幸せな気持ちになれるのか考えた。でも、イザヤに出来る事が何にも思い付かない。こんな時、他の奴はどうしているんだろうと周りを見回す。
「イザヤさん……」
陶也が俯いたまま声をかけてきた。
「ん?」
「僕……」
「うん?」
何だ?どうした?イザヤは生唾を飲み込んだ。
陶也が顔を上げる。すっきりと澄み渡るような瞳でイザヤと目が合った。
「僕は……、イザヤさんに出会えて本当に良かったです!」
そう言って、真夏の快晴のような明るい笑顔で、「本当にありがとうございます!」とイザヤに礼をした。
「へ?」
(一体、何が起こった???)
陶也の突然の変わり身に、今度はイザヤの方が放心してしまった。
(でも、まあ……、何だがよく分からないが、陶也は陶也の中でイザヤを役に立たせる事が出来たのだろう。だったら、もう何だっていいや)
「そりゃあ、良かった」
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