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陶也side1
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陶也がお爺ちゃんにもう一人孫が居るという話を聞いたのは、イザヤがやって来る1週間前だった。
アメリカに居る孫も家族を失って今は一人だから、日本に来て鶏卵農家の仕事を継いで貰おうと思っている。と、打ち明けられた。
その話を聞いた時、陶也は不安だった。アメリカに居るお孫さんは陶也と違って、お爺ちゃんと血の繋がりのある本当の孫だ。
けれども自分はーー。
だから陶也は、そのお孫さんに、お爺ちゃんの孫という居場所を全部奪われてしまうのではないかという危機感を感じた。
ーー自分はやっぱりいらない子だ。
そんな思考がまた浮上して、悲しさと不安でいっぱいになり、イザヤが来るという前日には、もう耐えられなくなって、陶也はお爺ちゃんにそう打ち明けた。するとお爺ちゃんは陶也の頭を撫でながら、「大丈夫だよ」と言った。「お爺ちゃんも彼とは一度しか会った事はないが、彼は優しくて強い子だ。陶也を泣かせたり困らせたりする子ではないと思う。ただ、彼はずっと不憫な生活をしてきていて、陶也以上に家族の愛情を受けていないはずだから、陶也がそれを分けて上げて欲しい。本当はお爺ちゃんがそれをしてあげたかったけど、お爺ちゃんにはもう時間がないんだ。だから代わりに陶也がそれをやってくれたら……いや、やって、あげて欲しいんだ……」そう言ってお爺ちゃんは涙ぐんだ。
陶也はそれまでお爺ちゃんは強いと思っていたから、お爺ちゃんが泣くなんて信じられなかった。その後もお爺ちゃんは大粒の涙を流して、「彼を助けてやってほしい」と繰り返した。陶也にはお爺ちゃんの涙の意味が分からなかった。けれども、お爺ちゃんの悲しみと悔しさは伝わった。陶也はお爺ちゃんの手を握り、約束した。
「僕は彼を精一杯のおもてなしで迎える事にする。そして、僕に出来ることなら何でもするから、お爺ちゃんは安心して。僕はお爺ちゃんに今までずっと幸せにして貰ってたから、その恩を彼に返すつもりで接する事にする、それでいい?」と言ったら、お爺ちゃんは陶也を抱きしめ「有り難う」と何度も言った。
翌日。件のお孫さんが来るという日。陶也はいつも以上にお爺ちゃんの入院先の病院に行くのが怖かった。お爺ちゃんにああは言ったものの、元々人と接するのが苦手な上に初対面の人といきなり一緒に寝食を共にするなんて、緊張以外の何物でもなかった。
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その話を聞いた時、陶也は不安だった。アメリカに居るお孫さんは陶也と違って、お爺ちゃんと血の繋がりのある本当の孫だ。
けれども自分はーー。
だから陶也は、そのお孫さんに、お爺ちゃんの孫という居場所を全部奪われてしまうのではないかという危機感を感じた。
ーー自分はやっぱりいらない子だ。
そんな思考がまた浮上して、悲しさと不安でいっぱいになり、イザヤが来るという前日には、もう耐えられなくなって、陶也はお爺ちゃんにそう打ち明けた。するとお爺ちゃんは陶也の頭を撫でながら、「大丈夫だよ」と言った。「お爺ちゃんも彼とは一度しか会った事はないが、彼は優しくて強い子だ。陶也を泣かせたり困らせたりする子ではないと思う。ただ、彼はずっと不憫な生活をしてきていて、陶也以上に家族の愛情を受けていないはずだから、陶也がそれを分けて上げて欲しい。本当はお爺ちゃんがそれをしてあげたかったけど、お爺ちゃんにはもう時間がないんだ。だから代わりに陶也がそれをやってくれたら……いや、やって、あげて欲しいんだ……」そう言ってお爺ちゃんは涙ぐんだ。
陶也はそれまでお爺ちゃんは強いと思っていたから、お爺ちゃんが泣くなんて信じられなかった。その後もお爺ちゃんは大粒の涙を流して、「彼を助けてやってほしい」と繰り返した。陶也にはお爺ちゃんの涙の意味が分からなかった。けれども、お爺ちゃんの悲しみと悔しさは伝わった。陶也はお爺ちゃんの手を握り、約束した。
「僕は彼を精一杯のおもてなしで迎える事にする。そして、僕に出来ることなら何でもするから、お爺ちゃんは安心して。僕はお爺ちゃんに今までずっと幸せにして貰ってたから、その恩を彼に返すつもりで接する事にする、それでいい?」と言ったら、お爺ちゃんは陶也を抱きしめ「有り難う」と何度も言った。
翌日。件のお孫さんが来るという日。陶也はいつも以上にお爺ちゃんの入院先の病院に行くのが怖かった。お爺ちゃんにああは言ったものの、元々人と接するのが苦手な上に初対面の人といきなり一緒に寝食を共にするなんて、緊張以外の何物でもなかった。
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