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陶也side1
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イザヤは4人の男達に殴られ囲まれていた。男達の目はみんなどこか虚ろだったり、狂気に満ちた目をしていた。一人の男が液体の入った注射器を取り出し、イザヤの腕に打とうしたが、母親がそれを止めた。「こいつに薬は使わないで、楽にさせちゃダメよ」男はあっさり従った。主従関係がしっかりと出来ているようだった。「犯って」と母親が命じると、男達はイザヤを犯した。その様子を見て女は札束を数えながら薄ら笑いをしていた。イザヤは力の限り抵抗して、母親に罵声を浴びせていた。「てめえは絶対殺す!いつか絶対殺してやる!!」イザヤがそう言うと母親は恍惚の表情で答える。「そうよ。イザヤ。早く大きくなって、あたしを殺しなさい。これはあなたと私の喰うか喰われるかの殺人ゲームよ。あたしはそのためにあんたを産んだんだから。そして、こいつらはあんたを縛る足枷よ!そのためだけに産んでやったんだから」そう言って、後ろでアザだらけの体で横たわる四人の子供達を指して嗤った。
陶也は悲鳴を上げた。この世にそんな事を考える母親が存在するとは思わなかった。
イザヤの母親は更に「ゲームが楽しくなるように、これまで生かさず殺さず子供を育てるのって大変だったぁ~。だから、これからはもっともっとあたしを楽しませてね。イザヤ」と言って、男たちに襲われるイザヤを眺めながら母親は可愛らしくウインクをした。イザヤの怒りと絶望が陶也に伝わる。気を失いそうになるが、体を蹂躙する痛みがそれも許さない。まさに、地獄のような苦しみだった。
陶也は余りの恐ろしさに廊下をのたうち回った。きっとこれはイザヤがその時に受けた痛みと苦しみだ。涙が溢れた。呼吸も早く浅くなり体もいうことを効かない。闇に呑み込まれ、自分が消えていくようで、とても恐ろしかった。感覚が次第に麻痺し、気が遠くなっていく。だが、陶也の耳に突然、イザヤの声が入ってきた。記憶からの声ではない。現在の声だ。陶也の名を呼んでいる。陶也は現在に引き戻された。
「陶也!いいか!落ち着いてうつ伏せになれ!!」
正面にあの青い瞳が陶也を写している。陶也は過去の記憶に引っ張られないよう、青い瞳の言う通りにした。正面の瞳が優しく微笑む。
「よく頑張ったな」
そう励ましながら、目の前のイザヤは陶也を救おうとしてくれた。陶也は人に触れた瞬間、暴れたり、吐いたりして周囲の人に不快感を与えてしまうため、おかしな目で見る人は居ても、イザヤのように直ぐに助けてくれようとする人は居なかった。陶也は嬉しかった。目の前のイザヤは苦しさを共有してくれている。そう思うと直ぐに体が楽になってきた。イザヤの呼び掛けがとても有り難かった。
イザヤは落ち着いた後も、こんな特異体質の陶也を変な目で見ることなく、逆に「すまなかったな」と謝った。更に、陶也の症状から性的虐待を受けていたのでは?と心配してくれた。それをずっと受けてきたのはイザヤ自身なのに、今日、初めて会ったばかりの陶也の事を心配するなんて、この人は本当に自分の事より目の前で苦しんでいる人を大切に出来る優しい人なんだ。
ただ、その虐待相手にお爺ちゃんを疑ったのには驚いたけど、イザヤはお爺ちゃんの事をよく知らないのだから、それは仕方がないのかもしれない。本当はその時、お爺ちゃんもあなたと同じ、優しくて、他人の苦しみに添い、それを背負ってくれる、強くて素敵な人だと叫びたかった。
その後はもう、イザヤの過去を思い出さないように必死になった。思い出すと今にも泣き崩れてしまう。あの凄惨な過去を持っているのは陶也ではない。イザヤなのだ。彼はあんな目にあってもしっかりと立っている。だから自分がこんな所で崩れる訳にはいかないんだ。お爺ちゃんから貰った恩を陶也はイザヤに返すのだ。 そうお爺ちゃんと約束したんだ!
──彼はずっと不憫な生活を強いられて、陶也以上に家族の愛を受けていないはずだから、陶也が彼に分けてほしい。
──彼を助けてやってほしい。
(そうは言ってもどうすればいいの?お爺ちゃん!!)
陶也は唇を噛み締め、ただひたすら目の前の料理をこしらえた。涙が自然とぶわっと溢れだしてきて、それを必死に拭った。今は、泣いちゃ駄目だ!泣いちゃ駄目だ!と自分に暗示をかける。
お爺ちゃんは知っていたのだ。イザヤがどんな目にあってきたのか。10年前、一度アメリカに帰ってからお爺ちゃんはおかしくなった。それから陶也が多く見るようになったお爺ちゃんの記憶。そこに現れる綺麗な女の子。その女の子こそ、お爺ちゃんの娘。イザヤ達の母親だったのだ。
陶也は悲鳴を上げた。この世にそんな事を考える母親が存在するとは思わなかった。
イザヤの母親は更に「ゲームが楽しくなるように、これまで生かさず殺さず子供を育てるのって大変だったぁ~。だから、これからはもっともっとあたしを楽しませてね。イザヤ」と言って、男たちに襲われるイザヤを眺めながら母親は可愛らしくウインクをした。イザヤの怒りと絶望が陶也に伝わる。気を失いそうになるが、体を蹂躙する痛みがそれも許さない。まさに、地獄のような苦しみだった。
陶也は余りの恐ろしさに廊下をのたうち回った。きっとこれはイザヤがその時に受けた痛みと苦しみだ。涙が溢れた。呼吸も早く浅くなり体もいうことを効かない。闇に呑み込まれ、自分が消えていくようで、とても恐ろしかった。感覚が次第に麻痺し、気が遠くなっていく。だが、陶也の耳に突然、イザヤの声が入ってきた。記憶からの声ではない。現在の声だ。陶也の名を呼んでいる。陶也は現在に引き戻された。
「陶也!いいか!落ち着いてうつ伏せになれ!!」
正面にあの青い瞳が陶也を写している。陶也は過去の記憶に引っ張られないよう、青い瞳の言う通りにした。正面の瞳が優しく微笑む。
「よく頑張ったな」
そう励ましながら、目の前のイザヤは陶也を救おうとしてくれた。陶也は人に触れた瞬間、暴れたり、吐いたりして周囲の人に不快感を与えてしまうため、おかしな目で見る人は居ても、イザヤのように直ぐに助けてくれようとする人は居なかった。陶也は嬉しかった。目の前のイザヤは苦しさを共有してくれている。そう思うと直ぐに体が楽になってきた。イザヤの呼び掛けがとても有り難かった。
イザヤは落ち着いた後も、こんな特異体質の陶也を変な目で見ることなく、逆に「すまなかったな」と謝った。更に、陶也の症状から性的虐待を受けていたのでは?と心配してくれた。それをずっと受けてきたのはイザヤ自身なのに、今日、初めて会ったばかりの陶也の事を心配するなんて、この人は本当に自分の事より目の前で苦しんでいる人を大切に出来る優しい人なんだ。
ただ、その虐待相手にお爺ちゃんを疑ったのには驚いたけど、イザヤはお爺ちゃんの事をよく知らないのだから、それは仕方がないのかもしれない。本当はその時、お爺ちゃんもあなたと同じ、優しくて、他人の苦しみに添い、それを背負ってくれる、強くて素敵な人だと叫びたかった。
その後はもう、イザヤの過去を思い出さないように必死になった。思い出すと今にも泣き崩れてしまう。あの凄惨な過去を持っているのは陶也ではない。イザヤなのだ。彼はあんな目にあってもしっかりと立っている。だから自分がこんな所で崩れる訳にはいかないんだ。お爺ちゃんから貰った恩を陶也はイザヤに返すのだ。 そうお爺ちゃんと約束したんだ!
──彼はずっと不憫な生活を強いられて、陶也以上に家族の愛を受けていないはずだから、陶也が彼に分けてほしい。
──彼を助けてやってほしい。
(そうは言ってもどうすればいいの?お爺ちゃん!!)
陶也は唇を噛み締め、ただひたすら目の前の料理をこしらえた。涙が自然とぶわっと溢れだしてきて、それを必死に拭った。今は、泣いちゃ駄目だ!泣いちゃ駄目だ!と自分に暗示をかける。
お爺ちゃんは知っていたのだ。イザヤがどんな目にあってきたのか。10年前、一度アメリカに帰ってからお爺ちゃんはおかしくなった。それから陶也が多く見るようになったお爺ちゃんの記憶。そこに現れる綺麗な女の子。その女の子こそ、お爺ちゃんの娘。イザヤ達の母親だったのだ。
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