89 / 107
達也の執着
88
しおりを挟む
「雷亜!今度のハロウィンパーティーで一緒にステージに上がるぞ!」
「──え?!」
なにそれ?という顔をしていると、宇辰が足をばたつかせながら「だから、前に言ったろ?俺とエモラップやるって!今日から練習だ!練習!衣装もバッチリ考えてるんだ、俺!」と、嬉しそうに目を輝かせた。
いつの間にそんな話しになっているんだろう?と雷亜が驚いた顔をしていると、ルーカスが宇辰の肩を叩いた。
「悪いが宇辰くん。雷亜くんは俺達と一緒に今度のOB戦に向けてアメフトの練習をするのだよ。だから君のお遊びに付き合ってる暇はない」
「──はっ?!なにそれ?!」
宇辰は糸目を全開まで押し広げて驚いた。
「雷亜くんは今日からアメフト部のエースだからさあ」
「な、なんだと?!雷亜がアメフト部?!入部したのか?」
宇辰が首をグリンと曲げ雷亜に訊ねる。
「うーん……よく分からないけど、いつの間にかこれがロッカーに……」
そう言って雷亜はユニフォームを広げて見せた。宇辰はそれを見るなりルーカスを睨み付けた。睨まれたルーカスはそっぽを向いて口笛を吹いている。
「無理矢理だな?無理矢理なんだな!おいおいルーカスよお~そういうのはよくないだろお~」
「いやいや、君だって同じでしょう?彼は一緒にラップやるって言ったのか?」
すると今度は宇辰が「──うっ!」と一声漏らし退いた。
「ほらほら君だって勝手に決めてるじゃん」
「そ、それは……これからゆっくり話し合ってだなあ」
「うんうん。わかった、わかった一方的な話し合いをこれからするのね~」
「あんたが言えるようなことじゃないだろう!」
シャノンに続いて今度は宇辰がルーカスとの言い合いになってしまった。雷亜は仕方なく間に入って二人をなだめた。
「分かった!分かった!どっちもやるからここでそんな争いはやめようよ!」
と言うと、シャノンが心配そうな顔をして雷亜を覗きこみ「そんな安請け合いしていいのか?」と言った。
「でも……俺で役に立てるのならちょっとやってみたいし、いいよ宇辰、やってみるよ」
「本当か、雷亜!!有り難う!!」
宇辰は喜んで雷亜に抱きつこうとしたが、瞬時にシャノンが雷亜を抱え込んで後ろに退けてしまったため宇辰は自分で自分を抱く形になった。
「言っておくが猿!雷亜を貸すのは放課後の1時間だけな。それと猿がちゃんと時計を見れるかどうか怪しいから俺も同行する。それ以外はアメフト。分かったな!」
居丈高に言い放つシャノンに面食らった宇辰は一瞬沈黙したが、直ぐに抗議した。
「ちょっと待て!何でお前が仕切るんだ!それに俺は猿じゃないからちゃんと時間は分かるぞ!!だから、お前が付いて来る必要はない!」
「そうだぞ、シャノン。QBにポジションチェンジするつもりなら尚更お前は練習しなきゃ」
ルーカスもそう言って宇辰側に立つ。
シャノンは渋い顔をしながら雷亜を指差すと「こいつ一人だと猿に何を押し付けられるか分かったもんじゃないだろ?」と少し不平面で言った。
(何かって……シャノンは一体何を心配しているのだろう?)
雷亜は苦笑いをしながら、シャノンの袖を引っ張った。
「大丈夫だよ、シャノン。無理な事は無理ってちゃんと言うし」
「本当に?」
「うん。大丈夫」
重ねてそう答えたが、シャノンはそれでも納得しない様子で雷亜を引っ張り、宇辰達から引き離した。そして、雷亜の耳もとに唇を寄せ「お前を俺以外の男と二人きりにしたくないんだ」と囁いた。
雷亜はそれを聞くなり顔を真っ赤にさせた。そんな風にシャノンが思ってくれているなんて知らなかった。
「──え?!」
なにそれ?という顔をしていると、宇辰が足をばたつかせながら「だから、前に言ったろ?俺とエモラップやるって!今日から練習だ!練習!衣装もバッチリ考えてるんだ、俺!」と、嬉しそうに目を輝かせた。
いつの間にそんな話しになっているんだろう?と雷亜が驚いた顔をしていると、ルーカスが宇辰の肩を叩いた。
「悪いが宇辰くん。雷亜くんは俺達と一緒に今度のOB戦に向けてアメフトの練習をするのだよ。だから君のお遊びに付き合ってる暇はない」
「──はっ?!なにそれ?!」
宇辰は糸目を全開まで押し広げて驚いた。
「雷亜くんは今日からアメフト部のエースだからさあ」
「な、なんだと?!雷亜がアメフト部?!入部したのか?」
宇辰が首をグリンと曲げ雷亜に訊ねる。
「うーん……よく分からないけど、いつの間にかこれがロッカーに……」
そう言って雷亜はユニフォームを広げて見せた。宇辰はそれを見るなりルーカスを睨み付けた。睨まれたルーカスはそっぽを向いて口笛を吹いている。
「無理矢理だな?無理矢理なんだな!おいおいルーカスよお~そういうのはよくないだろお~」
「いやいや、君だって同じでしょう?彼は一緒にラップやるって言ったのか?」
すると今度は宇辰が「──うっ!」と一声漏らし退いた。
「ほらほら君だって勝手に決めてるじゃん」
「そ、それは……これからゆっくり話し合ってだなあ」
「うんうん。わかった、わかった一方的な話し合いをこれからするのね~」
「あんたが言えるようなことじゃないだろう!」
シャノンに続いて今度は宇辰がルーカスとの言い合いになってしまった。雷亜は仕方なく間に入って二人をなだめた。
「分かった!分かった!どっちもやるからここでそんな争いはやめようよ!」
と言うと、シャノンが心配そうな顔をして雷亜を覗きこみ「そんな安請け合いしていいのか?」と言った。
「でも……俺で役に立てるのならちょっとやってみたいし、いいよ宇辰、やってみるよ」
「本当か、雷亜!!有り難う!!」
宇辰は喜んで雷亜に抱きつこうとしたが、瞬時にシャノンが雷亜を抱え込んで後ろに退けてしまったため宇辰は自分で自分を抱く形になった。
「言っておくが猿!雷亜を貸すのは放課後の1時間だけな。それと猿がちゃんと時計を見れるかどうか怪しいから俺も同行する。それ以外はアメフト。分かったな!」
居丈高に言い放つシャノンに面食らった宇辰は一瞬沈黙したが、直ぐに抗議した。
「ちょっと待て!何でお前が仕切るんだ!それに俺は猿じゃないからちゃんと時間は分かるぞ!!だから、お前が付いて来る必要はない!」
「そうだぞ、シャノン。QBにポジションチェンジするつもりなら尚更お前は練習しなきゃ」
ルーカスもそう言って宇辰側に立つ。
シャノンは渋い顔をしながら雷亜を指差すと「こいつ一人だと猿に何を押し付けられるか分かったもんじゃないだろ?」と少し不平面で言った。
(何かって……シャノンは一体何を心配しているのだろう?)
雷亜は苦笑いをしながら、シャノンの袖を引っ張った。
「大丈夫だよ、シャノン。無理な事は無理ってちゃんと言うし」
「本当に?」
「うん。大丈夫」
重ねてそう答えたが、シャノンはそれでも納得しない様子で雷亜を引っ張り、宇辰達から引き離した。そして、雷亜の耳もとに唇を寄せ「お前を俺以外の男と二人きりにしたくないんだ」と囁いた。
雷亜はそれを聞くなり顔を真っ赤にさせた。そんな風にシャノンが思ってくれているなんて知らなかった。
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる