Broken Arrows

蓮華空

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達也の執着

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「雷亜!今度のハロウィンパーティーで一緒にステージに上がるぞ!」

「──え?!」

 なにそれ?という顔をしていると、宇辰が足をばたつかせながら「だから、前に言ったろ?俺とエモラップやるって!今日から練習だ!練習!衣装もバッチリ考えてるんだ、俺!」と、嬉しそうに目を輝かせた。

 いつの間にそんな話しになっているんだろう?と雷亜が驚いた顔をしていると、ルーカスが宇辰の肩を叩いた。

「悪いが宇辰くん。雷亜くんは俺達と一緒に今度のOB戦に向けてアメフトの練習をするのだよ。だから君のお遊びに付き合ってる暇はない」

「──はっ?!なにそれ?!」

 宇辰は糸目を全開まで押し広げて驚いた。

「雷亜くんは今日からアメフト部のエースだからさあ」

「な、なんだと?!雷亜がアメフト部?!入部したのか?」

 宇辰が首をグリンと曲げ雷亜に訊ねる。

「うーん……よく分からないけど、いつの間にかこれがロッカーに……」

 そう言って雷亜はユニフォームを広げて見せた。宇辰はそれを見るなりルーカスを睨み付けた。睨まれたルーカスはそっぽを向いて口笛を吹いている。

「無理矢理だな?無理矢理なんだな!おいおいルーカスよお~そういうのはよくないだろお~」

「いやいや、君だって同じでしょう?彼は一緒にラップやるって言ったのか?」

 すると今度は宇辰が「──うっ!」と一声漏らし退いた。

「ほらほら君だって勝手に決めてるじゃん」

「そ、それは……これからゆっくり話し合ってだなあ」

「うんうん。わかった、わかった一方的な話し合いをこれからするのね~」

「あんたが言えるようなことじゃないだろう!」

 シャノンに続いて今度は宇辰がルーカスとの言い合いになってしまった。雷亜は仕方なく間に入って二人をなだめた。

「分かった!分かった!どっちもやるからここでそんな争いはやめようよ!」

 と言うと、シャノンが心配そうな顔をして雷亜を覗きこみ「そんな安請け合いしていいのか?」と言った。

「でも……俺で役に立てるのならちょっとやってみたいし、いいよ宇辰、やってみるよ」

「本当か、雷亜!!有り難う!!」

 宇辰は喜んで雷亜に抱きつこうとしたが、瞬時にシャノンが雷亜を抱え込んで後ろに退けてしまったため宇辰は自分で自分を抱く形になった。

「言っておくが猿!雷亜を貸すのは放課後の1時間だけな。それと猿がちゃんと時計を見れるかどうか怪しいから俺も同行する。それ以外はアメフト。分かったな!」

 居丈高に言い放つシャノンに面食らった宇辰は一瞬沈黙したが、直ぐに抗議した。

「ちょっと待て!何でお前が仕切るんだ!それに俺は猿じゃないからちゃんと時間は分かるぞ!!だから、お前が付いて来る必要はない!」

「そうだぞ、シャノン。QBにポジションチェンジするつもりなら尚更お前は練習しなきゃ」

 ルーカスもそう言って宇辰側に立つ。

 シャノンは渋い顔をしながら雷亜を指差すと「こいつ一人だと猿に何を押し付けられるか分かったもんじゃないだろ?」と少し不平面で言った。

(何かって……シャノンは一体何を心配しているのだろう?)

 雷亜は苦笑いをしながら、シャノンの袖を引っ張った。

「大丈夫だよ、シャノン。無理な事は無理ってちゃんと言うし」

「本当に?」

「うん。大丈夫」

 重ねてそう答えたが、シャノンはそれでも納得しない様子で雷亜を引っ張り、宇辰達から引き離した。そして、雷亜の耳もとに唇を寄せ「お前を俺以外の男と二人きりにしたくないんだ」と囁いた。

 雷亜はそれを聞くなり顔を真っ赤にさせた。そんな風にシャノンが思ってくれているなんて知らなかった。



 











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