男子高校生ヒロサダの毎日極楽

ITO法人

文字の大きさ
139 / 181
2020年

年越し後の夜中に一体何が?(眞名井ちゃん編 後編)

しおりを挟む
 「コーヒー豆が1002粒(エチオピア)、コーヒー豆が1003粒(松野君、それはコーヒーではありません。黒い清涼飲料水ですよ)、」
 現在時刻は午前3時29分。眞名井ちゃんが男子部屋の前で珈琲麻呂こひまろが眠るのを待ち続けて、15分が経過した。
 
 「………………まだブツブツ言ってるわ………しかもどんどん早口に。もー!!!早く寝てちょうだいよぉ~っ!!!」
 小声で叫ぶ眞名井ちゃん。珈琲麻呂への怒りが最高潮に達した。
 
 「………………もう我慢できないわ………。私、今猛烈にヒロサダ君を欲している!!!この欲求、抑えきれないわ~!!!!!」
 現在時刻は午前3時32分。珈琲麻呂への怒りのボルテージよりも、ヒロサダへの欲求が高まり、抑えられなくなった眞名井ちゃん。その衝動により、男子部屋のドアを蹴破ろうと決めた。ちょうどその時だった。
 「………コーヒー豆が1068粒(コピ・ルアク)、コーヒー豆が1069粒(ブラック・アイボリー)………………………フンゴー、ンゴっ」
 松野さんのものとは月とスッポンと言えるほどの、汚物々おぶつぶつしいイビキが廊下まで鳴り響いてきた。そう、豆を数えていた珈琲麻呂が、ようやく眠ったのだ。眞名井ちゃんが男子部屋のドアに対し、上段蹴りを構えた直後だった。
 「………………ようやく寝た、のよね」
 高々と掲げた右足をそっと下ろし、眞名井ちゃんは無音でドアを開けた。

 「ヒロサダ君~、今行くわよ~!!!」
 そうささやいた眞名井ちゃんは、一番奥に寝ているヒロサダの元へと向かった。その道中、珈琲麻呂、フミタケ、プロテイが寝相悪く寝ていたが、抜群のスタイルの良さを誇る眞名井ちゃんは、その長い足を駆使くしし、誰にも気づかれることなく、いとも簡単にヒロサダの元にたどり着いた。

 「グフフッ、ヒロサダ君、グフッ、お待たせっ!!!」
 求めに求めたヒロサダの元に、幾多の苦難を乗り越えようやくたどり着いた眞名井ちゃんの呼吸は、小型犬のように荒い。 
 「グフッ、さてとっ!!!」
 眞名井ちゃんは、男子部屋に珈琲麻呂、フミタケ、プロテイがいる中で、ヒロサダとの時間を過ごしたいわけではなく、2人っきりの空間で濃密な時間を過ごしたかった。そんな眞名井ちゃんは、ヒロサダと2人っきりになる算段を付けていた
 「ヒロサダ君、グフフッ、行くわよ~」
 そう。単身赴任に行って空いている、ヒロサダの父ちゃんの部屋である。綿密に練った作戦も、後はヒロサダと一緒に父ちゃんの部屋に行くだけである。
 
 「よいしょっ……っと」
 177センチメートルの長身と、リュージュ強化選手に選ばれるほどの身体能力の高さを活かした眞名井ちゃんは、見事なモデル体型でありながらも、ヒロサダを上手にかつぎ、自分の布団が敷かれてある父ちゃんの部屋に向かった。
 「キラリン、ヒロサダ君借りるわね!」
 そう言い放ち、眞名井ちゃんは華麗な足取りでプロテイの布団を通り過ぎた。
 「フミタケ、ヒロサダ君借りるわね!」
 フミタケの布団を通り過ぎる際も同様だった。

 そうして男子部屋の出口に向かった眞名井ちゃんwithウィズヒロサダ。珈琲麻呂の布団を通り過ぎる際は、珈琲麻呂の喉元を2~3度踏みつけ、部屋の外に出た。
 「………フッ、フゴゴゴオッ!?」
 珈琲麻呂のうめき声に耳もくれず、眞名井ちゃんwithヒロサダは父ちゃんの部屋へ小走りで向かった。

 「さてとヒロサダ君~!これで二人っきりね!!!」
 熟睡しているヒロサダを、アスリートのテクニックを活かし、器用に布団に寝かせた眞名井ちゃん。
 「あら、お布団が1つしかないじゃない………………。仕方ない!!!ヒロサダ君!お邪魔しま~す!!!」
 誰に対して言ったわけでもないが、そう言い残しヒロサダの待つ(寝る)布団に、リュージュのスタートで助走をつける時のような勢いで飛び込んでいった眞名井ちゃん。
 「グフッ、ヒロサダ君~!グフフッ、グフッ」

 こうして眞名井ちゃんとヒロサダは、1つの布団の中で朝を迎えたのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妹の仇 兄の復讐

MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。 僕、孝之は高校三年生、十七歳。妹の茜は十五歳、高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。 その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...