男子高校生ヒロサダの毎日極楽

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2020年

母ちゃんの漬物編

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 お正月の朝。ヒロサダ達は母ちゃんの作ったお雑煮を堪能している。

 「やっぱり母ちゃんの作るお雑煮は、絶品じゃな~!!!」
 ヒロサダがしみじみとお雑煮を味わっている中、皆の注目はお雑煮の付け合わせとして出された、漬物に注がれている。
 
 「ふむふむ。お母さん、このお漬物、絶品ですよ」
 「松野、普段あまりお漬物食べないけど、このお漬物は大好きかなぁ~」
 「ホー!!!」
 多種多様な漬物の、あまりのおいしさに箸が止まらず、皆競い合うように漬物をおかわりしている。
 
 「あらあら~、そんなに喜んでくれると、作った甲斐があるわ~」
 照れ隠しのランダバを踊りながら皆に漬物をよそう母ちゃんと、その漬物が母ちゃんの手作りだったことに驚く珈琲麻呂こひまろとフミタケと松野さん。
 「これはこれは。お母さん、いったいどう作ればこんなにおいしいお漬物が???私のコーヒーとの相性も抜群かと」
 「ホー――!!!!」
 「松野も、どうやって作るのか、気になるかなぁ~」
 珈琲麻呂は純粋な気持ちで、フミタケはなんとなく、松野さんはヒロサダの胃袋をつかむために、皆それぞれ母ちゃんの漬物について興味津々。
 「あらあら、そんなにはしゃがなくても。これはね~」
 「待ってくださいお母様!!!」
 母ちゃんが皆に説明しようとしたその時。眞名井ちゃんが割り込んできた。
 「私に説明させてください!!!」
 ヒロサダと濃密な夜を過ごした眞名井ちゃんは誰よりも早くリビングへと起きてきて、母ちゃんに気に入られようと思い、手伝いをしていた際、母ちゃんから漬物についての話を聞いていたのだ。
 
 「あら~、眞名井ちゃんって言ったかしら!!!頼もしいわ~」
 「はい!!!では私から説明させていただきます!!!お母様!!!」
 ヒロサダを奪い合う恋敵こいがたきとして、自分よりも一歩も二歩も先を進んでいる眞名井ちゃんに対し、自分も負けたくないと強く思った松野さんと、その他二名(フミ&珈琲)はメモを取る勢いで、食いつくように眞名井ちゃんの話を聞き入った。
 「お漬物を作るとき、大事なのは愛情なんですよね~」
 「眞名井ちゃんっていったかしら~、その通りよ~」
 母ちゃんに褒められ、デレデレしている眞名井ちゃん。
 「じゃあ、眞名井ちゃんって言ったかしら~。漬物のすべてを学ぶのにぴったりなお漬物が一つあるんだけど、何かわかるかしら~???」
 「………そ、それはですね………」
 難しい質問をされ、悩んでいる眞名井ちゃん。その姿を見て少しでも安心した松野さん。
 「皆も分かるかしら~???」
 ここで正解を出せれば、ヒロサダの母ちゃんから一目置かれる存在になることは分かっていたが、あまりに見当がつかず、黙り込む女子二人。
 「ふむふむ。らっきょう漬け。ですね」
 「ホー!!!キューちゃん漬けじゃないかホー???」
 そんなことはお構いなしに次々と回答し始めるその他二人組。
 「全然違うわよ~」
 「…………………………」
 「…………………………」
 母ちゃんに一蹴され、黙り込むその他二人組。
 ヒロサダがお雑煮をすする音のみが響く閑静なリビング。
 
 「ドゥルルルッルルルルルルルゥ~」
 正解を発表しようと、母ちゃんがノリノリでドラムロールを演奏しているその時だった。
 「………おぃ~。奈良漬けだおぃ~」
 ヒロサダの隣でお雑煮を食べていたプロテイが答えた。
 「ドゥルルゥ~!!!あ、あら~、内筋野肉うちきんのにく君って言ったかしら~!!!正解よ!!!」
 意外な人物から正解が出たことによりどよめくリビング。次いで母ちゃんは、
 「じゃあ、どうして奈良漬けから、お漬物のすべてが学べるのか、分かるかしら???」
 第三者から答えが出たことに動揺した眞名井ちゃんと松野さんだったが、さすがにこの質問は答えられまいと高をくくり、なぜか余裕の表情を浮かべている。
 
 この問題は難しすぎる。誰もがそう思った、その時だった。
 「おぃ~。奈良漬けからはぁ~、漬物の多様性がぁ~、学べるからだおぃ~」
 「!!!内筋野肉くんって言ったかしら!!正解よ~!!!」
 さらにどよめくリビング。
 「内筋野肉って言ったかしら~!!!頼もしいわ~」
 「おぃ~。プロテイでいいですおぃ~」
 「あっら~、プロテイ君って言ったかしら~!!!HIROちゃん、本当にいいお友達を持ったわね~!!」
 「じゃろ~母ちゃん!!!」
 母ちゃんに大変気に入られたプロテイ。もちろん、昨夜目に入ったDVDからの知識だったのだが、何がきっかけで気に入られるかは誰にも予想できないものだ。
 
 「き、キラリン………!」
 「キラリン君!!!松野、びっくりかなぁ~」
 母ちゃんに誰よりも気に入られたキラリンことプロテイ。眞名井ちゃんと松野さんからライバル視されてしまったのであった。
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