男子高校生ヒロサダの毎日極楽

ITO法人

文字の大きさ
79 / 181
2018年上半期

ラーメン(辛麺編)

しおりを挟む
 「おお~、ここですかじゃ~!」
 ヒロサダは今話題の辛麺からめん屋に来ている。
 辛麺とは、宮崎県延岡市発祥の麺料理だ。ニンニクの効いた醤油ベースのスープに具材はニラ、ひき肉、溶き卵といったシンプルな食材。麺は、そば粉で作った通称“こんにゃく麺”といった辛麺オリジナルのものから、ラーメンでおなじみの中華麺やちぢれ麺、更にはうどん麺まで好きな麺を選べるのだ。そして、スープ、麺、具材を盛り付け出来上がり!と思いきや、その上から大量の唐辛子を!!!。辛いものが苦手な人にも安心、唐辛子の量で辛さを調節できる。締めにはスープにご飯を入れて雑炊のようにして食べる。それが辛麺なのだ。
 現在、辛麺は次なる日本のソフルフードとなるべく、宮崎県から全国へと広まっているのだ。ヒロサダの地元でも最近出店されて、今話題になっているのだ。
 「ふふ。ヒロサダ君!とっても美味しそうね!」
 無理やりヒロサダと腕を組んでいる眞名井まないちゃんも新しい境地に興味津々だ。
 この日は休日。制服以外の服装で会うのは初めてで、眞名井ちゃんはすっかりデート気分だ。
 「わ、わしにはさかもとっちゃんが……」
 グイグイくる眞名井ちゃんに、少々遠慮気味に呟くヒロサダ。
 「ヒロサダ君と2人っきりでご飯なんて、私、嬉しくて昇天しちゃいそう~!!!。はぁ、本当にこの人がいなかったら………」
 「週番前を~ヒロサダ、週番前を~眞名井。席空いてたか週番前を~?」
 そう、萩ノ宮奴紗幸はぎのみやどしゃこう先生こと、おはぎだ。

 この日は、ヒロサダと眞名井ちゃん、別々におはぎに呼び出されて学校の隣のブブゼラ広場に来たところ、おはぎが2人とどうしても一緒に昼食を食べたいというので、急遽おはぎの車で辛麺屋まで来たのだ。

 おはぎが駐車場に車を駐めに入っている間、ヒロサダと眞名井ちゃんは先に店に入り、席をとっておいたのだ。
 「それにしても先生!今日は本当にありがとうございますじゃ~」
 「こんないいお店紹介してもらって。また今度ヒロサダ君と2人っきりで来ます!」
 「おいおい週番前を~。わしのことは週番前を~、おはぎと週番前を~、呼んでくれ週番前を~」
 さすがに先生の前で先生のことを“おはぎ”とはすぐには呼べない2人。今後、3人の仲は深まり、ヒロサダと眞名井ちゃんが萩ノ宮奴紗幸先生のことを直接“おはぎ”と呼ぶ日が来るのだが、その話はまたいつか。
 「それにしても先生、駐車場はありましたかじゃ~??長いこと待ったので心配しましたじゃ~」
 「結構探したが週番前を~、なんとか週番前を~、あったぞ週番前を~」
 「全く……。先生の愛車がロードローラーじゃなかったらすぐに駐め場見つかったんでしょうけどね」
 心配するヒロサダに対して厳しい眞名井ちゃん。ヒロサダと2人っきりではないことがその態度に結びついている。
 「眞名井には週番前を~、本当に週番前を~、申し訳ない週番前を~………。わしの愛車は週番前を~、2人乗りだから週番前を~、眞名井を乗せることが週番前を~、できなくて週番前を~………」
 謝るのならそのことではなく、今日この場におはぎがいることを謝ってほしいと思った眞名井ちゃんは、おはぎの謝罪をシカトした。
 「ま、まぁまぁ先生。眞名井ちゅわ~んが免許持っててよかったじゃないですかじゃ~。こうして3人で来れたわけですし、注文しましょうじゃ~!」
 運よく眞名井ちゃんはフォークリフトの免許を持っていたため、ヒロサダを乗せおはぎが運転するロードローラーの後ろを眞名井ちゃんはフォークリフトでついて行ったのだ。
 
 「注文お願いしますじゃ~!!!」
 ヒロサダの声に反応し、店員がラートに乗って注文を取りに来た。
 「ご注文をお伺いします。辛さはどうしましょう???」
 辛麺の良いところは辛さを選べるところと言ったが、唐辛子の量で0辛(唐辛子無し)から100辛まで選ぶことができるのだ。20辛を超えたあたりから、唐辛子がスープを吸ってしまうほどの量になるため、大半の人は10辛未満で注文する。辛いものが好きな人は10辛や15辛といった風に注文するのが一般的である。
 「では週番前を~、わしは週番前を~、愛称が週番前を~、“おはぎ”になった週番前を~、記念として週番前を~、おはぎ085辛として週番前を~、85辛でお願いします週番前を~」
 「……………、申し訳ありませんが、もう一度お願いします」
 「週番前を~、85週番前を~、辛で週番前を~、お願い週番前を~、します週番前を~」
 聞き取ることを諦めた店員は、隣にいたヒロサダに聞いた。
 「ヒロサダ君はどうする???」
 「そうじゃなぁ~。わしは、0辛にしようかの!」
 この日に限ってヒロサダは口内炎ができていたため、辛いものを食べることができなかったのだ。
 「じゃあ私も0辛~!!!」
 ヒロサダと同じものを頼めて満足そうな眞名井ちゃん。
 「ではご注文を繰り返します。辛麺の85辛が1つに、0辛が2つ。以上でご注文の繰り返しを終わります」
 0辛を頼んだ2人に、1辛でもいいから唐辛子入りの辛麺を食べてほしかったと思ったおはぎなのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...