2 / 47
2.「奇跡の花~神子になって大陸を救おう~」とは
しおりを挟む
恋愛シミュレーションゲームである。
マルベーこと、天田(あまだ)健人(けんと)(前世の名前)は今でもよく覚えている。「奇跡の花~神子になって大陸を救おう~」(通称キセハナ)とアニメの題名そのままだった。
当時、大ヒットしたゲームアプリがアニメ化!と触れ込みで、健人はそこでゲームの存在を初めて知った。
大小様々な国がひしめくロード大陸の一つ、ウィダード王国。そこに神子として生まれた主人公が、様々な相手と恋愛をしていく、というのが概要だった。
設定としては男女性からバース性(アルファ、ベータ、オメガ)が存在し、そこにファンタジー要素が取り入れられていた。それが獣人。
昨晩、マルベーに婚約破棄を言い渡してきたのは、灰色狼族の第二王子カルロ。この世界では人間のオメガは獣人の子を孕みやすい、というのが通説らしく、オメガ性であるマルベーが婚約したのは数年前。
学園を卒業してぷらぷら(ニート)していた時だった。
「ま、それも昨日でおじゃんよ~」
部屋に軟禁されたマルベーは、独りごちる。昨日、ショックで錯乱した母親に、部屋にぶち込まれたのだ。頭を冷やせと言われたが、落ち着くのは母親の方だろう。いつものツンと済ました顔はどこに行ったのか、化粧が剥げ落ちるほど号泣していた。
「何を呑気にしてるんですか……」
マルベー一人では無かった。ヴァロワ家の騎士、ラファイエットがいた。家紋を表す刺繍が眩しい、イタチ族出身の28歳。マルベーの二つ下で、ほぼ兄弟同然に育った。
「怒ってる? 尻尾出てるよ」
マルベーの指摘に、ラファイエットがはっと後ろに手を回す。この世界に馴染むにつれて、アニメでは知り得なかったローカルルールにも順応していった。
獣人は完全に獣の姿になることもできるが、それを晒すのはごく親しい身内のみ、とか。普段耳とか尻尾を見せるのは高貴な人だけで、他は完全に人間の姿で過ごすのがマナー、などなど。
「……少しは自重してください」
「でもなぁ、もう過ぎたことだしさ。しょうがなくない?」
疲れたように、ラファイエットが目頭を揉む。苦悶した顔も様になるなと、マルベーはまた現実逃避をしていた。
兄弟のように育った騎士は、明るい茶髪に黒い瞳の美青年だった。すっと通った鼻筋など特に美しく、女中とかがよく騒いでいる。
騎士の制服が映える体格もヨシ。家の階級もそこそこ。どうしてこんな良い男が、こんな歳まで未婚なのか……
「今朝、旦那様が意識を取り戻されました」
「マジ? 良かった~」
マルベーの表情と反比例するように、ラファイエットは暗くなる。
「……マルベー……この歳まで、それもオメガで未婚って、どれくらいヤバいか分かってるのか?」
「いや、それお前にも言えることやん。俺はこの虚言で売れ残るのは分かるけどさ~、お前はなんかよっぽど変な性癖あんの?」
(三十の未婚で責められるとか、前世だったらあり得ないから)
二人っきりで口調が砕けても、小言は続く。何か言いたげに、頭をくしゃくしゃにされて、笑い声を上げた。
「お前、顔は良いんだから。それにその、あー……虚言さえ無かったら、良い奴だって俺は分かってる」
「でも地味なんだよな~」
卓上の鏡台に映し出されたのは、どこにでもいそうな、年相応の青年。母親譲りの黒髪に、父の青い目を持って生まれたが、いまいちパッとしない。おそらく華やかさが無いせいだろう。
健人の時はただのベータで、イケメンでも無かったのに。記憶を取り戻す過程で一番ショックだったのは、オメガなのに美しさが備わっていなかったことだ。
「お前の良さを分かってくれる人はきっと現れるから」
「そんなことよりさ~、移住しない?」
騎士の憐憫をよそに、マルベーはこの先の未来を思案していた。
「移住、移住ってお前なぁ」
「本気だよ。ウィダード王国に行こう」
深夜アニメを食い入るように見ていた健人時代。サラリーマンだったが、常に金が無かった。当時の彼女には大企業のエリートだと嘘をついて、高級外車で送り迎え、オーダーメイドのスーツ、時計、食事にホテル代、全て払っていた。
いくつもの消費者金融から限度額いっぱいまで金を借りて、見栄を張っていた。そうして無理して借りた、麻生十番のマンションで楽しんでいたのは、無料のコンテンツ。それが深夜アニメ。
キセハナも最初は全く興味は無かったが、無料だったので楽しんだ。
『おんどりゃ~、人のスケに何いてこましとんねんっ!!』
『ひぃぃ~』
健人時代は、長く続かなかった。付き合っていると思っていた彼女には本命がいて、それもコテコテの反社。今時聞いたこともない台詞に、柄の悪そうな入れ墨を入れた男と、マンション前で揉み合いになった。
『っぁ……』
ド突かれて、健人は道路に飛び出した。ちょうどそこを走ってきたスポーツカーに撥ねられて……
「……べー、マルベー!」
「……ん? あ、ごめん、ぼーっとしてたわ」
オルデム国ヴァロワ公爵家三男として、第二の人生を歩むことになった。
「もう良いよ、いつものことだしな」
「悪い、悪い。で、なんだっけ」
「だから、なんでウィダード王国なんだ? 親戚もいないし、あの国とうちはあまり交流無いだろう」
「うーん……? この国、あと数年で侵略されるから」
騎士はまたその話か……と呆れた顔になる。もう何回も言っているが、前世の虚言癖が直らず、まともに取り合って貰えた試しがない。
「あり得ない。アルテナードだろ? お前の嘘が今のとこ大事になってないのはね、しょうもないことばかり言ってるからだ。でもこれ以上吹聴すれば、外交にだって響く可能性があるんだぞ?!」
「ホントなんだけどな~」
マルベーとして生まれた境遇は、前世より何倍も良かった。肥沃な土地を持ち、領民に慕われる公爵家。金は使いたい放題だし、三男で跡取りとしての期待もされてないから自由にできる。
でもこの自由は、期限があった。
マルベーこと、天田(あまだ)健人(けんと)(前世の名前)は今でもよく覚えている。「奇跡の花~神子になって大陸を救おう~」(通称キセハナ)とアニメの題名そのままだった。
当時、大ヒットしたゲームアプリがアニメ化!と触れ込みで、健人はそこでゲームの存在を初めて知った。
大小様々な国がひしめくロード大陸の一つ、ウィダード王国。そこに神子として生まれた主人公が、様々な相手と恋愛をしていく、というのが概要だった。
設定としては男女性からバース性(アルファ、ベータ、オメガ)が存在し、そこにファンタジー要素が取り入れられていた。それが獣人。
昨晩、マルベーに婚約破棄を言い渡してきたのは、灰色狼族の第二王子カルロ。この世界では人間のオメガは獣人の子を孕みやすい、というのが通説らしく、オメガ性であるマルベーが婚約したのは数年前。
学園を卒業してぷらぷら(ニート)していた時だった。
「ま、それも昨日でおじゃんよ~」
部屋に軟禁されたマルベーは、独りごちる。昨日、ショックで錯乱した母親に、部屋にぶち込まれたのだ。頭を冷やせと言われたが、落ち着くのは母親の方だろう。いつものツンと済ました顔はどこに行ったのか、化粧が剥げ落ちるほど号泣していた。
「何を呑気にしてるんですか……」
マルベー一人では無かった。ヴァロワ家の騎士、ラファイエットがいた。家紋を表す刺繍が眩しい、イタチ族出身の28歳。マルベーの二つ下で、ほぼ兄弟同然に育った。
「怒ってる? 尻尾出てるよ」
マルベーの指摘に、ラファイエットがはっと後ろに手を回す。この世界に馴染むにつれて、アニメでは知り得なかったローカルルールにも順応していった。
獣人は完全に獣の姿になることもできるが、それを晒すのはごく親しい身内のみ、とか。普段耳とか尻尾を見せるのは高貴な人だけで、他は完全に人間の姿で過ごすのがマナー、などなど。
「……少しは自重してください」
「でもなぁ、もう過ぎたことだしさ。しょうがなくない?」
疲れたように、ラファイエットが目頭を揉む。苦悶した顔も様になるなと、マルベーはまた現実逃避をしていた。
兄弟のように育った騎士は、明るい茶髪に黒い瞳の美青年だった。すっと通った鼻筋など特に美しく、女中とかがよく騒いでいる。
騎士の制服が映える体格もヨシ。家の階級もそこそこ。どうしてこんな良い男が、こんな歳まで未婚なのか……
「今朝、旦那様が意識を取り戻されました」
「マジ? 良かった~」
マルベーの表情と反比例するように、ラファイエットは暗くなる。
「……マルベー……この歳まで、それもオメガで未婚って、どれくらいヤバいか分かってるのか?」
「いや、それお前にも言えることやん。俺はこの虚言で売れ残るのは分かるけどさ~、お前はなんかよっぽど変な性癖あんの?」
(三十の未婚で責められるとか、前世だったらあり得ないから)
二人っきりで口調が砕けても、小言は続く。何か言いたげに、頭をくしゃくしゃにされて、笑い声を上げた。
「お前、顔は良いんだから。それにその、あー……虚言さえ無かったら、良い奴だって俺は分かってる」
「でも地味なんだよな~」
卓上の鏡台に映し出されたのは、どこにでもいそうな、年相応の青年。母親譲りの黒髪に、父の青い目を持って生まれたが、いまいちパッとしない。おそらく華やかさが無いせいだろう。
健人の時はただのベータで、イケメンでも無かったのに。記憶を取り戻す過程で一番ショックだったのは、オメガなのに美しさが備わっていなかったことだ。
「お前の良さを分かってくれる人はきっと現れるから」
「そんなことよりさ~、移住しない?」
騎士の憐憫をよそに、マルベーはこの先の未来を思案していた。
「移住、移住ってお前なぁ」
「本気だよ。ウィダード王国に行こう」
深夜アニメを食い入るように見ていた健人時代。サラリーマンだったが、常に金が無かった。当時の彼女には大企業のエリートだと嘘をついて、高級外車で送り迎え、オーダーメイドのスーツ、時計、食事にホテル代、全て払っていた。
いくつもの消費者金融から限度額いっぱいまで金を借りて、見栄を張っていた。そうして無理して借りた、麻生十番のマンションで楽しんでいたのは、無料のコンテンツ。それが深夜アニメ。
キセハナも最初は全く興味は無かったが、無料だったので楽しんだ。
『おんどりゃ~、人のスケに何いてこましとんねんっ!!』
『ひぃぃ~』
健人時代は、長く続かなかった。付き合っていると思っていた彼女には本命がいて、それもコテコテの反社。今時聞いたこともない台詞に、柄の悪そうな入れ墨を入れた男と、マンション前で揉み合いになった。
『っぁ……』
ド突かれて、健人は道路に飛び出した。ちょうどそこを走ってきたスポーツカーに撥ねられて……
「……べー、マルベー!」
「……ん? あ、ごめん、ぼーっとしてたわ」
オルデム国ヴァロワ公爵家三男として、第二の人生を歩むことになった。
「もう良いよ、いつものことだしな」
「悪い、悪い。で、なんだっけ」
「だから、なんでウィダード王国なんだ? 親戚もいないし、あの国とうちはあまり交流無いだろう」
「うーん……? この国、あと数年で侵略されるから」
騎士はまたその話か……と呆れた顔になる。もう何回も言っているが、前世の虚言癖が直らず、まともに取り合って貰えた試しがない。
「あり得ない。アルテナードだろ? お前の嘘が今のとこ大事になってないのはね、しょうもないことばかり言ってるからだ。でもこれ以上吹聴すれば、外交にだって響く可能性があるんだぞ?!」
「ホントなんだけどな~」
マルベーとして生まれた境遇は、前世より何倍も良かった。肥沃な土地を持ち、領民に慕われる公爵家。金は使いたい放題だし、三男で跡取りとしての期待もされてないから自由にできる。
でもこの自由は、期限があった。
23
あなたにおすすめの小説
転生した新人獣医師オメガは獣人国王に愛される
こたま
BL
北の大地で牧場主の次男として産まれた陽翔。生き物がいる日常が当たり前の環境で育ち動物好きだ。兄が牧場を継ぐため自分は獣医師になろう。学業が実り獣医になったばかりのある日、厩舎に突然光が差し嵐が訪れた。気付くとそこは獣人王国。普段美形人型で獣型に変身出来るライオン獣人王アルファ×異世界転移してオメガになった美人日本人獣医師のハッピーエンドオメガバースです。
小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)
九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。
半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。
そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。
これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。
注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。
*ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています
水凪しおん
BL
前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。
そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。
アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。
しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった!
リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。
隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか?
これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
小っちゃくたって猛禽類!〜消えてしまえと言われたので家を出ます。父上母上兄上それから婚約者様ごめんなさい〜
れると
BL
【第3部完結!】
第4部誠意執筆中。平日なるべく毎日更新を目標にしてますが、戦闘シーンとか魔物シーンとかかなり四苦八苦してますのでぶっちゃけ不定期更新です!いつも読みに来てくださってありがとうございます!いいね、エール励みになります!
↓↓あらすじ(?)
僕はツミという種族の立派な猛禽類だ!世界一小さくたって猛禽類なんだ!
僕にあの婚約者は勿体ないって?消えてしまえだって?いいよ、消えてあげる。だって僕の夢は冒険者なんだから!
家には兄上が居るから跡継ぎは問題ないし、母様のお腹の中には双子の赤ちゃんだって居るんだ。僕が居なくなっても問題無いはず、きっと大丈夫。
1人でだって立派に冒険者やってみせる!
父上、母上、兄上、これから産まれてくる弟達、それから婚約者様。勝手に居なくなる僕をお許し下さい。僕は家に帰るつもりはございません。
立派な冒険者になってみせます!
第1部 完結!兄や婚約者から見たエイル
第2部エイルが冒険者になるまで①
第3部エイルが冒険者になるまで②
第4部エイル、旅をする!
第5部隠れタイトル パンイチで戦う元子爵令息(までいけるかな?)
・
・
・
の予定です。
不定期更新になります、すみません。
家庭の都合上で土日祝日は更新できません。
※BLシーンは物語の大分後です。タイトル後に※を付ける予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる