鈍感令嬢に恋した時から俺の苦労は始まった

魔法の鍛錬、頑張りました

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　暖かい日差しが心地良く、王宮の中庭の花も咲き乱れ、散歩をするには最高の気候になった。
　
　俺は公務の書類とにらめっこしていたが、ふと顔を上げ、窓から入ってくる眩しい光に目を細める。

　クラリスとミカエル、ジェスターの4人でピクニックによく行ったなぁ。
　アルフォント家の敷地内に川があって、サンドイッチ持ってさ。釣りとかもしたりして。
　楽しかったけど、あの頃から俺達は牽制しあっていたからなぁ。

　しばらく、クラリスと会ってないな。

　一抹の寂しさを覚え、両手で持っていた書類を机に置いた。寂しさを追い払うかのように思いっきり背伸びをし、頬杖をつく。

　今、クラリスは、忙しいので会うことが難しい。
　なにがそんなに忙しいのかというと、魔法が発現すると、魔道士協会から先生が派遣され、マンツーマンで魔法の授業を受ける為、猛勉強中なのだ。
　魔法とはなにか？　から始まり、魔法の歴史、魔法の法律、魔法の禁忌、魔法の原理などを学び、魔法という力を正しく理解する、魔道士として大切な時期である。
　クラリスはSSクラス魔道士だからか、時間をかけて、勉強しているらしい。
　
　俺が会いに行けない間、ミカエルが一緒に勉強したりしていて、ベッタリだと報告を受けた。
　
　義弟おとうとなのをいいことに、独り占めかよ！
　
　その事を思うとイライラするが、クラリスの笑顔を思い出し、心を落ち着かせる。思い出すだけで幸せなんて、ヒーリング効果抜群だな。

　猛勉強中ということもあり、婚約破棄の件が頓挫とんざしているのは、ありがたい。
　このまま、婚約破棄の話、忘れてくれないかなぁぁ。