鈍感令嬢に恋した時から俺の苦労は始まった

魔法の鍛錬、頑張りました

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「先生、SSクラス魔道士を俺が守ることはできますか？」

　俺が質問を投げかけると、ザラは少しだけ顔を上げ、目をキラリと光らせた。

「ほお……王子の婚約者、クラリス・アルフォント嬢のことですか？　彼女はSSクラス魔道士に認定されましたからね。ああ、なるほど、ジェスターもクラリス嬢の為に鍛錬を頑張っているんですね。守れますよ。コントロールとセンスを磨けば」

　再び、書類を処理し始めたザラの言葉を聞いて、俺は俄然がぜんやる気を出す。

「ザラ先生、鍛錬、よろしくお願いします」
「とりあえず、魔法を使って脱出してきなさい」

　え？

「私はここにいますが、貴方の魔法、体力、動向、命、全て把握できます」

　へ？

「では、行きなさい」

　は？

　ザラは左手に持った書類に視線を落としたまま、右手で指をパチンと鳴らす。
　俺は指の音を合図に、いきなりものすごいスピードで窓から飛ばされ、川が見えたと思った瞬間、魔法の力で川へ思いっきり沈められる。

　はあああああああ！？