鈍感令嬢に恋した時から俺の苦労は始まった

桜乃

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クラリスが17歳になりました

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 セドニー王子が帰国してからの1ヶ月間、俺は悶々としながら過ごしていた。

 どんなに恋敵ライバルが増えても、俺がずっとクラリスを想い続けていられたのは、クラリスに好きな人がいなかったからだ。

 鈍感で、恋愛に疎くて、人が良くて、優しくて、笑顔がとびっきりかわいくて……俺の大切な初恋で…………好きな人がいる……? 

 この1ヶ月、クラリスの周囲をいつも以上に観察したが、それらしい男は見当たらない。
 叶わぬ恋……ジェスター、ミカエルなら叶わぬ恋にならないだろう。エドワード、ザラだとしてもだ。まさか、令嬢友達のローザ嬢か!?
 いや、セドニー王子は気になると言っていたじゃないか……

 誰だよ……クラリスの好きな人って。誰なんだよ……


 俺は不安な気持ちを抱えたまま、クラリスの17歳の誕生日を迎えることとなった。

 17歳の誕生日は特別だ。

 貴族の令嬢は社交界デビューと結婚できる年齢になったことをお祝いする為、盛大なパーティーを催すのが慣例だ。公爵家の令嬢であるクラリスも例外ではなく、数ヶ月前から俺にも招待状が届いていた。

 パーティーの主役である令嬢に婚約者がいる場合、婚約者のお披露目を兼ね、皆の前でダンスを踊るのがしきたりである。このダンスは世間に俺が婚約者であることを大々的アピールできる絶好の機会になるわけだが……はぁ……好きなやつがいるのか……叶わないってどういう意味なんだろう……相手がもう結婚してるとか? 叶わない相手ならまだ俺にも望みはあるのか?
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