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対面 ―たいめん― side クラリス
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しおりを挟む「…………あ」
「…………あ」
私とザラ様の声が重なる。
途端、ピアスからまばゆい光が発せられ、びっくりした私は、へっ!?と令嬢らしからぬ声を口から漏らし、慌ててピアスから手を離した。
もしかして……壊れた!?
サァァと自分の血の気が引く音が聞こえ、おそるおそるザラ様を盗み見る。無表情でピアスを見つめる目が怖い。
多忙の中、作った物を数秒で壊される……これ……絶対に激怒案件……です…………よね……?
昨日のお茶会でジェスター様とアルベルト様の会話が突如、ボンと頭によぎった。
「川にも沈められたな」
「氷漬けにもされそうになったし」
「炎魔法なんて、炭になる寸前で」
「ザラ先生の授業だけど?」
なんで、今、そんな恐ろしい台詞思い出すかなーー!?
心の中でセルフツッコミを入れながら、落ち着けと深呼吸をし、自分に何度も言い聞かせる。
壊れてない、壊れてない、きっと壊れてない! あれぐらいで壊れるわけないじゃない。なんてったって、天才大魔道士ザラ様のお手製なんだからぁ!
根拠のない自信とザラ様は天才だから大丈夫だという他力本願な理由を頭の中で繰り返し、ドッドッドと早鐘を打っている心臓を慰めながら、発光し終わった透明なピアスに視線を移す。ピアスは何事もなかったかのようにテーブルにコロンと転がっていた。
「えっ!?」
次の瞬間、思わず驚きの声が出てしまう。
ピアスの石の色が…………変わったのだ。
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