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同行 ―ドウコウ―
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しおりを挟む「あ、あっ、ごめんなさい。疲れてぼーっとしちゃったみたいで……」
慌てて微笑むクラリスに、僕も笑みを返す。
疲れて……そんな感じじゃなかったけど。クラリスは何を考えていたんだろう。
「疲れてるの? 大丈夫?」
彼女が話すつもりがないなら、無理に聞くことはしない。
けど、気にはなるな……変な事考えてなきゃいいけど……たとえば、僕とローザの仲を疑ってるとか。
「ありがとうございます。えっと……大丈夫です。あ、もうこんな時間。行かなきゃ!」
「行かなきゃって……疲れてるのに、どこかに行かなきゃいけないの?」
「あ、はい」
クラリスは時計をチラチラ気にしながら、帰り支度を始めた。
「差し支えなければ、どこに行くか聞いても?」
「ええっと……」
言い辛そうなクラリスの姿に、僕は消去法で誰に会いに行くか答えを導き出した。
まず、アルベルトとミカエルが僕に内緒で……はたぶん無理だな。クラリスもきょとんとした顔で「なんでですかー? ジェスター様とは親友じゃないですかぁ。誘いましょうよ!」と無邪気にからから笑うだろう。
エドワードは、そんな細かい指示は出さない。性格的に。
クラリスが時間を必要以上に気にしているという事は、相手は年上。しかも、厳しめな性格だ。
残るは……
「もしかしてザラ先生?」
「え、あ、は、はい!」
とても驚いた顔で僕をまじまじと見たクラリス。
『なんでわかったの!?』
口には出さないものの、言動を見ていればクラリスの思っている事は何となくわかる。
クラリスは当てられたことが不思議なようで、顔に書いてあったのかと両手で顔を隠した。
いや、今更でしょ。本当にもう……行動がいちいちかわいいんだよなぁ。
笑うのを堪えきれず、僕は思わず吹き出してしまう。
「ザラ先生のとこ、僕も一緒に行こうかな」
僕がにこりと笑顔を見せると、ザラに、内密にと言われていたであろうクラリスは戸惑っていた。
クラリスの少し困った顔も、またかわいい。
……その後、アルベルトとミカエルに見つかり……というか、二人は門でクラリスを待っていた。そして、僕らの姿を見るなり、開口一番『ジェスターになんか変な事されなかった?』と言い放つ。
……失礼だな、あいつら。
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