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別宅にて……
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しおりを挟む事の始まりは1週間前……
義父さまの執務室で仕事を手伝っていた時……ノックの音と共に、義姉さまが入ってきた。
ちょうど義父さまが僕の婚約者に名乗りをあげているナザイル侯爵令嬢の話をしていたタイミングで、義姉さまに聞こえてしまったのでは!? と僕は焦る。
「ミカエルの部屋にいったら、お父さまの執務室だって聞いたから……」
一瞬、ブルーの瞳に戸惑いの色が現れたように見えけど、気のせいだったようで、義姉さまはニコニコしていた。
僕は安堵する。
良かった。聞かれてないみたい。
もちろん、この話は断るし、変な誤解はされたくない。ありがたい事に義父さまは、無理に政略結婚はしなくていい。と言ってくれている。
「僕のかわいい娘はミカエルの事ばかりだね。たまには、父さまを構っておくれ」
からかい口調で義姉さまに笑いかけた義父さま。それを横で聞いていた僕は少し照れてしまい、仕事に集中している振りをした。
たしかに、僕達は仲のいい義姉弟だと思う。
たぶん、普通以上に……あくまで義姉弟として……だけどさ。
「もう! お父さまったら。いつも忙しくて、構ってもらえないのは私の方ですわ」
義姉さまが少し顔を赤らめて、義父さまに反論すると、苦笑しながら義姉さまの頭をポンポンと軽く叩く。
「はいはい。ところで、ミカエルに用事があったのかい?」
「もう、お父さま。私は子供じゃありません」と言いつつも、義姉さまが義父さまを見る目は嬉しそうで、僕は、この親子のじゃれ合いをほのぼのした気持ちで眺めていた。
「あのね、ミカエル。試験休みにね、湖畔の別宅に行かないかなって誘いにきたの」
義姉さまが僕の方を向き直り「どうかな?」と首を傾げ、僕は嬉しいお誘いにパッと顔を上げる。
えっ! 行きたい!
行きたい……仕事……1日くらいは時間空けられるかな。
今、抱えている仕事と試験休みの間の義父さまの手伝いを頭の中でシミュレーションしていると、義父さまが僕に微笑んだ。
「ミカエル、行っておいで」
「いいですか? ありがとうございます」
嬉しい! 義姉さまとお出かけだ。
これは……デートってやつじゃない?
「2日間くらいは休めるようにするつもりだったしね。せっかくだし、泊りで行ってきなさい」
「…………えっ?」
動きを止め、ゆっくり義父さまを見る。
義父さまは、いつもと変わらない穏やかな顔でニコニコしていて……
とまり……? 泊り? 義姉さまと……?
えっ……デートどころの話じゃ……ええっ?
「本当!? お父さま! いいの?」
「ああ、もちろん。ミカエルが一緒なら安心だし。ミカエルもたまには羽を伸ばして、のんびりしてきなさい。君は働きすぎだからね」
義父さまは僕の頭にも手を乗せて「楽しんでおいで」と言ったけど……
え、いや、義父さま。
そういう問題じゃなくて……えっと……僕って……安心?
「ミカエル、楽しみね!!」
義姉さまは無邪気に笑いかける。
その笑顔に僕は赤くなり、うつむき加減に「そうだね……」と答えるのが精一杯だった。
男として認識されてないんだな……と改めてショックを受けたものの、余計な事を考えるのはやめよう。
義姉さまと2人でお泊りデート。
嬉しくないわけがない!
今度こそ、男として見てもらえるチャンスかもしれないじゃないか!
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