1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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見送りに……

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 僕が義姉さまとファンレーの間に入ったのが、少し不自然な感じとなり、なんとなく微妙な空気が流れる。

 雰囲気を変える為、コホンと咳払いを1回した。

「あーファンレー、これから大変だけど、頑張れ」
「はい、兄さま」

 ファンレーの力のこもった瞳を見て、僕は安堵する。

 自信なさげに縮こまっていた5日前とは違う。
 ファンレーはもう大丈夫だな。

 ここ数日の目が回るような忙しさが報われたような気分になり、嬉しくなる。

「あー、っと、シーメス家の領地にサツマイモの苗と農作物の専門家を手配してあるから……」
「サツマイモ……?」
「枯れた土地でもサツマイモは育つらしいよ。今すぐに領地を立て直すのは難しいでしょ? とりあえず、サツマイモの育て方を領民に覚えてもらおう」

 領地経営の方針を立て、実行するのは時間がかかる。
 特にあの領地では……すぐには立て直せないだろう。
 その間も領民には生活があるわけで。
 とりあえずでも、土地を活用していった方がいいしね。

 てっきり、顔を輝かせて喜ぶかと思いきや、ファンレーは下をむいてしまい、僕は少し不思議になった。

 なんか、変な事、言ったかな?

「あの……兄さま……シーメス家は苗を買うお金も指導していただく方にお支払いする賃金すら……なくて……借金、ごめんなさい……」

 ああ、お金の事、気にしているのか……

 恥ずかしそうにボソボソと話すファンレーの頭にポンッと手を置き、笑いかけた。

「えっと……これは、僕からの贈り物。ファンレーが当主になったお祝い。苗代と賃金については気にしなくていいよ」
「えっ……」

 顔を上げ、驚いた顔をするファンレーに「いいかい?」と人差し指を立て、続きを話す。

「でも、育てるのは領民だし、その領民をまとめるのはファンレーの仕事だからね」
「は、はい!」
「立派なのが育ったら、アルフォント家で高く買い取ってあげるからさ」
「ふふ、楽しみね。サツマイモいっぱいできたら、スイートポテト作って、売り出そうか? 特産品にしちゃうとか?」

 義姉さまが楽しげな様子でウンウン頷いている傍らで、僕とファンレーは顔を見合わす。

 すいーとぽてと? スイートポテト? 
 初めて聞く名前だけど……それ、食べ物なの?
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