1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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再会し……

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 周りの様子を横目でうかがい、生徒たちが僕達のやり取りに気がついてない事を確認する。

 あまり騒がれると噂になり、アルフォント家にも迷惑が掛かってしまう。だからといって、場所を移して話すほどの事でもないし。

 仕方がない。

「ああ、そうそう。ご存知の通り僕はAランク魔道士でして」

 僕はふふっと楽しげな声で話しかけ、義姉さまに見られないよう、右腕に魔力を集中させる。

「あ、ああ、まぁ、そうだな」

 突然、魔道士の話が飛び出した状況に面食らったのか、前男爵は困惑した様子で、ただただ同意の言葉を述べた。

「ええ、そうです。僕は水魔法が得意ですが、火魔法も適性があるんですよ」
「魔法? 今、そんな話じゃなく」

 不可解な面持おももちで物申そうとする彼の言葉を遮り、僕はクスクスッと笑う。

「でも、まだまだ鍛錬が足らず、たまに暴発しちゃうんですよ、火魔法」

 メラッメラッと小さい炎が手のひらから出たり入ったりしているのをそっと見せる。

 前男爵は脅されている事にやっと気がついたのか、顔を強張こわばらせた。

「いやいや、ミカエルは優しい息子だから、実の親にそんなマネはするはずない。わしはお前の父親なんだからな」
「ええ、もちろん。ただの世間話ですよ」

 僕は極上の笑顔をむけた。そして、前男爵の耳元へ顔を寄せ、怒気どきを含ませた声でささやく。

「これ以上、僕を怒らせるな。せろ」

 あの無抵抗だった僕が、自分を脅すなんて夢にも思わなかったのか、これでもかと大きく見開いた目を僕にむける。
 さっきまでの威勢の良さは消え去り、オドオドと目を泳がせ、小刻みに体を震わせていた。

 そう、この人は昔から強者にはへつらい、弱者には偉そうにしてた。

 僕はいつまでも弱い子供じゃない。
 守るべき人がいるのだから。

 再び、にっこり笑い、声を出さずに口を動かす。

『行け』

 ビクリと大きく肩を動かし、そそくさと逃げ帰る前男爵を見て、僕はふぅぅと息を吐いた。

 これで、しばらくは近寄ってはこないだろう。

 もしかしたら、僕には接触してくるかも……とは思っていたけど、まさか、義姉さまに近づくなんて……これは、考えが至らなかった僕の落ち度だ。

 すぐに対策を練らなくては。
 絶対に、義姉さまにだけは触れさせない。
 
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