1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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夜会にて……

side ミカエル 2

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「……気に入ってもらえて、嬉しい……あのさ……今日、僕と踊ってく」
「クラリス」

 僕が義姉さまと踊るのを邪魔するかのごとく聞こえたアルベルトの声に、うんざりしながらも僕は頭を下げた。

 僕達貴族は王家の臣下だから、公の……皆が注目しているところでは、立場をわきまえないといけない。

「ああ、おもてを上げて」
「アルベルト様、この度はご招待いただき、ありがとうございました」

 義姉さまがにっこり笑って挨拶をする。

 アルベルトは僕がエスコートしていた義姉さまの手をサッと奪い、勝ち誇った笑顔を僕にむけた。

「悪いな、ミカエル。クラリスのエスコートは婚約者の俺がするから。今までご苦労」

 ……チッ。

 僕は心の中で舌打ちをする。

 この場では、婚約者であるアルベルトがエスコートするのが社交界のルール。ここで拒否したら、義姉さまが恥をかくだけ。だからなにも言えない。

「今日は名のある貴族のご令嬢を招待してあるから、存分に誘ってきたらどうだ? クラリスのことは俺に任せていいから」

 なにが任せていい……だっ。

 ニヤリと笑ったアルベルトが腹ただしくて、僕は軽く睨みつけ、顔を歪めた。

 僕とアルベルトのを交互に見ては、心配そうな顔をしている義姉さまに気がつき、慌てて微笑む。

「……大丈夫……何でもないよ」

 義姉さまは少し顔を和らげたものの、やはり気掛かりな様子で僕を見ていたが、アルベルトにダンスを申し込まれ、ホールの中央に連れて行かれてしまった。
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