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夜会にて……
side ミカエル 7
しおりを挟む「申し訳ございません。可能性はゼロ……です。ただ、貴女に魅力がない訳ではなく、私には好きな……女性がいますので……」
義姉さまの顔を思い浮かべ、他人に「好きな人」と伝えている事に照れてしまい、だんだん声が小さくなっていく。
オリアーナ嬢はふふっと口から笑い声を漏らした。
「私の告白には照れもしないミカエル様が、その方の事を口にするだけで赤くなるとは……」
「すみません……」
「すっきりいたしました。私、今度、婚約いたしますの」
まるで世間話でもしているかのように、ニコニコと予想外の台詞を言ったオリアーナ嬢に対して、僕は目を丸くした。
へっ? じゃあ、なんで、わざわざ想いを伝えたの? 結構、僕、心苦しかったんだけど!
「そ、そうなんですか……? それは……おめでとうございます」
なんだか釈然としないものの、とりあえず僕は胸を撫で下ろす。
まぁ、円満に解決したという事でいいのかな……?
「シェート様なんですが……」
オリアーナ嬢はポッと顔を赤らめた。
シェート……? マグワイア伯爵子息の?
シェートかぁ……社交倶楽部でも良く会うけれど、おおらかでいい奴だ。あいつ、オリアーナ嬢を口説いていたのか……
僕は思わずクスクス笑ってしまう。
「貴女ほどの美しい方と婚約できるシェートは、よほど頑張ったんでしょうね」
「いえ、その……はい。情熱に負けたと言いますか……絆されたと言いますか……」
彼女はかぁぁっと耳まで赤くし、両手で頬を押さえ、ぽつりぽつりと語る。
僕はその嬉しそうな姿が微笑ましかった。
好きな人の事を照れながら話す女の子ってかわいいな。義姉さまも、いつか誰かを想って幸せそうに語るのかな……その誰かは、僕であって欲しいけど……
「そうですか。お幸せそうで嬉しいです。シェートは男らしく、懐の深いいい男ですよ」
「ありがとうございます。あの…………それで、ですけど……」
はにかみながら、オリアーナ嬢は言いづらそうにボソボソ言葉を発し、チラチラと僕を見た。
「あの……私と……キ、キ……を……」
「…………え?」
「えっと…………スしていただ……」
「すみません……少し聞き取りづらくて……」
僕が少し困った顔をしたからか、彼女は一旦黙り込むと、すぅぅと大きく息を吸う。そして、意を決したのかバッと勢いよく顔を上げた。
「私とキスしていただけませんかっ!!」
吹っ切ったであろうオリアーナ嬢の大声が辺りに響き、僕は呆然とする。
…………はい?
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