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冒険者編①
29 視点変更 レルリラの決断
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時は卒業後まで遡る。
オーレ学園を首席で卒業したレルリラは推薦枠で騎士団へと入団した。
初めは新人らしく騎士団としての業務内容よりも訓練時間の方が多かったレルリラは、朝早くから夜遅くまで訓練に励む日々が続いていた。
といってもレルリラにとっては学園生活、いや幼少期から続けていたことで辛いという感覚はない。
訓練といっても魔法使いとして自身で組み立てていたトレーニングメニューの方がやりごたえがあるし、肉体面では学生時代に行ったことがある騎士科の授業内容のほうがキツかったからだ。
その為新人たちの中で余裕な表情を浮かべていたレルリラはそれはもう目立っていた。
レルリラの常に冷静で落ち着いた態度を目にした上層部は、入団して一月も経たないうちにレルリラに仕事を任せるようになった。
そしてやはり確実にこなすレルリラに、一人の男が口にする。
『あいつなら参加資格を与えてもいいだろう』
男が言った参加資格とは、聖女を護衛する特務隊と言われる隊を決める試合形式の出場者決めのことだった。
そして男の言葉に他の者たちも同意する。
レルリラの今までの経歴も勿論だが、レルリラ公爵家の者という要素が同意するきっかけになった。
こうしてレルリラは特務隊になる権利を掛け、試合へと参加した。
そして見事に勝ち上がっていく。
ちなみに本人は特務隊になりたいわけでもなかった。曰く『早く昇給できるのならなんでもいい』とのことだった。
特務隊は聖女を守る隊として設立されているが、現状召喚した聖女は瘴気の魔物討伐への出動はしていない。
第一王子であるアルヴァルトの指示により、教養を学ぶ方を優先されているためだ。
当初教養を優先するアルヴァルトの決断に反対意見があった。だがまだ聖女の浄化の威力が弱いことを理由に挙げて、アルヴァルトは上がる反対の声を潰していったのだ。
だから特務隊といっても現状聖女の側に控えなくてはいけないわけではない。それでも瘴気の魔物の情報が上がれば対応に行く必要があったが、それ以外は自由に行動してもいいというなんとも都合がいい仕事内容だった。
試合に勝ち続けたレルリラは最後に意思確認をされた。
聖女が討伐に出向いていない今、自分が瘴気の魔物の対応を一人でも行わなければならないこと。そして聖女が討伐に出向くようになったら聖女の身の安全を第一とした行動を約束しなければならない。
それが表向きの事情だが、レルリラは聖女に聖女の力がないことを知っていた。既に聖女を預かる実家から話を受けていたのだ。その為レルリラは迷うことなく同意する。
本人曰く『冒険者に依頼を出せる立場になるんだろ?俺にとってメリットしかない』とのことだった。
こうしてレルリラは聖女を守る特務隊へと認定されたのであった。
そんなレルリラが聖女と顔を合わせたのは卒業し、二ヶ月が経ったあとのことだった。
異例の出世だったが、それに異を唱えるものは少ない。
騎士団は実力主義だからだ。中には金で役を買うものもいたが、現在トップに立つ人物が実力で上り詰めた者で、且つ王立騎士団を所有する王族も実力主義な面が強くあるからこそ、実力がない者はどんどん立場を落とされていった。
だからこそ特務隊任命式の場でレルリラに向けられる視線は厳しいものではなかった。
しかし例えその視線が厳しいものであったとしてもレルリラは気にしなかっただろう。
何故なら初めて顔を合わせた聖女を見て(サラに似ていると聞いていたが全然だな)と呑気に考えていたのだから。
そして特務隊としてレルリラは活動することになった。
神殿で製作した聖水をもらい受けに行くという雑用的な部分もあったが、瘴気の魔物の対応というものが明らかに多かった。
だが瘴気の魔物の目撃情報は殆どが事実ではなかった。
瘴気の魔物は黒い靄をまとっている魔物と伝えられている為、黒に近い魔物をみた人間が全て瘴気の魔物が現れたと連絡をいれるからだ。
特務隊は瘴気の魔物の対応を任されていることから、瘴気の魔物が現れたと情報が入れば対応に出向かなければならない。例えそれが正しい情報でなくても。
この日もレルリラは瘴気の魔物の情報が正しくなかったこと、だが魔物討伐自体は済ませたことを報告するために王都にある王立騎士団の本部までやってきていた。
『大変だが他の者も頑張っている。これからもよろしく頼む』と慰めと激励を伝えられレルリラは物思いにふけていた。
といっても自分自身のことについてではない。
レルリラの想い人であるサラ・ハールは今どうしているのかという考え事にだ。
約束通りに身分を保証してくれるランクまで上げられているのか、そもそも約束したことを忘れていないか。
そんなことを考えながらレルリラが王都の町並みを歩いていたその時だった。
学生時代にサラのそばによくいたレロサーナ・クティナナが慌てた様子でレルリラに駆け寄った。
「レルリラ様!サラが大変なんです!!」
明らかにレルリラがここにいるということを分かって駆けつけた様子のレロサーナだったが、そんなことよりもレルリラはレロサーナの言葉に反応した。
サラが大変、という言葉を受けたレルリラはすぐにサラがいる場所へと向かった。
見た目お洒落だが味は美味く、なのに安いと有名なレストランへと入っていくレロサーナにレルリラは首を傾げたが、その先で見た光景に一瞬言葉を失った。
「……これは…」
床で巨大な猫に、いや猫の見た目の霊獣に抱きつきながら寝ているサラ。
顔は真っ赤に染まり息も少し荒い。
テーブルの上にはワインが入っているグラスもあり、酔っ払っているとすぐに分かった。
「…どれだけ飲んだんだ?」
「グラス一杯です…」
レロサーナが答え、レルリラは眉間にしわを寄せる。
そして小さく息を吐きだしたあと口を開いた。
「わかった。俺が引き受けよう。
お前たちはもう帰れ」
そう指示したレルリラに、レロサーナとエステルは「はい」と頷き、レルリラはサラのそばで膝をついたあとサラを持ち上げた。
卒業後もトレーニングを続けているのだろう、しっかりと付けられた筋肉は落ちておらず、体重もしっかりとした重さが感じられる。
サラの名誉のために言っておくが決して体重が重いと言うわけではない。肉より筋肉のほうが重みがあるということだ。
「…お前、サラの契約獣だろ?サラの住んでいる町まで案内してほしい」
レルリラがそういうとフロンはにゃぁと鳴いた。
そして自身が契約している霊獣を呼び出し通訳させる。
レルリラはサラがマーオ町に住んでいることを聞き出すと、すぐに騎士団が所有する転移魔法陣へと向かった。
自由に使用が認められているレルリラはその魔法陣でマーオ町へと向かう。
もっともマーオ町には魔法陣が敷かれておかず、その周辺の町までの転移となるが。
こうしてサラを家まで送り届けたレルリラはそばで見守るフロンの頭へと手を伸ばす。
「……サラは、酒は初めてだったんだろう…。だから度数の強い酒を一気に飲み干した。酒の飲み方を知らない、という可能性も否めなくないが、出来ればこいつに酒を飲ませないよう見守って欲しい」
そう言いながらレルリラはフロンの頭を撫でる。
フロンも分かったと答えるようににゃぁと鳴いた。
「うぅ」と唸るように声を出すサラをレルリラは一度撫でる。すぐに皺が寄った眉間がもとに戻ったことで、夢見が悪いだけだろうと判断した。
レルリラはサラを送り届けた後、その場から立ち去った。
本当はサラの保護者でもある両親に経緯を説明し、サラの様子を確認するため目が覚めるまでいたかったのだが、家には誰もおらずレルリラはフロンの許可で上がり込んでいたのだ。流石に男女(といっても互いの霊獣はいる状態だが)が同じ部屋に長時間いるのはいかがなものだという考えはレルリラにもあった。
ならば早く立ち去ったほうがいいとレルリラは判断し、早々に家を出る。
正直に言えば一言だけでも言葉を交わしたかった。だが、久しぶりにサラの顔を見れたことでも満足だと、気持ちをぐっと抑え込んで息を吐き出した。
「……ゆっくり帰るか」
すっかり暗くなった夜空を風属性魔法で浮かび上がりながらレルリラは空を飛ぶ。
サラがいるマーオ町に視線を向けながら、レルリラは町から離れていった。
時は卒業後まで遡る。
オーレ学園を首席で卒業したレルリラは推薦枠で騎士団へと入団した。
初めは新人らしく騎士団としての業務内容よりも訓練時間の方が多かったレルリラは、朝早くから夜遅くまで訓練に励む日々が続いていた。
といってもレルリラにとっては学園生活、いや幼少期から続けていたことで辛いという感覚はない。
訓練といっても魔法使いとして自身で組み立てていたトレーニングメニューの方がやりごたえがあるし、肉体面では学生時代に行ったことがある騎士科の授業内容のほうがキツかったからだ。
その為新人たちの中で余裕な表情を浮かべていたレルリラはそれはもう目立っていた。
レルリラの常に冷静で落ち着いた態度を目にした上層部は、入団して一月も経たないうちにレルリラに仕事を任せるようになった。
そしてやはり確実にこなすレルリラに、一人の男が口にする。
『あいつなら参加資格を与えてもいいだろう』
男が言った参加資格とは、聖女を護衛する特務隊と言われる隊を決める試合形式の出場者決めのことだった。
そして男の言葉に他の者たちも同意する。
レルリラの今までの経歴も勿論だが、レルリラ公爵家の者という要素が同意するきっかけになった。
こうしてレルリラは特務隊になる権利を掛け、試合へと参加した。
そして見事に勝ち上がっていく。
ちなみに本人は特務隊になりたいわけでもなかった。曰く『早く昇給できるのならなんでもいい』とのことだった。
特務隊は聖女を守る隊として設立されているが、現状召喚した聖女は瘴気の魔物討伐への出動はしていない。
第一王子であるアルヴァルトの指示により、教養を学ぶ方を優先されているためだ。
当初教養を優先するアルヴァルトの決断に反対意見があった。だがまだ聖女の浄化の威力が弱いことを理由に挙げて、アルヴァルトは上がる反対の声を潰していったのだ。
だから特務隊といっても現状聖女の側に控えなくてはいけないわけではない。それでも瘴気の魔物の情報が上がれば対応に行く必要があったが、それ以外は自由に行動してもいいというなんとも都合がいい仕事内容だった。
試合に勝ち続けたレルリラは最後に意思確認をされた。
聖女が討伐に出向いていない今、自分が瘴気の魔物の対応を一人でも行わなければならないこと。そして聖女が討伐に出向くようになったら聖女の身の安全を第一とした行動を約束しなければならない。
それが表向きの事情だが、レルリラは聖女に聖女の力がないことを知っていた。既に聖女を預かる実家から話を受けていたのだ。その為レルリラは迷うことなく同意する。
本人曰く『冒険者に依頼を出せる立場になるんだろ?俺にとってメリットしかない』とのことだった。
こうしてレルリラは聖女を守る特務隊へと認定されたのであった。
そんなレルリラが聖女と顔を合わせたのは卒業し、二ヶ月が経ったあとのことだった。
異例の出世だったが、それに異を唱えるものは少ない。
騎士団は実力主義だからだ。中には金で役を買うものもいたが、現在トップに立つ人物が実力で上り詰めた者で、且つ王立騎士団を所有する王族も実力主義な面が強くあるからこそ、実力がない者はどんどん立場を落とされていった。
だからこそ特務隊任命式の場でレルリラに向けられる視線は厳しいものではなかった。
しかし例えその視線が厳しいものであったとしてもレルリラは気にしなかっただろう。
何故なら初めて顔を合わせた聖女を見て(サラに似ていると聞いていたが全然だな)と呑気に考えていたのだから。
そして特務隊としてレルリラは活動することになった。
神殿で製作した聖水をもらい受けに行くという雑用的な部分もあったが、瘴気の魔物の対応というものが明らかに多かった。
だが瘴気の魔物の目撃情報は殆どが事実ではなかった。
瘴気の魔物は黒い靄をまとっている魔物と伝えられている為、黒に近い魔物をみた人間が全て瘴気の魔物が現れたと連絡をいれるからだ。
特務隊は瘴気の魔物の対応を任されていることから、瘴気の魔物が現れたと情報が入れば対応に出向かなければならない。例えそれが正しい情報でなくても。
この日もレルリラは瘴気の魔物の情報が正しくなかったこと、だが魔物討伐自体は済ませたことを報告するために王都にある王立騎士団の本部までやってきていた。
『大変だが他の者も頑張っている。これからもよろしく頼む』と慰めと激励を伝えられレルリラは物思いにふけていた。
といっても自分自身のことについてではない。
レルリラの想い人であるサラ・ハールは今どうしているのかという考え事にだ。
約束通りに身分を保証してくれるランクまで上げられているのか、そもそも約束したことを忘れていないか。
そんなことを考えながらレルリラが王都の町並みを歩いていたその時だった。
学生時代にサラのそばによくいたレロサーナ・クティナナが慌てた様子でレルリラに駆け寄った。
「レルリラ様!サラが大変なんです!!」
明らかにレルリラがここにいるということを分かって駆けつけた様子のレロサーナだったが、そんなことよりもレルリラはレロサーナの言葉に反応した。
サラが大変、という言葉を受けたレルリラはすぐにサラがいる場所へと向かった。
見た目お洒落だが味は美味く、なのに安いと有名なレストランへと入っていくレロサーナにレルリラは首を傾げたが、その先で見た光景に一瞬言葉を失った。
「……これは…」
床で巨大な猫に、いや猫の見た目の霊獣に抱きつきながら寝ているサラ。
顔は真っ赤に染まり息も少し荒い。
テーブルの上にはワインが入っているグラスもあり、酔っ払っているとすぐに分かった。
「…どれだけ飲んだんだ?」
「グラス一杯です…」
レロサーナが答え、レルリラは眉間にしわを寄せる。
そして小さく息を吐きだしたあと口を開いた。
「わかった。俺が引き受けよう。
お前たちはもう帰れ」
そう指示したレルリラに、レロサーナとエステルは「はい」と頷き、レルリラはサラのそばで膝をついたあとサラを持ち上げた。
卒業後もトレーニングを続けているのだろう、しっかりと付けられた筋肉は落ちておらず、体重もしっかりとした重さが感じられる。
サラの名誉のために言っておくが決して体重が重いと言うわけではない。肉より筋肉のほうが重みがあるということだ。
「…お前、サラの契約獣だろ?サラの住んでいる町まで案内してほしい」
レルリラがそういうとフロンはにゃぁと鳴いた。
そして自身が契約している霊獣を呼び出し通訳させる。
レルリラはサラがマーオ町に住んでいることを聞き出すと、すぐに騎士団が所有する転移魔法陣へと向かった。
自由に使用が認められているレルリラはその魔法陣でマーオ町へと向かう。
もっともマーオ町には魔法陣が敷かれておかず、その周辺の町までの転移となるが。
こうしてサラを家まで送り届けたレルリラはそばで見守るフロンの頭へと手を伸ばす。
「……サラは、酒は初めてだったんだろう…。だから度数の強い酒を一気に飲み干した。酒の飲み方を知らない、という可能性も否めなくないが、出来ればこいつに酒を飲ませないよう見守って欲しい」
そう言いながらレルリラはフロンの頭を撫でる。
フロンも分かったと答えるようににゃぁと鳴いた。
「うぅ」と唸るように声を出すサラをレルリラは一度撫でる。すぐに皺が寄った眉間がもとに戻ったことで、夢見が悪いだけだろうと判断した。
レルリラはサラを送り届けた後、その場から立ち去った。
本当はサラの保護者でもある両親に経緯を説明し、サラの様子を確認するため目が覚めるまでいたかったのだが、家には誰もおらずレルリラはフロンの許可で上がり込んでいたのだ。流石に男女(といっても互いの霊獣はいる状態だが)が同じ部屋に長時間いるのはいかがなものだという考えはレルリラにもあった。
ならば早く立ち去ったほうがいいとレルリラは判断し、早々に家を出る。
正直に言えば一言だけでも言葉を交わしたかった。だが、久しぶりにサラの顔を見れたことでも満足だと、気持ちをぐっと抑え込んで息を吐き出した。
「……ゆっくり帰るか」
すっかり暗くなった夜空を風属性魔法で浮かび上がりながらレルリラは空を飛ぶ。
サラがいるマーオ町に視線を向けながら、レルリラは町から離れていった。
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