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冒険者編①
50 Aランクになって何故か豪邸を借りることになりました
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無事Aランクへと昇級した私はレルリラと共に活動する為、王都に住むことを決めた。
流石に宿代がバカになるだろうと財布の中身を心配していたが、レルリラのお陰でその問題は解決された。
(まぁ、別の意味で問題になってるんだけどね)
まるで小説のような話の展開を思い出した私は乾いた笑いを浮かべる。
レルリラが私の事をなんと話したのかわからないけど、何故か住居の提供がされたのだ。
これも福利厚生の一つだと言われたけど、私の実家がいくつも入りそうな城みたいな一軒家は。
流石にこんな大きい大豪邸はいらない、第一誰が掃除すると思っているのよと突っぱねたところ、メイドを紹介されるという暴挙に出られた。
まぁ流石に?貴族のお坊ちゃんは平民の財布事情を知らないのだろうと察した私がメイドを雇う余裕はないと、心を広くもって反論すれば、城というか豪邸を提供された時の様にこれも福利厚生の一つだと言われる。
私は冒険者で騎士団ではないというと、瘴気の魔物対応に対する報酬金だと返された。
報酬金としてならばクエストとして引き受けるのだし、クエスト報酬を貰うのだからと反論すれば、危険手当だとかなんとか言われる。
私はもう何をどういえば回避できるのかがわからなかった。
だからせめて家を小さくしてくれと泣きつけば、レルリラのお兄さんが言葉巧みに私を丸め込む。
私は慌てた。
なんでレルリラのお兄さんが!?というわけではない。
昨日の夜にレルリラから話を伺っていたから驚くこともなかった。
だけど家をプレゼントされるという想定外すぎる展開に驚いてしまっただけ。
ちなみにレルリラのお兄さんは、聖女の教育担当を任されているらしい。
確かにレルリラ家で聖女の教育をしているということは聞いた気もするが、お兄さんは聖女を守る役目である特務隊の一人として活動しているレルリラの上司なんだそうだ。
つまり隊長。
どうやら聖女の保護は第二王子から第一王子に管理を移されていて、レルリラのお兄さんは第一王子の右腕ポジションにあるということと、その流れでレルリラ家で聖女を預かることになり、同時に聖女の教育担当としてレルリラのお兄さんが務めているが、聖女を守る特務隊は聖女の管理を任されている第一王子の管理下にあるらしく、必然的にレルリラのお兄さんが特務隊の隊長というポジションになったそうだ。
管理職っていうんだっけ?そういう人達と隊長的な人って別じゃない?と思うが、聖女に関わることに関しては別らしい。
特務隊自体少数で結成されていることから、上に配置される人も第一王子が本当に信頼できる人に任せたいという意向からそうなっているということだ。
そして私はレルリラのお兄さんに聖女に関しての話を少しだけ聞いた。
聖女の教育がまだ済んでいない事。
聖女抜きの特務隊のみで瘴気の魔物討伐をしていること。
お兄さん的には瘴気の魔物を相手にしている弟を心配していて、その中で聖水を作ることが出来る人、つまり私を同行したいとレルリラに頼まれたのがつい先日。
お兄さんはレルリラに聞き、私が平民であることを知って、色々と援助しなくてはとこうなったらしい。
何故?金銭感覚おかしいの?と思わず口から出そうになったところを私は必死にお口チャックした。
それでも流石に人を雇うとか無理だし、第一他人がいる中でこれが私の家とか思えないし、そもそも自分で買ったわけでもない家を貰うことは出来ないと返そうとした私は、お兄さんと話しているうちに貸すという名目で、家もメイドも受け入れることになってしまった。
しかもちゃんと拇印も押してしまったからもう何も言えない。
(貴族の饒舌さ、怖い……)
というわけで、私は今借りている豪邸で過ごしている。
借りている。こことても重要ね。
「サラ様、ご指定の時間に…と随分とお早いのですね」
昨日からお世話になっているメイドのエルシャさんが私が寝泊まりする部屋へと顔を出す。
エルシャさんは私の両親よりも年上で、三人の子供がいて、その中でも一番下の子が私と同じ位らしい。
子供といっても流石に働きにでる年頃ということで、エルシャさんが面倒を見る必要はないとのことだ。
エルシャさんは私が既に身支度を済ませた姿を見ると目を瞬いていたが、私はこれが普通の為苦笑しながらも「おはようございます」と返した。
「おはようございます。朝食は既に用意しております」
「ありがとうございます。…あと敬称も敬語も不要です。どうか楽に話してください」
私は平民相手でも態度を崩さないエルシャさんにお願いすると、エルシャさんはくすりと笑って「では敬称だけ…」と譲歩してくれた。
エルシャさんの雇い主は私ではなく、そもそもメイドとして私の元で働くことをレルリラのお兄さんに指示されているために、勝手に口調を改めることは許されないのだとか。
それでも様付けは平民にとって身震いするから、無くしてくれて本当に嬉しい。
ありがとう、エルシャさん。
「サラさんの本日のご予定はどのようにお過ごしなされますか?」
私は部屋を出てエルシャさんと共に食堂に向かう、
エルシャさんの手間を考えたらキッチンで食べたほうが絶対に効率的なのだが、エルシャさん曰くこれもだめらしい。
私の事お嬢様だと思っているのかな…?と勘違いしてしまいそうな対応だが、エルシャさんが面倒じゃなければいいかということで、私は食堂を利用させてもらうことになったのだ。
ちなみに初日の昨日、他にも色々決めた。
食事は基本一緒に、お風呂のお手伝いは不要、エルシャさんにも休暇は必要だから週に二日休んでくれとか、色々決めたことは多い。
食堂までの長い廊下を歩き進める間、私はエルシャさんに顔を向けながら今日の予定を話す。
「今日はレルリラが来るらしいから、それまでの間は魔力トレーニングをしようかなと思っています」
レルリラ曰く、私が聖水を作ったことは偶然の産物らしい。
まぁ確かに、作り方を知って作ったわけではないから、実際に作ってくれといわれるとかなり不安だ。
本当に私に作れるのか?と。
聖水の作り方については神殿に行けばわかるため、私がランクを上げている最中レルリラが色々動いてくれていたのだ。
「聖水の作り方って秘匿の筈なのによく教えてくれたね?」というとレルリラは「第一王子の権限があれば余裕だった」と答えるもんだから、権力って大事だなと私は目を細くする。
その為聖水の作り方をこれから来るレルリラに教えてもらうというのが今日のやることだ。
勿論私がすぐ作れるようになれば、レルリラに緊急の連絡がないことが前提だが、冒険者としてクエストを受けに行こうと思っている。
それくらいいいよね?せっかくAランクに上がったんだから、Aランクのクエストを受けたいと思っても。
「畏まりました。それではヴェルナス坊ちゃまがいらっしゃいましたらお伝えいたします」
「ありがとうございます」
ちなみにレルリラのことを名前と坊ちゃま呼びなのは、エルシャさんがレルリラ家で働いていたからだ。
だからか私が平民と知ってもルールに厳しい。
背筋が曲がってるとか、その座り方はよくないとか、なんかちょこちょこ言われたりする。
………まさか、食事の作法とか指摘されないよね?
食堂に辿り着いた私は二人分が用意されている食事の前に腰を下ろした。
二人の分というのは私とエルシャさんの分。
決してレルリラの分ではない。
ロールパンにスクランブルエッグ、サラダにスープ。
エルシャさんはもっと凝った料理を、といってくれたが私が庶民的な味を求めた為、手軽に作れて、栄養が取れるメニューに落ち着いたのだ。
温かいスープを手に取り、私は食べ進める。
エルシャさんからは味付けについて尋ねられた為、薄すぎず濃すぎず丁度いいと返した。
「今日は見過ごしますが、明日からは食事の作法を少しずつお伝えしますね」
「え……?」
そんなまったりな朝を過ごしてから、私は外に出る。
豪華な城みたいな家は庭も広く、エルシャさんがいなかったら絶対に一人では住みたくない_勿論メンテナンスという意味で_場所だけど、利用する分にはとても価値がある場所だ。
私は体を伸ばしてから目を閉じる。
魔力トレーニングは基本的には探知魔法に近い。
魔力を広げて周囲を把握する。
近場の場所なら地面はどうなっているのか、なにか障害物はないか、小さな魔力は何を示しているのか、草の形は、花の形は、その一つ一つを把握できるよう、ただ魔力を広げるのではなく目で見ているかのように把握できるようにするためのトレーニングだ。
これをすることによって魔力コントロールに差が生れてくるとお母さんは言っていた。
流石に他の土地迄魔力を広げることは出来ないから、範囲は屋敷の中だけに限定される。
それでも完全に把握できていない家だからこそ、魔力で確認した後、実際に目で見ることで正解しているかがわかる。
実家だと記憶が邪魔するからね。
そんなトレーニングを続けているとエルシャさんが私を呼んだ。
流石に宿代がバカになるだろうと財布の中身を心配していたが、レルリラのお陰でその問題は解決された。
(まぁ、別の意味で問題になってるんだけどね)
まるで小説のような話の展開を思い出した私は乾いた笑いを浮かべる。
レルリラが私の事をなんと話したのかわからないけど、何故か住居の提供がされたのだ。
これも福利厚生の一つだと言われたけど、私の実家がいくつも入りそうな城みたいな一軒家は。
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まぁ流石に?貴族のお坊ちゃんは平民の財布事情を知らないのだろうと察した私がメイドを雇う余裕はないと、心を広くもって反論すれば、城というか豪邸を提供された時の様にこれも福利厚生の一つだと言われる。
私は冒険者で騎士団ではないというと、瘴気の魔物対応に対する報酬金だと返された。
報酬金としてならばクエストとして引き受けるのだし、クエスト報酬を貰うのだからと反論すれば、危険手当だとかなんとか言われる。
私はもう何をどういえば回避できるのかがわからなかった。
だからせめて家を小さくしてくれと泣きつけば、レルリラのお兄さんが言葉巧みに私を丸め込む。
私は慌てた。
なんでレルリラのお兄さんが!?というわけではない。
昨日の夜にレルリラから話を伺っていたから驚くこともなかった。
だけど家をプレゼントされるという想定外すぎる展開に驚いてしまっただけ。
ちなみにレルリラのお兄さんは、聖女の教育担当を任されているらしい。
確かにレルリラ家で聖女の教育をしているということは聞いた気もするが、お兄さんは聖女を守る役目である特務隊の一人として活動しているレルリラの上司なんだそうだ。
つまり隊長。
どうやら聖女の保護は第二王子から第一王子に管理を移されていて、レルリラのお兄さんは第一王子の右腕ポジションにあるということと、その流れでレルリラ家で聖女を預かることになり、同時に聖女の教育担当としてレルリラのお兄さんが務めているが、聖女を守る特務隊は聖女の管理を任されている第一王子の管理下にあるらしく、必然的にレルリラのお兄さんが特務隊の隊長というポジションになったそうだ。
管理職っていうんだっけ?そういう人達と隊長的な人って別じゃない?と思うが、聖女に関わることに関しては別らしい。
特務隊自体少数で結成されていることから、上に配置される人も第一王子が本当に信頼できる人に任せたいという意向からそうなっているということだ。
そして私はレルリラのお兄さんに聖女に関しての話を少しだけ聞いた。
聖女の教育がまだ済んでいない事。
聖女抜きの特務隊のみで瘴気の魔物討伐をしていること。
お兄さん的には瘴気の魔物を相手にしている弟を心配していて、その中で聖水を作ることが出来る人、つまり私を同行したいとレルリラに頼まれたのがつい先日。
お兄さんはレルリラに聞き、私が平民であることを知って、色々と援助しなくてはとこうなったらしい。
何故?金銭感覚おかしいの?と思わず口から出そうになったところを私は必死にお口チャックした。
それでも流石に人を雇うとか無理だし、第一他人がいる中でこれが私の家とか思えないし、そもそも自分で買ったわけでもない家を貰うことは出来ないと返そうとした私は、お兄さんと話しているうちに貸すという名目で、家もメイドも受け入れることになってしまった。
しかもちゃんと拇印も押してしまったからもう何も言えない。
(貴族の饒舌さ、怖い……)
というわけで、私は今借りている豪邸で過ごしている。
借りている。こことても重要ね。
「サラ様、ご指定の時間に…と随分とお早いのですね」
昨日からお世話になっているメイドのエルシャさんが私が寝泊まりする部屋へと顔を出す。
エルシャさんは私の両親よりも年上で、三人の子供がいて、その中でも一番下の子が私と同じ位らしい。
子供といっても流石に働きにでる年頃ということで、エルシャさんが面倒を見る必要はないとのことだ。
エルシャさんは私が既に身支度を済ませた姿を見ると目を瞬いていたが、私はこれが普通の為苦笑しながらも「おはようございます」と返した。
「おはようございます。朝食は既に用意しております」
「ありがとうございます。…あと敬称も敬語も不要です。どうか楽に話してください」
私は平民相手でも態度を崩さないエルシャさんにお願いすると、エルシャさんはくすりと笑って「では敬称だけ…」と譲歩してくれた。
エルシャさんの雇い主は私ではなく、そもそもメイドとして私の元で働くことをレルリラのお兄さんに指示されているために、勝手に口調を改めることは許されないのだとか。
それでも様付けは平民にとって身震いするから、無くしてくれて本当に嬉しい。
ありがとう、エルシャさん。
「サラさんの本日のご予定はどのようにお過ごしなされますか?」
私は部屋を出てエルシャさんと共に食堂に向かう、
エルシャさんの手間を考えたらキッチンで食べたほうが絶対に効率的なのだが、エルシャさん曰くこれもだめらしい。
私の事お嬢様だと思っているのかな…?と勘違いしてしまいそうな対応だが、エルシャさんが面倒じゃなければいいかということで、私は食堂を利用させてもらうことになったのだ。
ちなみに初日の昨日、他にも色々決めた。
食事は基本一緒に、お風呂のお手伝いは不要、エルシャさんにも休暇は必要だから週に二日休んでくれとか、色々決めたことは多い。
食堂までの長い廊下を歩き進める間、私はエルシャさんに顔を向けながら今日の予定を話す。
「今日はレルリラが来るらしいから、それまでの間は魔力トレーニングをしようかなと思っています」
レルリラ曰く、私が聖水を作ったことは偶然の産物らしい。
まぁ確かに、作り方を知って作ったわけではないから、実際に作ってくれといわれるとかなり不安だ。
本当に私に作れるのか?と。
聖水の作り方については神殿に行けばわかるため、私がランクを上げている最中レルリラが色々動いてくれていたのだ。
「聖水の作り方って秘匿の筈なのによく教えてくれたね?」というとレルリラは「第一王子の権限があれば余裕だった」と答えるもんだから、権力って大事だなと私は目を細くする。
その為聖水の作り方をこれから来るレルリラに教えてもらうというのが今日のやることだ。
勿論私がすぐ作れるようになれば、レルリラに緊急の連絡がないことが前提だが、冒険者としてクエストを受けに行こうと思っている。
それくらいいいよね?せっかくAランクに上がったんだから、Aランクのクエストを受けたいと思っても。
「畏まりました。それではヴェルナス坊ちゃまがいらっしゃいましたらお伝えいたします」
「ありがとうございます」
ちなみにレルリラのことを名前と坊ちゃま呼びなのは、エルシャさんがレルリラ家で働いていたからだ。
だからか私が平民と知ってもルールに厳しい。
背筋が曲がってるとか、その座り方はよくないとか、なんかちょこちょこ言われたりする。
………まさか、食事の作法とか指摘されないよね?
食堂に辿り着いた私は二人分が用意されている食事の前に腰を下ろした。
二人の分というのは私とエルシャさんの分。
決してレルリラの分ではない。
ロールパンにスクランブルエッグ、サラダにスープ。
エルシャさんはもっと凝った料理を、といってくれたが私が庶民的な味を求めた為、手軽に作れて、栄養が取れるメニューに落ち着いたのだ。
温かいスープを手に取り、私は食べ進める。
エルシャさんからは味付けについて尋ねられた為、薄すぎず濃すぎず丁度いいと返した。
「今日は見過ごしますが、明日からは食事の作法を少しずつお伝えしますね」
「え……?」
そんなまったりな朝を過ごしてから、私は外に出る。
豪華な城みたいな家は庭も広く、エルシャさんがいなかったら絶対に一人では住みたくない_勿論メンテナンスという意味で_場所だけど、利用する分にはとても価値がある場所だ。
私は体を伸ばしてから目を閉じる。
魔力トレーニングは基本的には探知魔法に近い。
魔力を広げて周囲を把握する。
近場の場所なら地面はどうなっているのか、なにか障害物はないか、小さな魔力は何を示しているのか、草の形は、花の形は、その一つ一つを把握できるよう、ただ魔力を広げるのではなく目で見ているかのように把握できるようにするためのトレーニングだ。
これをすることによって魔力コントロールに差が生れてくるとお母さんは言っていた。
流石に他の土地迄魔力を広げることは出来ないから、範囲は屋敷の中だけに限定される。
それでも完全に把握できていない家だからこそ、魔力で確認した後、実際に目で見ることで正解しているかがわかる。
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